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近時事・旧統一教会のことやら、あれこれ…4

2022年08月31日 20時34分53秒 | みりこんばばの時事
亡くなったことになっている祖父の話を聞いて

私が感動に打ち震え、すっかり信用したと思っているらしき偉い先生。

ご親切にも、私にぴったりの御守りを選んでくださると言い始めた。


余談になるが、私は洋子さんとおばさんに家族構成をたずねられた際

面倒くさいので、祖父がすでに他界していると答えた。

しかしこの教団、死んだと答えた方が面倒くさかった。

どんな状況で死んだのか…病気か事故か…本人はどんな人生を歩んだのか…

根掘り葉掘りの質問責め。

そして最終的には、何もかも因縁に繋げてしまう。


さらに面倒くさくなり、よくわからないと答えたら

これまた思うツボ。

子孫に関心を持ってもらえないことこそ、もっと悪い因縁だと言う。

いずれにしても、それらの因縁のせいで

死者はあの世で苦しんでいることになるのだ。

そして死者を苦しめる因縁を断ち切るためには入信、あるいは献金によって

全てを捧げる必要性を説くのである。

私は、安易に死んだと言ったことを後悔したものだ。



話を戻すが、偉い先生はおっしゃる。

「御守りを持つ人はたくさんいますが

自分に合った御守りでないと逆効果なんです。

自分に合った御守りを持てば、先祖の加護が得られます」


おもむろに広げたカタログには、木製のクルミ大の御守りが12個。

一つ一つに観音様やら薬師如来が彫刻されていて、赤いヒモが付いている。

その中から私に合う物は、物事の再生を司る弥勒菩薩だそうよ。

金額は12万円。

デザインはとってもダサいわ。


ついぞさっきまで苦しんでいた先祖が、12万の御守りを買った途端

サッと子孫の加護に回れるとは、なんとまあインスタント。

これって、次の壺だか献金だかの前の軽いジャブらしいけど

観音や弥勒って仏教のメンバーよね。

教会の宗派は、どちらかといえばキリスト系じゃなかったのけ?

だって献金って、キリスト系の呼び方じゃん。

節操、無さ過ぎとちがう?


いずれにしろ、そんなモンを買う気はさらさら無い。

「お金が無いので、いりません。

長居をし過ぎたようなので、これで失礼します」

そう言って二人分の食事代を置き、立ち上がった私に洋子さんは言った。

「またお会いできますよね」


「はは…無理でしょ、盗聴までしといて」

私は答えた。

おばさんは、その発言を何ら気にする様子もなく

「おうちに気兼ねでしたら、お友達と会うとでも言って

気軽にセンターへ遊びに来てくださいね」

しれっと言ったが、無視。

「信仰のための嘘は、嘘にはならないんですよ」

部屋を出る段になっても、まだ言ってやんの。


信仰のための嘘は、嘘にならない…

寝言は寝て言え。

それは自分たちにとっても免罪符になるだろうよ。

こうやって都合のよさげなことを言っては人を騙し、操り

お金を吸い上げてきたのだろう。


退屈な場所に次男を付き合わせてしまって、気の毒だった。

午前中にあの事務所を訪問して以降、じきに飽きてグズり出すだろうから

それを機に帰ろうと考え続けて数時間。

子供って静かにしてもらいたい所では騒ぐけど

騒いでもらいたい時は、なぜかおとなしいのよ。


後で思ったのだが、洋子さんたち3人は急ぎ過ぎた。

偉い先生とやらに会わせたり、御守りを買わせるのは

通常、何回か会って打ち解けてからにした方がいい。

もっと色々な話を聞き出して秘密の共有者となり

がんじがらめにした方がうまくいくはず…

などと、他人ごとのように考える私だった。


とはいえ、あの人たちが急いだ理由はわかっている。

事務所での人違いがあったからだ。

しばらくは楽しいサロンのフリをして通わせ

ジワジワ取り込むつもりだったのに

絵本を持って来てお金を渡すように言ったミスがあり

献金のことを先に知られてしまった。

ここは考える暇を与えず、押しの一手にした方が良いと判断したのだろう。


それにしても、ミスが起きればすぐさま方向転換…

人を増やし、盗聴器まで仕掛けて、そりゃあ見事な対応力だ。

私のように、生きている家族を面倒だから死んだと言うような

いい加減な人間でなく、きちんとした真面目な人であれば

うっかり騙されてのめり込むかもね。

あ、その前にきちんとした真面目な人は

人格や人生設計もきちんとしているはず。

姑の言いなりになって、代わりにノコノコと断りに行くような生活はしてないか。



さて、家に帰った私は、勝ち誇ってヨシコに報告。

「宗教だったよ」

日頃は学会だ池田先生だと口にしながら

自称占い師に騙されて変な宗教に近づいた、おのれの浅はかを思い知るがいい。


しかし、それを聞いたヨシコ

「え〜?行かなくて良かった!」

これで終わり。

腹立つわ〜。



その後、洋子さんからは、たまに電話があった。

連絡先を伝えた覚えは無かったが、占いをしてもらったヨシコが

あれこれとしゃべるついでに話したのかもしれない。

最初は、御守りの金額を聞いてそそくさと帰った私を

アフターフォローして繋ぎ止めるつもりかと思った。

けれどもそういう感じは無く、彼女の声を聞いても不思議と腹は立たなかった。


「お元気ですか?」

「ありがとう、元気です。

あなたは?」

こんな感じで月に一度ほど、私たちは短いおしゃべりをした。

宗教の話はこちらが質問した時以外、ほとんどしなかった。

洗脳されているとはいえ、彼女は理性的なタイプだったと思われる。


同じ時期、オウム真理教の集団生活や怪しげな活動が報道されるようになった。

ヨシコは、私が洋子さんに洗脳されていると思いたいようで

電話があるたび不機嫌になり

「嫁が心配」、「孫を連れて集団生活に行かれたら困る」

家の内外で、そう言うようになった。


自分が蒔いた種なのに、よう言うわ…

もしも私が孫を連れて家を出たら、あんたの息子は新しい嫁をもらえるから

好都合じゃないか…

ついぞ2年前、何もできない嫁より看護師の嫁の方がいいと言ってのけたのは

あんたじゃないか…

私は反抗心で、洋子さんとの電話をやめなかった。


ヨシコへの反抗心もあったが

洋子さんとの間には、最初から友情に似た暖かいものが通い合ってもいた。

それはおそらく、彼女が本来持っている人柄と

幼少期から厳しく躾られたであろう、美しい立ち居振る舞いによるものだ。

宗教にハマらなければ神社の娘として、しかるべき家に嫁ぎ

良き妻、良き母となっていたことだろう。

《続く》

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