この15日から中国の南京大学で、フー・ツォンの父フー・レイの、
生誕百周年記念シンポジウムが行われるので、
『君よ弦外の音を聴け』の御著書のある榎本泰子先生と、
先日、『望郷のマズルカ』を出版なさった森岡葉氏とが、
揃って招かれ、出席し論文発表などをされることになっている。
フー・レイ(傅雷)は文化大革命以前の中国の近代知識人のひとりであり、
『ジャン・クリストフ』の翻訳などの業績を持つ仏文学者だった。
ピアニストのフー・ツォン(傅聡)は、その長男である。
亡父の生誕百周年ということで、フー・ツォンも中国に滞在し、
16日夜は南京大学でシンポジウム関連行事の一環としてリサイタルを、
19日夜は上海音楽学院でマスタークラスを行うことになっている。
更に、25日には上海音楽庁でもコンサートが予定されている。
演奏予定曲目は、森岡氏の情報によれば、
ハイドンの2つのソナタ(Hob.32・33)
シューベルトのソナタD.959
ショパンのエチュード op.25の1・2・3・4・7・12、
などだそうだ。
実は、森岡氏は大変に気さくな方なので、
この予定がほぼ決まった昨年暮れに、私のような者に、
「よしこさんも一緒に行きませんか」
と、あまりにも気軽に、声をかけて下さったのだった。
榎本・森岡両氏というフー研究最強コンビが参加なさる中国旅行、
それに、91年以来十数年ぶりのフー・ツォンが聴ける!とあって、
私は一気に頭に血が昇ってしまい
(年末はまだ他の病気のために出血多量だったというのに・爆)
ほ、ほ、ほ、本当に行ってしまおうかっっ、と思った。
なにしろ、広島から上海までなら直行便があるし、
そのフライト所要時間は、広島―東京の新幹線より短い。
ヨーロッパまでポゴレリチを聴きに行くなどという話とは
全然、規模の違う気楽さである。
だが、道楽に目のくらんでいる私などと違って、
ごくフツーの日本人である主人は、言った。
「カネないヒマない以前の問題として、
アンタは危機管理意識が無さ過ぎだから、駄目だ」
海外旅行というだけでもとんでもないのに、ましてや、
今のような時期に、不慣れな新参者が中国などへ行くんじゃない、
とゆーワケですね。ごもっともです(泣)。
かくなるうえは、なんとしてでも、近いうちに、
フー・ツォンに来日して貰わなくてはならない。
とりあえず、長年のファンのひとりである今の私にできることとして、
作りかけては挫折を繰り返している、フー・ツォン・ファンサイトを
早くどうにかしなくてはと、改めて誓ったことだった。
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