転妻よしこ の 道楽日記
舞台パフォーマンス全般をこよなく愛する道楽者の記録です。
ブログ開始時は「転妻」でしたが現在は広島に定住しています。
 



去年も思ったのだが、カープ優勝は広島にとって、
「新年が来ました!おめでとう!!」的な何かだという感じがする。
少し前からこの日が来るのはわかっていて、皆、心の準備があり、
商店街では、様々に趣向を凝らした飾り付けの準備が整っていて、
おめでとうイベントや大セールの企画があり、客のほうも買う気満々。
待って待って待ち続けて、カウントダウン、ついにその瞬間が来たら、
もう街が一斉に華やぎ、誰も彼も祝い合い、喜び合って、
見知らぬ人同志でも笑顔で「おめでとう!」「おめでとう!」、
歌って踊って、食って飲んで!………一体、何なんだこれは(笑)。

今朝、用事があって市街地を歩いたのだが、行く先々の様子が普通でなく、
予想できていたことではあったが、やはり感心した。
さすがに平日とあって、昨夜の大混雑や喧噪は解消されていたが、
それでも、朝早くからビールかけTシャツを買いたい人達の列が
福屋デパートの駅前店と八丁堀店それぞれの前で、大きなとぐろを巻いていた。
入ってみると、フロア各所にカープグッズのための専用レジが設けられ、
そこかしこに列ができており、
「カープうまい棒とかカープミニゴーフルとか、普段でもあるやろ…(^_^;」
と思ったが、そこはやはり、
優勝後に優勝記念パッケージのを買うことに意義があるという(^_^;。
三越のライオンは、去年は緒方のビジターユニを着込んでいたが、
今年は白いホームユニを着用、顔には「カ舞吼!−Kabuku−」にちなんで
歌舞伎風隈取りまで施されていたのであった(笑)。




広島銀行本店の気合いの入り方は昨年以上のものがあり、
確か、ひろぎんはカープのメインバンクではないのでは(^_^;?と思いつつ、
広島の金融機関としてはやはりカープを無視できないということだなと感じ入った。
もみじ銀行本店は丸選手がイメージキャラクターを務めているので、
『日本の頂点に立つその日まで まるごと勝つぞ!』のアドバルーン、
広島信用金庫八丁堀支店は、通りに面した壁全体の赤いパネル。



かねてよりカープ坊やは仕事を選ばないことで有名であり、
抹茶を点てる茶人カープ坊や、クリームもみじを作るパティシエ坊や、
袈裟を着たカープ坊主に六法片手のカープ・ローヤー、
広島交響楽団とコラボしたスゴい形相のベートーベン坊や、等々これまでもあったが、
昨今は堂々とお役所仕事に参入しているので畏れ入った。
広島県警、広島県庁までも、もはや臆面もなくカープ推しなのであった。
遠目にも目立つ『今年こそ決めるけえね!』の幟が数え切れないほどハタめき、
庁舎の壁にでかでかと『祝・優勝 広島東洋カープ』の幕が出ているのを見たときには
これってイイんだっけ…(^_^;?としばらく考えてしまったぞ?



カープ坊やは広島電鉄でも働いているし、JRの駅員さんもしている。
さすがに配達員坊やこそ居なかったが、広島駅前郵便局も
地域に根ざしているので、真っ赤になって応援中だった。



出たついでに、記念と思って新聞各種を買って来たのだが、
5月に阪神に9点差を逆転されたときと、8月にDeNAに3タテされたときとが、
カープの選手たちにとって精神的に最もつらい時期だったことが書かれており、
切り替えるために皆それぞれ、工夫や努力を重ねて来たことがわかった。
荒れて来ると、バットを投げたり判定に文句を言ったりする選手たちが出るものだが、
見る人は見ているし、雰囲気づくりの影響は大きいのだから、
「俺らは やらんとこうな」
と、タナ・キク・マル(田中・菊池・丸)らが話し合ったという逸話など
こうして改めて当事者たちの言葉として読むと、感慨深いものがあった。

連覇すると、どうしてもかつての思い出が蘇り、
これからがカープの再度の黄金期到来か、と期待したくなるが、
過去、黄金期とそれに続く暗黒時代をリアルタイムで眺めた私としては、
今後も「勝つこと」を最優先にはしないで欲しい、と思っている。
強いという評判を取ったチームはえてして、目先の一勝のために、
力のある投手を使い潰したり、発展途上の若手の起用や育成を怠ったりしがちだ。
しかしそれではその場しのぎにしかならず、有能な選手たちがすり切れて来る。
残りカスを集めるようにして優勝しても、来シーズンには繋がらない。
今後も今年のように、アンバランスな部分はあっても若手の成長を待ちながら
勝ちを重ねて行けるようだと良いな、と願っている。
将来有望な選手たちが数多く頭角を現し始めていて、
来季が待ち遠しくなるような状態をこそ、「黄金期」というのだと思う。

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