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手抜き料理・あとの夏祭

2023年06月24日 09時15分38秒 | 手抜き料理
半月ほど前の話になるが

今年も同級生ユリちゃんの実家のお寺で夏祭があった。

毎年のことだけど、祭に参加するのではなく

祭を手伝う人たちに提供する食事を作ったのだ。


今年はコロナ明けということで、大人数が予想された。

お寺で食事をする人は、我々裏方を含めて総勢30人ほど。

だったら30人分でいいじゃん…というわけにはいかない。

昼食と夕食、そして深夜には打ち上げの夜食

そして合間では、檀家や来客に持たせる手土産の折り詰めが必要。

さらに祭で疲れたユリちゃん一族が

翌日もごはんの支度をしなくていいように、キープする分も必要。

ということで、細かく計算するのが面倒になったため

およそ120人を作ることにした。


メインのメニューは、昨年と同じくカレー。

業務用の大きいジャワカレー2箱に

同じく業務用のバーモントカレー1箱を使う。

ジャワカレーは1箱で40皿分、バーモントカレーは50皿が作れるので

3つの箱で130皿分、作れるというわけ。

これを昼も夜も深夜も明日も、食べたらええんじゃ。


カレーを大量に作る場合

パッケージに表示してある野菜の分量を守ると

野菜の甘みが出てお菓子級に甘くなり

美味しくないのは去年お話しした。

だからジャガイモ、タマネギ、ニンジンは人数分の半分以下に抑える。

具材が見えなければ、溶けて無くなったと言えばいい。


オーストラリア産の牛バラ肉は、2キロ。

これも表示より格段に少ないが、ダシの扱いなので気にしない。

小さく切って使い、何とか皆に行き渡れば上等。

分量通りを律儀に買っていたら、高額なカレーになってしまう。


大人数のカレーを作る時は、鍋が焦げつきやすいという伝説がある。

特にユリ寺の大鍋は煮込み用ではなく

底が抜けそうに薄くなった古いアルミの鍋だ。

ユリちゃんは過去、何度も焦がして台無しにした経験から

ちょくちょく台所をのぞいては加熱中のカレーを指さして

「鍋!鍋!」と鬼のような顔で指摘する。


が、シロウトの指図は受けんぞ。

洗い物が増えるのを惜しんで、炒めも煮込みも全部

一つのアルミ鍋でやってしまうから焦げるんじゃ。

容赦なく軽薄なアルミ鍋の底に、炒めて焦げついた野菜と肉の破片が残る。

カレールーを入れて粘度が増したら、その破片が焦げつきを呼ぶんじゃ。

野菜や肉を別のフライパンで炒めてからアルミ鍋に移すと

焦げつきにくいんじゃ。


もちろん量が多いので、肉は肉、芋は芋と具材別に分け

それぞれの具材を数回に分けて炒めることになるが

その手間と、誰かが一日中カレー鍋に張り付いて

焦げつかないようにかき混ぜ続ける手間とを比較すると

前者の手間の方がよっぽど軽症ではないか。


具材を炒め終えたフライパンは

そのまま洗わずに水を入れて煮立ててから鍋に入れる。

具材の旨みが利用できるし、フライパンもそこそこ綺麗になるってもんよ。


ちなみにタマネギ、ジャガイモ、ニンジンを炒める時

市販の小さな缶に入ったカレー粉をふりかけて炒めると

パンチの効いた味に仕上がる。

去年は初めてのカレーだったので遠慮したが

今年は辛くしてやろうと企てていたので

炒める時に、一缶全部使った。

出来上がりは、それでも野菜の甘みに負けて

想像よりマイルドだった。


煮込む時には、野菜ダシを投入。

コンソメではなく、茅乃舎の通販で買うパウダー状の野菜ダシ。

小袋に分かれているやつを5〜6袋程度入れ 

具材をケチった分のコク不足をカバー。

野菜ダシはちょっと高いので、自腹だ。


野菜ダシが惜しければ、何でもいいから

市販のレトルトカレーをこっそり投入してもいい。

コクが出て、美味しくなる。





さて、この日の料理番は

いつもの同級生マミちゃんとモンちゃんと私の奴隷トリオに

公務員OGの梶田さん。

それから今年も祭り前の法要で献茶を行う同級生のリッくんと

彼のお茶席を手伝っている70代のシノブさん。

さらにユリちゃんの従姉妹で我々より一つ下のハッちゃんと

ユリちゃんの亡きお兄さんの所で働いていた、嶋田さんという50代の女性。

総勢8人だ。


ユリちゃんは今年から、寺の台所の今後を担う“若手”として

お気に入りのハッちゃんと嶋田さんのコンビを動員したという。

けれども私は、親戚の身分に甘えるハッちゃんをあてにしていない。


嶋田さんの方は独身なので、さらにあてにできない上

私は彼女が気難しいのを知っていた。

ユリちゃんの前ではゴロニャンなこの女、仕事では意地悪よ。

とある機関で働く彼女と、接触したことがあるのだ。

いかにも寝起きの顔で機嫌が悪そうな彼女の対応が

あまりにもひどかったので口喧嘩になったのは昨年のこと。

今回の夏祭では、お互いに初対面として挨拶したが

マスクをしていたので向こうは覚えてないだけよ。


ともあれ料理をするには、人数が多ければいいというものではない。

狭くて動線が最悪、調理器具も十分でない台所で

この8人がどう動くかが、この日の鍵といっても過言ではない。


だが、心配するほどでもなかった。

シノブさんは自身の住む町のお寺で、年に何度か行事食を作っている。

大人数の料理に慣れており、手際がいい。

下ごしらえは彼女がにこやかに指揮を取ってくれたので

私はカレーの制作に専念することができて助かった。


梶田さんは安定のサポートぶり。

手の回らない所をさりげなくカバーしてくれて

ずいぶん助けられた。


この日のメニューはカレーの他に、ミンチカツ。

合挽きミンチ5キロに、タマネギ4キロで制作。




他には豚肉の味噌焼きをしようと思ったが、豚バラが高いし

外で炭を起こすのもかったるくなり

毎年作って慣れているエビパンに落ち着く。

冷凍エビ4キロ、ネギ4束で制作。



エビはこの祭のために買った、私物のみじん切り器を持ち込んだ。

包丁で叩いた方が早かったような気もするが

マミちゃんがチャチなみじん切り器でせっせと刻んでくれた。



他には、マミちゃんが家で作って持って来たマカロニサラダ。




マミちゃんが人からもらい、現地で茹でたそら豆。



もう一品、ユリちゃんの兄嫁さんに頼んで

毎年人気のナス・バンジャンを作ってもらった。

これらをサニーレタスやトマトを飾った8枚のオードブル皿に盛りつける。

カレーと共に、人が食べに来たら出し

減ったら足して、また別の人に出すことを繰り返すのだ。

盛りつけた写真は、残念ながら無い。

余裕が無くて、撮り忘れた。

《続く》
コメント (2)
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