転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



寒いと思ったら、朝からモウモウと雪が舞っていた。
市街地でこれなら、私の実家界隈は埋まっているだろう(汗)。

私の子供の頃の感覚だと、
「二学期が終わるまでに、雪の季節が始まる」
という前提があった。
天気予報で明日は雪だと言うと、父はアカギレの手入れをして(笑)
それから、自家用車のタイヤにチェーンをつけたものだった
(昔は、スタッドレスタイヤが普及していなかった)。
そして翌朝は、付近の大人たちは皆、4時台、5時台に家を出るのだった。
雪が降り始めると、特に橋の上など路面の凍結がひどくて、
町に近づくほどに、通勤の車で大渋滞になるからだった。

親にはウンザリの雪も、私たち子供にとっては、お楽しみの到来だった。
学校に行くと、休憩時間も体育の授業も、いつだって雪合戦で、
終わると、教室の大きなストーブのまわりに手袋や靴下を並べて干した。
走り回って大汗をかき、雪で髪も服も結構濡れていたと思うのだが、
別に、そのせいで風邪をひいた、という記憶は無かった。
たまにしもやけにはなったが、私自身はアカギレには縁が無かったし、
指先が切れて困ったという経験も、当時は無かった。

私は確かに、そういう村で育った筈なのだが、
近頃はもう、都会人を気取っており、すっかり別人になった。
今では、寒くなると手指が切れて痛いし、足は乾燥してカユい。
トシを取ったというのも理由だとは思うが、しかしこの脆弱ぶりは何だ。
きょうのように窓の外に雪が見えるだけで、
「寒い!」と真面目にビビってしまう。
4時に起きて朝御飯を作るなど論外だ。
雪合戦をしたいとも思わないし、雪だるまもかまくらも特に必要でない。
それより、足を冷やしたらてきめんに体が弱るから、真剣にイヤだ。
こんな日は、靴下を重ね履きして、おうちに籠もって、コタツで温もり、
本を読んだり音楽を聴いたりして過ごしたい、というのが私の希望だ。

……こんな人間、うちの田舎では、ただのカスだ。
冷えてつらいから大根干しをやりたがらない、というのも悪いが、
それ以前に、もこもこ着込んだ服装だけでも、たちどころに失格主婦として
「見てみんさい、あがいに(あのように)よけい服着てからに」
と村じゅうの評判になるだろう。
人間、だめになるのは早いものだな(爆)。

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