転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



昨夜は、QUEEN + ADAM LAMBERTの名古屋公演に行った。
フレディの居ないQueenをライブで聴く日が来ようとは
少し前まで思ってもいなかったのだが、
アダム・ランバートが、予想を遙かに上回る素晴らしさで、
本当に行って良かったと思った。
誘ってくれた某氏に篤く篤く、お礼を申し上げたい。

2020/01/30 QUEEN + ADAM LAMBERT@ナゴヤドーム
Innuendo (intro)
1.Now I'm Here
2.Seven Seas Of Rhye
3.Keep Yourself Alive
4.Hammer To Fall
5.Killer Queen
6.Don't Stop Me Now
7.Somebody To Love
8.In The Lap Of The Gods...revisited
9.I'm In Love With My Car
10.Bicycle Race
11.Another One Bites The Dust
12.I Want It All
13.Teo Torriatte
14.Love Of My Life
15.'39
16.Doing All Right
17.Crazy Little Thing Called Love
18.Under Pressure
19.Dragon Attack
20.I Was Born To Love You
21.I Want To Break Free
You Take My Breath Away (intro)
22.Who Wants To Live Forever
23.Guitar Solo:Brian(from "Goin' Home" by Dvorak)
24.Tie Your Mother Down
25.The Show Must Go On
26.Radio Ga Ga
27.Bohemian Rhapsody
Freddie Ay-Oh
EN1.We Will Rock You
EN2.We Are The Champions
God Save The Queen

アダムはフレディのコピーではなく、元々それを目指してもいないのに、
彼の歌声は見事にQueenの音楽になっており、
ファンとして私は、彼を通してフレディをリスペクトできる幸せに酔った。
また彼は、フレディとは異なる「頑丈さ」のあるシンガーでもあった。
フレディは声の保全を優先して、ライブでは低音のパートを歌うことがよくあり、
特にヴォーカルコンディションに不安のあるときは、
録音時のような音域の広さを披露できないことも結構あったのだが、
アダムは、フレディが理想としたであろう高音のメロディラインを
圧倒的な声量をもってライブで実現させられる歌い手だった。

全ナンバーのうち、私が最も魅せられたアダムのパフォーマンスは、
Killer Queenの、グランドピアノの閉じた屋根に腰掛けて歌うスタイルで、
フレディの書いた音楽が、いかに多彩な魅力を秘め、
強烈な個性に貫かれたものであったかを
フレディ以外の歌い手によって見せつけられたことに強く感動した。
長い白髪が神々しいまでの姿になったブライアン・メイ博士、
童顔を残しながらも素敵でパワフルなオジ様のロジャー・テイラー卿、
ああ、1985年5月以来、35年ぶりに本物のQueenに
このようなかたちで再会できた私は、滅多にない幸せ者であったと、
今、私は心から、強く、思っている!

「僕はフレディ・マーキュリーを愛してる。みんなもそうだろう?
僕もファン、きみたちもファン。僕らはみんな同じ。
今夜、一緒にフレディとQueenとを讃えよう。
そして、もうひとつお願いをきいてくれる?
みんな、僕と歌って欲しい。大きな声で。いい?じゃ、行くよ?」
というアダムの語りかけから、6曲目のDon't Stop Me Nowに入っていったとき、
私は自分でも全く思いがけないことに、いきなり涙腺決壊した。
70年代終盤のあれもこれも、フレディの声や表情や、
そのときの自分の気持ちなど、何もかも一気に胸に押し寄せて、
フレディが居たから、この曲があり、今夜があるんだ!と
アダムと一緒に歌いながら、涙があとから、あとから。
多幸感、陶酔、悔恨、そして二度とは返らぬものへの尽きせぬ憧れ。

更に、ブライアンのギターに合わせて、聴衆が皆でTeo Toriatteを歌い、
Love of My Lifeではスクリーンに在りし日のフレディが映ってブライアンと並び、
私たちもまた、当時のライブでやっていた通りにフレディと共に歌って、
またまた、止めどもなく涙が流れたひとときだった。
満席の、40000人に埋め尽くされたナゴヤドームで、
これらの曲では観客が次第にスマホにライトをつけて掲げて歌い、
その灯りはまるでブライアンの愛する天空の星々のように、
アリーナから4階席までちりばめられ、揺らめき、それはそれは壮観だった。

この冬は、KISSとQueen、いずれも私が中学時代に巡り会った、
自分の洋楽黎明期の2大バンドに、期せずして相次いで、ライブで再会することができた。
KISSに関しては私は、彼らの40年以上の歴史を完結させるファイナルツアーを
力一杯に祝福する気持ちで、アンコールの最後まで笑顔で満喫したのだが、
Queenは、未だ現在進行形のバンドでありながら、ふとした一曲からも、
過ぎし日のひとつひとつが蘇り胸を去来し、これほどに泣けてしまうんだと、
ファンとしての自分の気持ちのあり方の違いも、我ながら興味深く思った。
偉大なバンドの音楽に、十代半ばの多感な時期を彩って貰えて幸運だった。
そして、あれから数十年を経て、こうして再び出会えるなんて、
あの頃の曲を全く新鮮な気持ちで今も聴けるなんて、
生きているというのは、凄いことだったのだなと、つくづく、思った。
メンバーの彼らが、あの若い日のままで終わってしまっていたら、
また、自分が55歳の今まで生きていなかったら、この感激は無かった。
トシは、とって初めて、幸せになれるものなのだなと、わかった。
まさに、「感謝」!!(←ブライアンのTシャツの胸に書いてあった日本語)

Trackback ( 0 )