事務員ノゾミの夢は教師。
そのために毎年、公務員試験を受けては落ち続けている。
もちろん来年度の採用試験も受ける予定。
合格したら、ここを辞めると周囲に宣言している。
ダブル不倫の相手のために、他社の旦那を誘惑して
スパイ役を買って出るような女が
はたして青少年を導くに相応しいかどうかは神の采配に委ねるしか無いだろう。
さてここからは、私の大サービス。
珍品が手に入ったので、ご紹介しよう。
悪趣味と思われるかもしれないが、これが現実というものである。
今さら腹が立つわけでもなし、沈黙する選択もあった。
私はもう、二人の幼な児を抱えて明日の暮らしに怯えながら
夫と女の一挙一動に心を傷める若い母親ではない。
この道40年のベテランだ。
伴侶と愛人の所業を人に訴えて気を晴らすような
ヤワな神経は持ち合わせていない。
アレらが果てしないアホだとわかってからは
むしろ彼らが持って生まれた不治の病に同情すらしている。
実際にこの10数年、口に出すことなく握り潰したあれこれもある。
カッカきていたのはせいぜい最初の数人まで…
相手の数が二桁になると、本当にどうでもよくなるのだ。
が、たまには刺激的な内容も良かろうというサービス精神から
お目にかけることにした。
これよ。

多くの人には、「何のこっちゃ?」だと思う。
これは、学校ごっこの痕跡。
教師に憧れるノゾミは、夫が書いた“設備”という文字の
“備”が間違っていると指摘し、自分がお手本を書いて夫に練習させた。
そしてちゃんとできたということで
ノゾミが赤い花丸と「good」を与えてやったのだった。
昔、長男の副担任だった愛人ジュン子も、同じようなことをやっていた。
あの子は花丸の下に、「believe yourself」などと書いていたが
何だか懐かしい。
ノゾミが夫に教えた“備”の字が正解か否かはともかく
二人で過ごす時間の増えたアレらは、こういう遊びを楽しんでいるのだ。
私も備を書いて提出したら、花丸がいただけるかしらん。
色の世界から遠い、言うなれば恵まれた人々は
これを見てもピンと来ないと思う。
家裁に提出しても証拠物件にならないので慰謝料が取れない
ただの落書きである。
女のタバコの吸い殻やジュースの空き缶と同じく
いたってしょうもない物体。
しかし一度でも伴侶の色の洗礼を受けた人には、わかるはずだ。
でへへ、と鼻の下を伸ばして一生懸命、お手本通りに書く相方…
それをしたり顔で見守る女…
その時の情景が、妻の脳裏に広がる。
そして、妻の直感したイメージに狂いは無い。
これは、嫉妬と似て非なる感情だ。
我が子が不良と親しくなったら、親はどんな気持ちか。
当然、先が心配になって不安を覚えるだろう。
親は、家庭に心配や不安を持ち込んだ不良を憎み嫌う。
悪いのは、不良にシッポを振って付き歩く我が子とわかっているけど
不良さえ目の前に現れてくれさえしなければ…
親ならばそう思う。
その気持ちと同じである。
とはいえ私は、その「先」を何度も見ている。
その先は、飽きられて捨てられるだけ。
不倫の主導権は、たいてい女にある。
男はアホだから、何もかも自分次第と勘違いしているが、実は逆。
「この男から獲れる物は、もう何も無い」
女がそう判断したら、不倫はたちどころに終わるものだ。
そしてアレらは、今だに普通の社会人としてシャバにいる。
ということは、概ね大丈夫。
だから何とも思わない。
親しさを友情と呼ぶ不良も、恋と呼ぶ愛人も、中身は同じさ。
女はヤカン、男は土瓶。
女が冷めるスピードと、男が冷めるスピードは異なる。
その異なりに大きな差があり過ぎると
刃傷沙汰やストーカーなどの事件が起きる。
人はそれを不幸な出会いと呼ぶが、うちの夫の場合
そのような事態にはならなかったので
どれも幸せな出会いだったのだろうよ。
ところで、これを何で私が持っているか。
この紙の裏には、商品の数量を走り書きした夫のメモがある。
私は仕事上、そのメモが必要だ。
夫は、裏に何が書いてあるのかを忘れて私に渡した。
だから手元にある。
こういうことをする男女が、いかにおバカさんか。
皆様には、それを認識してもらいたい。
何か書いたら残ってしまう…
それが第三者の手に渡る…
結果、人目に触れて笑われる…
そういう予測ができない者が、不倫なんかするのだ。
この先、周囲の誰かの相談に乗ったり
あるいはご自身が、そのような目に遭うことがあるかもしれない。
その誰かに、あるいは自分に言ってあげて欲しい。
「バカだから大丈夫、やらかすことはみんな同じ。
たかが知れてるから恐れるに値しない」と。
私は夫のマズい字はもとより
花丸を付けてもらって喜ぶガキっぽさをさらすのは恥と思っているし
勉強のできるバカというのは、彼女が初めてではないので
親ほど年配の上司に向かって嬉しげに花丸を付ける
ノゾミの頭にも苦笑している。
本人たちは大真面目でも、人にはお笑いコントだ。
しかし、こういうことを平気でやってのけるのが不倫者なのだ。
どこまでも厚かましく貪欲、そして無知。
人は、あまりの厚かましさと貪欲と無知に驚き
何か裏があるのではないかと無闇に悩んでしまうが、何も無い。
アレらの頭を叩いたら、「スッカラカ〜ン」と高い音がするだろう。
それを覚えておいていただきたい。
しかし惜しいものよ。
昔はこのような、取るに足らぬ軽い物ではなく
お下品なラブレターや思わせぶりなメモ
“とにかく明るい安村”もタジタジの
あられもない姿の写真など、楽しい物的証拠がザクザク入手できた。
携帯が無かったので、もちろん画像は残せず
純心!だった私は、穢らわしくて片っ端から捨てていた。
あんなのをここで公開したら、さぞかし喜ばれたと思うが
しょうもない薄口物件しか手に入らず、申し訳ない限りである。
この体たらくであっても、夫は私にとって大切な人だ。
時にこのようなバカバカしいことをやらかしてくれるが
彼の稼ぐお金は、それと比べ物にならない価値がある。
また、小言や愚痴を一切言わず、話して楽しい伴侶を持つことは
妻にとってこれ以上無い幸せだ。
そして自分の母親だけでなく、私の実家の母も大切にしてくれるのは
何よりもありがたい。
例えそれが、後ろめたさからの贖罪であったとしても
実質のサービスは同じなので、何ら不満は無い。
彼がスネに傷を持たない真っ当な男であれば
女房の実家なんて知らんと言われても文句は言えないだろう。
私は、そのスネの傷をあてにしているのだ。
そういうわけで、自分が楽しいんだから
よその女も楽しいのは当たり前だと思っている。
が、とりあえず、アレらには言いたい。
「もっと濃く書いてくれんと、見えにくいじゃんか!」
《続く》
そのために毎年、公務員試験を受けては落ち続けている。
もちろん来年度の採用試験も受ける予定。
合格したら、ここを辞めると周囲に宣言している。
ダブル不倫の相手のために、他社の旦那を誘惑して
スパイ役を買って出るような女が
はたして青少年を導くに相応しいかどうかは神の采配に委ねるしか無いだろう。
さてここからは、私の大サービス。
珍品が手に入ったので、ご紹介しよう。
悪趣味と思われるかもしれないが、これが現実というものである。
今さら腹が立つわけでもなし、沈黙する選択もあった。
私はもう、二人の幼な児を抱えて明日の暮らしに怯えながら
夫と女の一挙一動に心を傷める若い母親ではない。
この道40年のベテランだ。
伴侶と愛人の所業を人に訴えて気を晴らすような
ヤワな神経は持ち合わせていない。
アレらが果てしないアホだとわかってからは
むしろ彼らが持って生まれた不治の病に同情すらしている。
実際にこの10数年、口に出すことなく握り潰したあれこれもある。
カッカきていたのはせいぜい最初の数人まで…
相手の数が二桁になると、本当にどうでもよくなるのだ。
が、たまには刺激的な内容も良かろうというサービス精神から
お目にかけることにした。
これよ。

多くの人には、「何のこっちゃ?」だと思う。
これは、学校ごっこの痕跡。
教師に憧れるノゾミは、夫が書いた“設備”という文字の
“備”が間違っていると指摘し、自分がお手本を書いて夫に練習させた。
そしてちゃんとできたということで
ノゾミが赤い花丸と「good」を与えてやったのだった。
昔、長男の副担任だった愛人ジュン子も、同じようなことをやっていた。
あの子は花丸の下に、「believe yourself」などと書いていたが
何だか懐かしい。
ノゾミが夫に教えた“備”の字が正解か否かはともかく
二人で過ごす時間の増えたアレらは、こういう遊びを楽しんでいるのだ。
私も備を書いて提出したら、花丸がいただけるかしらん。
色の世界から遠い、言うなれば恵まれた人々は
これを見てもピンと来ないと思う。
家裁に提出しても証拠物件にならないので慰謝料が取れない
ただの落書きである。
女のタバコの吸い殻やジュースの空き缶と同じく
いたってしょうもない物体。
しかし一度でも伴侶の色の洗礼を受けた人には、わかるはずだ。
でへへ、と鼻の下を伸ばして一生懸命、お手本通りに書く相方…
それをしたり顔で見守る女…
その時の情景が、妻の脳裏に広がる。
そして、妻の直感したイメージに狂いは無い。
これは、嫉妬と似て非なる感情だ。
我が子が不良と親しくなったら、親はどんな気持ちか。
当然、先が心配になって不安を覚えるだろう。
親は、家庭に心配や不安を持ち込んだ不良を憎み嫌う。
悪いのは、不良にシッポを振って付き歩く我が子とわかっているけど
不良さえ目の前に現れてくれさえしなければ…
親ならばそう思う。
その気持ちと同じである。
とはいえ私は、その「先」を何度も見ている。
その先は、飽きられて捨てられるだけ。
不倫の主導権は、たいてい女にある。
男はアホだから、何もかも自分次第と勘違いしているが、実は逆。
「この男から獲れる物は、もう何も無い」
女がそう判断したら、不倫はたちどころに終わるものだ。
そしてアレらは、今だに普通の社会人としてシャバにいる。
ということは、概ね大丈夫。
だから何とも思わない。
親しさを友情と呼ぶ不良も、恋と呼ぶ愛人も、中身は同じさ。
女はヤカン、男は土瓶。
女が冷めるスピードと、男が冷めるスピードは異なる。
その異なりに大きな差があり過ぎると
刃傷沙汰やストーカーなどの事件が起きる。
人はそれを不幸な出会いと呼ぶが、うちの夫の場合
そのような事態にはならなかったので
どれも幸せな出会いだったのだろうよ。
ところで、これを何で私が持っているか。
この紙の裏には、商品の数量を走り書きした夫のメモがある。
私は仕事上、そのメモが必要だ。
夫は、裏に何が書いてあるのかを忘れて私に渡した。
だから手元にある。
こういうことをする男女が、いかにおバカさんか。
皆様には、それを認識してもらいたい。
何か書いたら残ってしまう…
それが第三者の手に渡る…
結果、人目に触れて笑われる…
そういう予測ができない者が、不倫なんかするのだ。
この先、周囲の誰かの相談に乗ったり
あるいはご自身が、そのような目に遭うことがあるかもしれない。
その誰かに、あるいは自分に言ってあげて欲しい。
「バカだから大丈夫、やらかすことはみんな同じ。
たかが知れてるから恐れるに値しない」と。
私は夫のマズい字はもとより
花丸を付けてもらって喜ぶガキっぽさをさらすのは恥と思っているし
勉強のできるバカというのは、彼女が初めてではないので
親ほど年配の上司に向かって嬉しげに花丸を付ける
ノゾミの頭にも苦笑している。
本人たちは大真面目でも、人にはお笑いコントだ。
しかし、こういうことを平気でやってのけるのが不倫者なのだ。
どこまでも厚かましく貪欲、そして無知。
人は、あまりの厚かましさと貪欲と無知に驚き
何か裏があるのではないかと無闇に悩んでしまうが、何も無い。
アレらの頭を叩いたら、「スッカラカ〜ン」と高い音がするだろう。
それを覚えておいていただきたい。
しかし惜しいものよ。
昔はこのような、取るに足らぬ軽い物ではなく
お下品なラブレターや思わせぶりなメモ
“とにかく明るい安村”もタジタジの
あられもない姿の写真など、楽しい物的証拠がザクザク入手できた。
携帯が無かったので、もちろん画像は残せず
純心!だった私は、穢らわしくて片っ端から捨てていた。
あんなのをここで公開したら、さぞかし喜ばれたと思うが
しょうもない薄口物件しか手に入らず、申し訳ない限りである。
この体たらくであっても、夫は私にとって大切な人だ。
時にこのようなバカバカしいことをやらかしてくれるが
彼の稼ぐお金は、それと比べ物にならない価値がある。
また、小言や愚痴を一切言わず、話して楽しい伴侶を持つことは
妻にとってこれ以上無い幸せだ。
そして自分の母親だけでなく、私の実家の母も大切にしてくれるのは
何よりもありがたい。
例えそれが、後ろめたさからの贖罪であったとしても
実質のサービスは同じなので、何ら不満は無い。
彼がスネに傷を持たない真っ当な男であれば
女房の実家なんて知らんと言われても文句は言えないだろう。
私は、そのスネの傷をあてにしているのだ。
そういうわけで、自分が楽しいんだから
よその女も楽しいのは当たり前だと思っている。
が、とりあえず、アレらには言いたい。
「もっと濃く書いてくれんと、見えにくいじゃんか!」
《続く》