なにさ!その態度!
何か言ってやらないと気が済まなくなりました。
「家裁であんたに勝ち目はないわよ!
なにを勘違いしてるか知らないけど
家出する暇があったら、二人で慰謝料の算段でもしなっ!」
まあまあ…とKさんが止めようとするのと
M子が叫ぶのは同時でした。
「奥さんがそんなだから、彼は私を愛したんですっ!」
あ~らびっくり。私のせいかい…
「私たちの愛は、誰にも邪魔できませんっ!」
う…なんだ…こいつ…
煮えくりかえっていた私の胸は、一気に氷点下。
「M子さんねえ…人の旦那とこういうことになったら
後始末というものがあるのよ。
子供のこととか、慰謝料とか…」
「そういう問題は…彼に任せてありますから」
「ほぅ…彼に…。
面倒なことは、全部この人がしてくれると…」
「はい。信じてますから!」
M子は、得意げにアゴをつんと上げました。
「信じる!こりゃまた…」
「私を守るって約束してくれました!」
「守る!いやはや…
すでにこういう状況になってること自体
守られてないんじゃ…?」
「守られてますっ!」
…なんでそんなこと言うんですか…
…なんでそんなこと言うんですか…
…なんでそんなこと言うんですか…
ぶつぶつと繰り返しながら、M子は足を踏み鳴らすのでした。
「帰りましょうや…この女、変だ…」
Kさんは小声で言いました。
「若、それじゃあ…みんな待ってますから」
私たちは、その場を去りました。
背中で「愛は…勝ちます!!」というM子の叫び声を聞きながら。
そんな歌が流行ったこともあったけ…。
友達の家でうっかりおもちゃを壊して、止まらなくなったのを
そのままにして逃げ帰る子供の気分…。
ひどく脱力した私たちは、言葉少なに帰宅したのでした。
何か言ってやらないと気が済まなくなりました。
「家裁であんたに勝ち目はないわよ!
なにを勘違いしてるか知らないけど
家出する暇があったら、二人で慰謝料の算段でもしなっ!」
まあまあ…とKさんが止めようとするのと
M子が叫ぶのは同時でした。
「奥さんがそんなだから、彼は私を愛したんですっ!」
あ~らびっくり。私のせいかい…
「私たちの愛は、誰にも邪魔できませんっ!」
う…なんだ…こいつ…
煮えくりかえっていた私の胸は、一気に氷点下。
「M子さんねえ…人の旦那とこういうことになったら
後始末というものがあるのよ。
子供のこととか、慰謝料とか…」
「そういう問題は…彼に任せてありますから」
「ほぅ…彼に…。
面倒なことは、全部この人がしてくれると…」
「はい。信じてますから!」
M子は、得意げにアゴをつんと上げました。
「信じる!こりゃまた…」
「私を守るって約束してくれました!」
「守る!いやはや…
すでにこういう状況になってること自体
守られてないんじゃ…?」
「守られてますっ!」
…なんでそんなこと言うんですか…
…なんでそんなこと言うんですか…
…なんでそんなこと言うんですか…
ぶつぶつと繰り返しながら、M子は足を踏み鳴らすのでした。
「帰りましょうや…この女、変だ…」
Kさんは小声で言いました。
「若、それじゃあ…みんな待ってますから」
私たちは、その場を去りました。
背中で「愛は…勝ちます!!」というM子の叫び声を聞きながら。
そんな歌が流行ったこともあったけ…。
友達の家でうっかりおもちゃを壊して、止まらなくなったのを
そのままにして逃げ帰る子供の気分…。
ひどく脱力した私たちは、言葉少なに帰宅したのでした。