魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

結婚の未来 2

2008年12月23日 | 結婚コン

結婚のパターンは、何よりも経済に影響される。
子供を産み育て、生きる方法を次の世代に受け渡ししなければならない。(命と文化の伝授)

狩猟、遊牧、農耕など、その生きる方法で文化は異なる。
食料環境が安定していれば、文化も安定し、結婚の形も固定する。

その安定した生活も、自然環境の変化や、異民族との交流、文化思想の伝搬によって、経済環境の変化や価値観の変化が起こり、結婚の形も変化する。

しかし、安定した一つの時代が何百年にもわたることもあり、その中で暮らす人は、先祖からの結婚形態が自然の摂理のように思い、守らなければならないものだと信じて暮らす。
人間の生活が、家族や地域の生産で営まれていた時代は、それで良かった。

ところが、産業革命で生産形態が変わり、家単位の生産が失われた。
給与生活によって家業から切り離された男女が、家業のための結婚ではなく、社会の維持のための核家族をつくり始めた。

それまで、家によってなされてきた子育てが、保育園や学校など、国家というシステムによってなされるようになった。
家の掟は国家の法に替わり、個々は国に帰属することになった。

ところが、さらに、経済のグローバル化や人々の大移動時代を迎え、従うべき国家や、守ってくれる国家の形が見えなくなってきた。

さらに、科学技術の発達により、子供を産み育てるということが、必ずしも男女の結びつきを必要としなくなってきた。

人間は宇宙には行かないのか
今はまだ、始まったばかりだが、これまで、人間が当然と考えてきたことは、一度、白紙にもどさなければならない。

神話や聖書の時代から、男と女は「産めよ増えよ地に満ちよ」の教えに従って生きてきた。その大前提が、本当は崩れている。
古典的なモラルを前提に、その動きを押しとどめているが、地球外に進出する技術は人間に、生き方の選択を迫っているのだ。

たとえ、今それを受け入れなくても、遅かれ早かれ、人間は母体から出産することを止めるだろう。それにともなう親子の愛情や人間観は、今、心配するほどたいした問題にはならないだろう。
問題は、現在の社会概念が全く役に立たなくなることだ。

人は一人で生きることはできないが、それが男と女や家族でなければならないのは、動物としての話だ。
今、世界的に騒がしい同性結婚も、国家の構成単位を古典的な婚姻を前提としているからだ。生活を共にするものが等しく守られる社会なら同性で「結婚」する必要はない。

これからの社会は、婚姻をベースにする社会では成り立たない。
大家族から、核家族になり、個人の社会になれば、個人の関係がどうであろうとも、個人が保障される社会でなければならないだろう。
そうなれば同時に、子育て教育は、親子を超えて保障されることになる。

現在の少子化、児童虐待や、赤ちゃんポスト、引きこもり、ニートなど様々な問題は、家族・親子で次の世代を育てる前提が崩れていることを物語っている。