魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

アメリカ産

2008年12月21日 | 星の流れに

自動車業界は、次々とレース撤退を決定した。発表する人は皆涙ぐんでいた。
不況でやむを得ず撤退ということだが、そんな単純なことではないだろう。自動車産業の転換期の象徴だ。

もう、何年も前から自動車の存在理由が変わっていた。
スピードや馬力の腕力競争から、生活用具としての機能や堅実性が求められるようになっていた。
車社会も馬力一辺倒の青年期から、大人の気品、そして老成の質実の時代に入った。
車はもう、ニューファッションやステータスシンボルではなく、毎日使う鍋と同じ道具になった。毎日使って使い心地が良く、頑丈で簡単には壊れないリーゾナブルな信頼性で選ばれるようになった。もちろん、外食中心の人に鍋は要らない。

そういうことは、自動車産業の当事者が一番解っていたはずだ。
だから、ある意味で、これを機会に撤退したのではなかろうか。
意図的に撤退するにしても、愛着もあれば郷愁もある。涙ぐむのは当然だ。自分は乗らない鉄道でさえ、廃線になると聞けば駆けつけて「止めないでくれ~!」と泣くのが人情だ。

射手座を通り過ぎた冥王星
自動車、飛行機という双子座、射手座の乗り物が、冥王星が射手座を通過していた過去20年の間に、大きく姿と意味が変わった。
アメリカ産業の象徴だった乗り物の生産が世界に拡散し、もう一つの象徴であるコンピューターも拡散した。

同時に、そうした工業製品の持つ核心部分も分散し変質した。
アメリカの車が売れなくなったのは、ギラギラの青年期のままだったからであり、コンピューターはまだ始まったばかりとはいえ、アメリカ方式の独占に拘りすぎることで、権益を失うだろう。(OSとネット)

面白いことに、アメリカの象徴とも言える、飛行機、自動車は、いずれもアメリカ原産ではない。しかし、コンピューターはアメリカ原産と言えるだろう。
つまり、画期的発明は経済的に元気のあるところから生まれるが、それをうまく活用した方が儲けることができる。
何事もそうだが、長子より弟妹の方が余録が多く、二番煎じの方が儲けが多い。
携帯の実用は日本が最初だったが、実際に儲けたのは日本ではなかった。

飛行機と自動車で儲けたアメリカは、コンピューターではおそらく他の地域を潤すことになるのだろう。
もう一つ言えば、太陽電池もアメリカだ。