殿は今夜もご乱心

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近時事・旧統一教会のことやら、あれこれ…2

2022年08月29日 18時56分45秒 | みりこんばばの時事
占い師を名乗る二人の若い女性に誘われ、隣市にあるセンターへ出向くと決めた義母ヨシコ。

送迎はしてもらえないと聞いて、私が連れて行くことになった。


送迎に慣れている私に、抵抗は無かった。

出好きの彼女が行きたがる所へ連れて行くのは、私の仕事。

社交ダンスの教室やパーティー、友だちの家、服や宝石なんかの展示会…

行き先がどこであろうと、拒否権は無い。

彼女は創価学会の信者だったので、市の内外で開催される大小の集会にもよく行った。


そりゃ、しんどいわさ。

だけど断ったら最後、いつもそうするように電話で実家に抗議したり

いつまでも恨み辛みを言われて辟易する。

そうまでして家に居たって、女房が留守で機嫌の悪い義父アツシに怒鳴られたり

無茶な用事を言いつけられたりするだけじゃ。

アツシがいない日も義姉は居るので辛気臭くて、いいことなんかありゃせんのじゃ。


よって、遠かろうと近かろうと送迎し、終わるまで一緒に居るのが習慣だった。

しかし問題は、ヨシコの行きたがる場所が子供にとって魅力的でないこと。

私はグズる子供をどうあやし、耐えさせるかに苦慮したものである。


ともあれ、約束の日は訪れた。

しかしヨシコ、急に気が進まなくなった模様。

その心理はわからないでもない。

送迎をしてくれないのにホイホイと行く…

プライドの面で、引っかかる自分がいたと思われる。

「断ろうかと思うんだけど、連絡先を聞いてないから電話ができない。

あんた、行って断って来てちょうだい」


連絡先も知らずに、よくもまあ連日キャッキャとお友だちごっこをしていたものよ。

が、言い出したらきかないのがヨシコ、断ったらゴタゴタが待っている。

腹は立ったが気を取り直し、未就園の次男とドライブがてら行くことにした。

彼を家に置いても面倒は見てもらえない。

二人で何か食べて帰ろうと決めた。


それにしても、あの女の子たちは

駅からもバス停からも遠い我が家へ、どうやって訪れていたのだろう。

車しか無いじゃないか。

この辺りに来る怪しげなセールスは、何人かで車に乗り合わせ

適当な場所で降りて各家庭に散るのが常だったので

送迎ができないと聞いて、私はそっちの方面だと確信しつつ隣市に赴く。


センターは駅前のビルの二階にあり、わかりやすい所なので迷わず到達できた。

ヨシコを送迎することになった時、およその場所を二人から聞いてあったのだ。

ガラス窓に何やら団体名が書いてあったが、興味が無かったので忘れた。


ごく普通の板張りのドアをノックして中に入ると

そこは広く、壁が白く、大きな観葉植物が幾つか配置されて

おしゃれな事務所みたいな感じ。

が、入り口の左側に木製の簡易サウナが置いてあり、さっそく違和感。


10人ほど居た人間の半分は事務所側の人、もう半分はお客側の人みたい。

何でわかるかというと、事務所側はうちに来ていた二人組と同じように

上は白、下は地味色スカートの若い女性だからだ。

そしてもう半分の人は着る物がさまざま、男もいれば女もいて、いずれも中高年。

地味若女性たちは、それぞれ個別にお客側の人たちに付き

3〜4台あるカフェみたいな円形の白い小テーブルと白い椅子で

話を聞いたり、別室に案内している。


その別室はガラス張りで、事務所の3分の1のスペースを取っている。

中の白い机には3〜4台のテレビとビデオが横に並び

ヘッドフォンが置いてある。

そのヘッドフォンを付け、テレビを見ている男性が一人いた。

画面に映し出されているのは、眼鏡をかけたグルグルパーマの中年女性。

身振り手振りで、何やら一生懸命に話している。


私が来意を伝えると、例の二人のうちの一人が奥の控え室らしき部屋から出て来た。

彼女は私を見て喜び

「前からお話ししてみたいと思っていたので、嬉しいです」

とおっしゃる。

そりゃ嬉しかろう。

ヨシコの代わりに一人来たのだから、人数は変わらない。


「少し、おしゃべりして行かれませんか?」

彼女は言い、私も同意した。

彼女がいったい何者なのか、このセンターの目的は何なのか

まだ皆目わからないからだ。

ぜひともそれを知り、ヨシコがいかにアホかを確認したいではないか。


私も白テーブルと白椅子の人となり、彼女と向かい合って座る。

近くでまじまじ見ると、顔が大きいので美人とまではいかないが

色白で目の大きな、善良そうな娘だ。


「お子さんが退屈されるようでしたら、近くに専用の託児所がありますから

そちらへ預けられても大丈夫ですよ?」

彼女は言う。

子供がいると、都合が悪いような口ぶり。

長時間、引き留める前提と、他の客の気が散らないようにするためかも。

それにしても駅前の広い事務所のみならず、託児所まで用意してあるとは相当な経費だ。

何が目的か、ますます知りたくなるではないか。

しかし、子供を預けてしまったら帰りにくくなるので断った。


「ここは何をする所ですか?」

私は単刀直入にたずねる。

「天の教えを広くお伝えする所です」

彼女はサラッと言った。

「宗教ですか?」

「まあ、そういうことになります」

なかなか正直やないの。

ヨシコ、アホ決定。


それから彼女は、自分のことを少し話した。

名は洋子さんといって、県北にある神社の娘だそう。

神社の娘が別の宗教に入ったら、そりゃ大変だ。

お決まりの家庭紛争のあげく、親とは絶縁したと言う。


その時に話した内容をざっくりまとめると

韓国人の文鮮明という人が天の啓示を受けて布教を始めたもので

この教えは近いうちに世界の基本的な信仰になるから

自分たちはその日のために、共同生活をしながら頑張っているという。

ここで思い出したのが、近所の亡くなった娘さんの件。

韓国のキリスト教に共同生活…その意味がやっとわかった。


やがて洋子さんは立ち上がると、缶入りの飲み物を運んできて

私と次男に勧めた。

事務所には他に暇そうな女性が何人かいたが

客の応対はマンツーマンと決まっているらしい。


飲み物は、“メッコール”。

サウナの横に、売店にあるような縦型のガラス張りの冷蔵庫が置かれ

その中にぎっしり入っていた物だ。

側には手作りの募金箱みたいな小さい箱が置いてあり

金額は忘れたが、飲みたい人はここにお金を入れるシステムらしい。


私はその飲み物を知っていた。

大麦でこしらえていて、本物のコーラより身体に良いというコーラもどき。

高校生の頃、父が行きずりの人から買ったようで、ケースごと家にあった。

父は飲め飲めと勧めたが、マズいので飲まなかった。

メッコールもこの宗教に関係があるとしたら、教団はかなり前から

巷で活動していたようだ。

もちろん、マズいので飲まなかった。

《続く》

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2 コメント

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Unknown (まえこ)
2022-08-29 21:47:28
その飲み物のことも
コメントに書こうと思ってました…

別名 麦コーラ

ですよね。
返信する
Unknown (みりこん〜まえこさんへ)
2022-08-30 06:15:34
麦コーラが別名ですか。
確かに麦。
大麦の香りが好きじゃないので、飲めませんでした。
家が駅前なので色んな人が来るため
父は怪しげな物をよく買っていたものですが
まえこさんもご存知だったとは、驚きです。
返信する

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