殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

どこまでも魔境

2008年10月31日 10時48分23秒 | 不倫…戦いの記録
一ヶ月近くが過ぎ

あきらめたのか、夫からの電話は無くなりました。


義姉は弟が失踪して、大喜びでした。

独断で取引先すべてに

「解雇したので会社とは無関係だから、一切相手にしないように」

という内容のファックスを送りました。


「うちにも、よそにもいっぱい送ってるよ。

 若の病気も姉弟仲もみんな知ってるから気にしないけどさ。

 ちょっとおかしいよね」

ガソリンスタンドの人にそう言われた時は

さすがに義姉の陰湿さにムッとしました。



        「あんた、それでも人間か!」

家に帰って怒ると、義父のところへ逃げました。


「私は会社のためを思ってやったのに」

義父にそれはうまく説明します。

会社を捨てて家出した弟が出没して、相手に不利益を与える恐れがあり

信用問題になる可能性も否定できない。

身内ではあるけど、経営と感情は別。

心を鬼にしてやったことなのに

なぜ部外者にとやかく言われなければならないのか。


話だけ聞けば正論です。

そこで単純な義父は娘の味方につくわけです。

夫はいつもこの手でやられていたんだなぁ…

口べたな夫は、何も言えず物陰でよく泣いていました。

それを女々しい…と軽蔑していた私でしたが

気持ちがわかるようでした。


しかし、私は夫より口が立ちます。

 「それは弁当持参で8時間びっちり働く人の言うことです!

  あなたが言ってはいけません」 

 
「うわぁ~!お父様ぁ~!」


       ほれ、また得意の泣き落としだ。


     「泣いたって、あんたのやったことは消えないよっ!」

    
シメは自分が怒鳴って終了…のパターンしか知らない義父は

未知の展開に呆然としています。


   「子供たちだって、将来ガソリンを入れに行くだろうし

    他でもつきあいをするかもしれない…

    記録に残るものを送りつけられて、誰が見るかわからない…

    あの子たちは、一生笑い物だわ。

    あんまりむごい仕打ちですぅ~!」    
 

        ソレ、逆襲じゃ~! 


  孫には弱い義父と、固まった義姉を残し、泣きながら退場。

          ひっひっひ
     


夫がいなくなって家族の力関係のバランスが崩れ

私には大変過ごしやすい環境に変わっていました。

この上嫁と孫に出て行かれては困るのか

両親がかなり気を使っているのがわかりました。


それでも娘の信奉者である義母がいたら

そんなことではすまない騒ぎになっていたでしょうが

義母はこの時、一人で夫と会っていました。


電車で来る…誰にも言わないで…と言う夫と

こっそり駅前で待ち合わせをして、お金を渡していたのです。


私からの大金があてにならないので

母親からの小口集金に切り換えたようでした。


めったに乗らない自転車で息子に会いに行くのですが

そこは義母…そのうち行くのが面倒になったのでした。
            

みんな仕事や学校でいない間に

駅から歩いて来たと言う夫を家に入れました。

帰りがけ、見送らなくていいと言われましたが、やはり母親です。

また駅まで長い道のりを歩くのか…と思うと不憫で

いてもたってもいられない気持ちになり

勇気を出して帰って来るよう説得するつもりで

息子の後を追いかけたのでした。


夫は少し行くと、一台の車に乗り込みました。

運転していたのはI子でした。

二人と目が合った義母はカッとして、車を追跡しました。


車は猛スピードで走り去り、義母は転びました。


足を引きずってようよう帰り着き

ボーッとしていたところへ義父と私がそれぞれ帰宅しました。


血だらけの理由を聞いた義父は

「バカ、ボケ!

 だまって勝手なことしやがって!

 おまえが甘やかすからだ!」

と義母をののしりました。


「もう知らない!だまされた!
 
 女とは別れたとか、今は家出を後悔してるとか

 いろいろ言ってたのも全部嘘だったのようっ」

 

あいつを勘当する。

もう二度と敷居はまたがせない。

すべてを孫に譲る。

義父の決断でした。



「孫って、うちの子も入るの?」

そこへ帰って来た義姉が聞きました。


「おまえは関係ないっ!」


義母の手当をしていた私は

腰を抜かした義姉をずるずる引きずって

布団に寝かせました。

38キロしかないので軽いですが、まったく手のかかる女です。



「我が子が筋金入りのバカだと認めたくなくて

 嫁のせいにしていたかもしれん。

 取り替えたら息子も変わるんじゃないかと

 思っていたのも事実だ。
 
 今度こそわかった。

 いろいろ思うこともあろうが、孫を頼む…」
 

バカ息子の付属品から、お孫様のご生母に昇進です。

 
コメント (2)
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