転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



東急ハンズ三宮店、閉店へ 取引先に伝達 開業32年、年末で(神戸新聞NEXT)
『大手雑貨量販店の東急ハンズ(東京)が神戸市中央区の三宮店を今年12月末に閉店する方針を、取引がある地元業者などに伝えていることが21日、関係者らへの取材で分かった。』『三宮店は1988年3月開業。関西で大阪府吹田市の江坂店に次いで2番目だった。地上6階、地下2階建てで、延べ床面積1万730平方メートル。家具や寝具、文具を中心に最新の生活雑貨をそろえ、「都市型ホームセンター」として兵庫県内外から利用客が訪れた。』

神戸三宮の東急ハンズが、今年いっぱいで閉店する。
90年代後半、新神戸駅の近くの官舎に住んでいた頃、
よく小さかった娘を連れて出かけていたものだった。
新神戸から市営地下鉄に乗ると一駅で三宮に着き、
地下がそのまま東急ハンズの地階に繋がっていた。
DIY趣味を満足させてくれる道具や材料がたくさんあり、
娘の喜ぶお絵かき道具も豊富で、母娘で楽しく過ごせる場所だった。

絵を飾りたくても、官舎なので壁に穴を空けることができず、
何か道具がある筈と、東急ハンズに探しに出かけたら、
なげし部分に木ネジで取り付けられる額用フックが各種あったり、
イサムノグチの和風照明に心惹かれつつも、値段に恐れをなしていた頃、
「なんちゃって提灯ライト」な和紙風シェードが東急ハンズに出ていて、
灯具のことまで売り場の人に教えて頂いて、一揃い買ったりと、
あの頃、東急ハンズは、インテリア趣味の黎明期の私にとって宝の山だった。
当時はまだ、インターネットも今ほど普及していなかったし、
雑誌等で見た情報を、実際に店頭に行って確認する時代だった。
だから毎回、きょうは何に出会えるかと楽しみにして、通ったものだった。

ただ、三宮の在来線や百貨店のある側と異なり、東急ハンズ三宮店の界隈は、
一階から外に出ると、夜の店のほうが多い一帯だったと記憶している。
私は地下鉄で下から来ていたからあまり意識していなかったが、
昼間の人通りに関しては、さほど有利な立地ではなかったのではないだろうか。
1988年開業なら当初はバブル景気の良い時代だったかもしれないが、
それ以後は、集客に苦労をするようになった面があったことだろう。
更にネット通販が行き渡り、店舗の縛りに関係なく皆が買い物するようになり、
挙げ句に今回のコロナ騒動で、人の流れは明らかに滞ってしまったから
あのような一等地で店舗を維持することは厳しかっただろうと想像できる。
とても寂しいが、これも時代の移り変わりということなのだろう。

きょうは東急ハンズ行こっか!と言うと、幼い娘は毎回「行く!」と喜んだものだった。
地下鉄を降りて、最初に入るフロアのカラフルな色調は今も記憶に残っている。
当時はそこで、造花を売っていたのではなかっただろうか。
それから、娘と二人、あちこち回って、いくつかのささやかな「わくわく」を買って、
HANDSの袋を抱いて、帰りの地下鉄に乗るときの、満ち足りた気持ち。
本当に、楽しかったよ、ありがとう(T_T)。

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