転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



両親宅に、古い金庫が4個(爆)もあるのを発見した。
手提げ型などという可愛いらしいものではない。
どれも、ちょっとした「ワンドア冷蔵庫」くらいのサイズがあり、
ダイヤルを操作し更にキーを差し込んで開け閉めする、という金庫だ。
うちの両親は、一体なんの業者だったのか(--#)。
「オヤジら、商売しよったけど、そんな大きな金庫なんか見たことないで(^_^;?」
と、私の報告を聞いた主人が言った。ですよね(大汗)。
金庫は各々、規則性もなく異なった場所に、ひっそりと置かれていた。
母屋の某室の一角にひとつ、古いほうの物置の奥にまたひとつ、などなど。
どれも、周囲は埃まみれで、何十年と開けた形跡がないようだった。

サイズ的にみると、泥棒などに「盗られる」のを心配したというよりは、
火事等の災害時にも大丈夫なように、と考えて選んだ金庫だったのだろう。
金庫本体はおそらく昭和30年代の品と思われ、父母の世代だと、
「いつかまた空襲があっても耐えられるように」
という思いが、購入時に脳裏を過(よ)ぎったのかもしれない。
それにしても、この大きさともなれば、さぞや高かっただろうに、
一体どういう無駄使いをしていたのか。
父が、電気代すらケチって、暗い部屋でテレビを観続けたり、
暑さ寒さを限界まで我慢してエアコン類を使用しないようにしていた姿を
私は今でも思い出すことができるのだが、
一方でこんな贅沢なものを買っていたとは、呆れ返ってモノが言えない。

金庫、ではあるが、どれも入っているのは金銭ではない。主に書類だ。
なぜわかったかというと、中身が何であるかを書いた、黄ばんだ紙が、
それぞれ、扉のオモテに貼ってあったからだ。
それによると、文化何年とかの神社関係の記録だとか、手続用紙各種(何の?)、
父の仕事の免許状関連、それに叔父伯母や私の臍の緒(爆)、等々らしい。
管理の悪い古い金庫なので、今更、開け方なんかわからない。
それらしい鍵束があちこちから出てくるが、鍵穴に合わない。
「右に何々を何回、左に何々を何回」みたいな書き付けもあったが、
1種類だけなので、どの金庫のダイヤルのことなのか、完全に不明だ。

そもそも、両親の家はそこかしこに鍵のかかる仕組みがある。
長年、建て増しと改造を重ね、家全体が迷路に成りはてており、
部屋の出入り口や、廊下との境目、増築部分から母屋に通じるドア、
等々にいちいち鍵が取り付けられており、
ざっと見ても数十箇所くらいは鍵穴がある。
鍵は、もし全部揃っていれば物凄く太い鍵束である筈なのだが、
これまた管理が悪いので、あちこちから鍵が発掘されるばかりで、
全容は把握不可能だ。
先日、父の居室から、「かぎ」と書かれた菓子箱が出て来て、
開けたら大小様々な銀色の鍵が、どこの何とも書かれずに、
ただ、盛られていた、……のを見たときは心底、萎えた。

私の知らない、両親なりの長い歴史があったに違いないし、
こうなるにはなっただけの経緯があったのだろうと想像はできるが、
自分の手に負えるうちに、ものごとをきちんと整頓しておかなかったのは、
両親の犯した最大のミステイクであった。
還暦で父が定年退職をしたときに、ふたりで「終活」を開始するべきだった。
まだまだ隠居するような年齢でなかったからこそ、
死ぬときの準備を自分たちですべきだった。
私は決意したぞ、55歳の今から自分の終活を全面的に開始する!!
本物の老いた婆さんになったと、自分で認められるようになる頃には、
もうすべてが、何もかもが、手遅れなのだ。
いつやるの?今でしょ、55歳!!という心境ですよ林修先生!!
そうしなかったら、娘が今の私のようになるのだ。
貴重な人生の持ち時間を、ゴミ屋敷の処理に費やして腰痛になる経験など、
娘に是非して貰いたいとは、私は思わない(--#)。

***************

幸い、現状では、ドアや通路は最初から開いているところが大半なので、
両親宅のどの部屋にでもほぼ、私は自由自在に入れるのだが、
ただひとつ納屋の2階へ上がるドアだけは、施錠されたうえ、
鎖が二重三重に巻かれて取っ手部分が固定されていた。
向こうには何か、とんでもないものが封印されているのだろうか(爆)。
なんやねん、これ((;゚Д゚));

知らない人が案内もなしに入ったら、容易に出られなくなる構造の家だが、
改めて、実に薄気味の悪い家屋であることを私は感じた。
100年にも渡って、幾世代もの人々の思いを吸い込み続けた建物というのは、
ちょっと一筋縄で行かないシロモノになるんですねぇ。
土蔵本体が中でも相当に禍々しいのだが、それに隣接する納屋がまた、
上の階に行けないように、こんなにがっつりと閉ざされているとは。
外部からの侵入者など絶対に受け入れない!というつもりか、
それとも、階上のモノが、金輪際こちら側に出て来られないように!ということか。
キショク悪いったら無い。
しかしとりあえず、これまでのところ、私はこの家で超常現象を経験していない。
さしものオバケたちも、直系の私には手出しができないか(^_^;。
ふふん、見ていろ、私はこれから何年かかろうともこの家を解体し、
すべてを土に(廃棄物処理センターに)返してやる!

……ということで、こんなところで勝ち誇っていないで、
まずは金庫を開けるのが先決だな。
早いとこ、鍵師さんに来て戴かなくては。
なんぼかかるかね(^_^;?

そういえば、かつて和央ようかが菊田一夫演劇賞を受賞した舞台で
BOXMAN ―俺に破れない金庫などない』というのがあったよな。
ああ、ケビン・ランドルが舞い降りてくれんかなー(殴)。
目の保養くらい無いと、やってられんよホンマに。


追記:両親宅から持って帰った、貴重品と思われる品々を点検したら、
『何番を右に4回、何番を左に3回、……』というダイヤル解錠方法のメモが
なんと、6通り出て来た。
自力で開けられるかも、と希望が芽生えたが、
しかし、これって、金庫は、もしかして4個では済まなかったのか、…………orz

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