魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

長子の愚直

2008年12月11日 | 兄弟関係

長子と弟妹を比べると、長子は地味で無神経、弟妹は派手でそつがない。長子はファッションセンスがなく親と同じような格好をしているが、弟妹は流行に敏感で、親からどう言われようとお構いなく、新しいものをどんどん取り入れる。ただし、母親が偏愛した末っ子の男は長子と同様、センスが悪い。

結局、ファッションセンスは流行感度だから、周囲の変化を観て、すぐ取り入れる弟妹型の方が「センス(感度)が良い」ことになる。
長子は、親の宛がいを着るので、基本的に身なりのことはあまり考えない。
自由な立場で家も外も見ている弟妹は変化に敏感で、力がある人、人気があるものにすぐ憧れ、自分も同じようになりたいと思う。
そして、上手くまねることを独自性、個性、実力だと思う。

弟妹型は年より大人に見られることを喜ぶが、年を取ると逆に、若く見られることを喜ぶ。
着る物にしても、見た目年齢にしても、何事も他動的、相対的に自分を決める習慣が付いているから、他人=評価する人に「らしく」観られようとする。

長子は他人にどう見られても気にしない。その代わり、自分で勝手に自分の印象を決め込んでいる。弟妹型から見ると、気の利かない世間に鈍感な人間で、あれこれ教えてあげたくなる。
しかし、長子はそういうことはどうでも良いから、言われればすなおに受け入れる。

恋愛関係、ひいては結婚の組み合わせに、長子型と弟妹型のカップルが多いのは、たいていは弟妹型からのアプローチによる。

ヒーローよりマネージャー
弟妹型が、長子型に接近するのは弟妹型自身が思っているように「面倒を見てやらなければ」だけではない。自分では気づかないが、長子型の原理、ブレない一貫性が何かと頼りになるからだ。

長子は人にどう思われるかより、自分はどう生きるべきか、自分の役割とは何かのような、原理や立場で考えようとする。
しかも、自問自答しながらだから、他人の評価や時流に乗るということがまったく欠けている。

一家や兄弟で何かをやる時、長子が切り開いた道を弟妹が後追いをして、長子より上手くやることが多い。
親の跡継ぎとなると、長子は独自の道を開こうとする。どうしても跡を継がなければならないような場合は、直接親から習いたがらない。

現在の海老蔵が父親より祖父の海老蔵を手本としたケースや、騎手の武邦彦の子供が長子は跡を継がず、三男の豊が跡を継いで大成功をし、四男がまた、その後追いをしたようなケースにも見られる。
騎手では福永洋一の長男が跡を継いだのも、高校を中退してであり、初めから継ごうとしたものではなく、父親は倒れたので、全く独自の道として入ったことになる。

長子が始めたことを弟妹がより発展させる場合、プロスポーツなどは弟妹だけがプロになることが多い。
長子または上の弟妹の後追いをして入った弟妹が超えられないのは、資質の違いを直視せず後追いだけに自分の道を求める場合だ。

しかし、雇用者のいるプロスポーツと違うビジネスは、案外、長子が弟妹をたてて、自分はマネージャーに徹することがある。
これは、長子の一族意識の責任感と、外見より実質を重視する堅実性にある。
デザイナーのコシノ姉妹は、親の道から姉が新世界を切り開き、妹が発展すると、姉は第一線から引退してしまった。
石原慎太郎はデビュー当時、「慎太郎刈り」なる髪型が流行るほどスター性があったが、裕次郎が出たら、あっさり政治の道に転向した。
日本神話の成功者はみな弟妹だったが、所どころに、兄の存在がかいま見える。

長子はヒーローになることより、自分の責任を果たそうとする。
弟妹が発展することに喜びを感じるが、弟妹の多くは、乗り越えたと思い、長子がいたおかげだと思うことは少ない。
「兄貴がだらしないから何時も面倒を見させられる」と言ったような、弟の言葉を良く聞く。

長子は頼られると、責任感から、自分の力量を顧みず買って出て、大抵ひどい目に遭う。
長子が失敗する理由の一つに、すべての意見を自分一人で汲もうとすることがある。その結果、優柔不断になり、ありがたがられない。
この点、弟妹型は情け容赦なく果敢に決断し、反対に遭うとサッと引っ込める。