夕べは母がまた暗い声で電話をしてきて、
きょうも洗濯ネットが無いのか?ホームに来たのが間違いだった話か?
と身構えていたら、新手で、
「じーちゃんが、菓子パンばかり食べていて、御飯を残す」
と延々、愚痴り始め、閉口した(殴)。
そもそも父は大変にパンが好きで、若い頃からよく、
オヤツにあんパンやクリームパンを食べており、母はいつも、
「お酒飲まへん人やから、甘いもん食べるのは、ええやろ」
と言って、菓子パンを欠かさないように買っていたものだった。
それに倣い、ここ数年は私もまた、実家にパンの差し入れをしていた。
父は、トシとともに自制心がなくなり、テレビを観ながらパンを食べて、
夕食の頃には全く空腹でなくなっている、ということも、
家に居る頃から時々あるようになっていたが、
私自身は、父はもう90歳にもなるのだから、基本的に、
そのとき一番食べたいものを食べれば良いのではないか、と考えていた。
糖尿病の主治医からも、きちんと服薬すれば、食事制限はしなくて良い、
と、以前から許して貰っている。
治療食のほうが良いには決まっているが、年齢が年齢なのでもう良かろう、と。
それで、ホームに入ってからも、5月と6月に1回ずつ、
日保ちのする菓子パンのセットを私が送っていたのだが、
母によると、それが届くと父はあるだけどんどん食べてしまい、
パンのある間は夕食を大半、残すのだそうだ。
そしてパンがなくなると、多少は夕食をきちんと食べるようになるらしい。
母は、そういう父の食生活を見ているのが我慢できず、
「ここは共同生活なんやから、皆で食事をするとき、大半残したりしたら、
この人、陰でひとりで何を食べとるのかとみんなに思われるやないの。
皆かて食べたいやろうに、そんなにパン食べとるてわかったら、
みんな羨ましがるやないの。私が恥ずかしい」
と、後半謎理屈で、父の菓子パンを許せないと語った(汗)。
食堂で、父が食事の大半を残す
↓
周囲の入居者さんたちがそれを見ていて、
「この人が食事を残すのは陰で菓子パンを食べているからだ」
と気がつく
↓
周囲の人達から、
「私たちだって菓子パンが食べたいのに、羨ましい」
「奥さんがついていながら、なぜこのように勝手なことをさせるのか」
と思われて、私(母)が恥ずかしい。
というのが母の頭の中の設定なのだが、
もうマトモに聞いていられない話ではないか(^_^;。
母がこういう方向の認知症になるとはねぇ。
確認したのだが、母自身は菓子パンが食べたいわけではないそうだ。
えてして『みんな』=実は『自分』のことだったりするものだが、
母に言わせると、「私は菓子パンなんか要らへん」とのことだった。
ほんまかいな(^_^;。
「私は、毎回できるだけ出されたものは全部食べるようにしている」
と母は何度も言い、それ自体は大変立派なことなのでそれでいいと思うのだが、
それにひきかえ父が目の前で、食べたいものしか食べず食事を残す、
という事態が、母は気に入らないと言った。
私のように残さず食べるべきだ、みんなだって見ている、と。
「ほんなら、菓子パンはおばあちゃんが管理して、
食後におやつとしておじいちゃんに一個ずつ渡したら、どうやねん」
と私は提案してみたが、
「私が管理せんなんようになるのは、負担や」
と言って、母は拒否した。
自分は娘に愚痴る以外に手を下さないでおいて、
頭の中で思い描いている通りの食生活を、夫にさせたい、
と訴えられても、それはちょっと、叶わぬことではないかねぇ(^_^;?
母を説得するのは無理なので、
「では今後は私は菓子パンを送らない」
ということで昨日は一応まとめたのだが、
しかし、無趣味な暇老人(爆)である父が、
唯一と言って良いほど積極的に好んでいる菓子パンを、
母の心理的な満足のために、今後は食べさせてやらない、
……というのも、なんだか理不尽な感じがする(汗)。
私がホームを尋ねたとき、母に隠れてちょっとずつ渡してやれば良いか。
ホームには売店もあるし、父は小遣いを持っているので、
甘い物が欲しくなれば、自分で買いに行くというのは可能ではあるが…。
母は精神科を受診したほうが良いと私は感じている。
メンタルがおかしい、というのはここ数年感じていたが、
ホームに入って生活が変わったこともきっかけになったのか、
最近の精神状態はかなり悪くなっていると思う。
もともとマイ・ルールを多く持っている人ではあったのだが、
今は理不尽なものも含めて、自ら、がんじがらめになっている。
本人だって、始終、悶々としているのは愉快でないだろう、
と思うが、そこはまた微妙で、私の観察では母は、
「傷ついているのに頑張っている自分」をアピールすることに、
ある種のやり甲斐を見いだしているように思われるときもある。
母は、服薬等で気分がおさまり問題が減ることを
潜在意識の中では望んでいないかもしれない。
何にしても加齢が理由なのだから、「なおる」というものではないだろうが、
もうちょっと穏やかになり、口数が減ってくれないものか(殴)。
可笑しな方向にぶっ飛ぶのなら結構なのだが(例:転姑ばーちゃん)、
母は性格のネガティブな面が、いっそうはっきりしてきているので、
話の大半が、聴く者の気力を削ぐ愚痴愚痴とした内容で、
しかも母の中では極めて筋の通った話として固定されているため、
どのような解決策も受け入れず、始末に負えない。
おばーちゃんはこんなに立派なのに、おじーちゃんはいけませんねぇ、
とでも言ってあげれば満足なのかな。
しかし、接客の現場でもないのに、おべんちゃらみたいな返答を、
タダで続けるのも腹立たしい話ではないか(逃)。
私だって理性でなんとかしようとしてはいるが、イライラが溜まるのだ。
最近は、着信で母の番号が表示されるだけで、電話に出る前からウンザリしている。
それでも、電話とホーム訪問以外の時間は相手をしなくて良いのだから、
私はとても恵まれていると思うべきだろう。
こういう手合いと同居していたら、毎日噴火しているところだった(^_^;。
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