殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

魔界の履歴書

2008年10月28日 19時41分47秒 | 不倫…戦いの記録
         ええい!おのれ!どうしてくれよう!


仕事が終わって帰宅するなり、義父に聞きました。


        「あの人、いつから入ったんですかっ?」

「…さぁ…先月の初め頃かなぁ…」


あの人…でわかるんだから、確信犯です。
        

           「新しい愛人と知って入れたんですかっ?」


「息子に頼まれたから、入れてやったんじゃないか…。

 なんでワシが文句言われにゃならんのだ…」

     「頼まれたら、誰でも入れるんですかっ!

      おチチ半分出してりゃ、給料もらえるんですかっ!」

このフレーズがいたく気に入ったので、乱用。


      「じゃあ、私も入れてもらおうかしらっ?

       おチチ半分出してりゃいいんでしょっ!」


これが義父独特の嫌がらせだということは、わかっていました。

キラ子の件で、密かに私を逆恨みしているのです。


彼女の急な結婚で振られた形になり

ずたずたになったプライドのかけらの

持って行き場が無いのでした。


こういうことに限らず

誰彼かまわずわざわざ波風を立たせておいて

「仲良くしろ」「ちゃんとやれ」とか出来ぬ我慢を強いるのが

この男の常套手段でした。



義母が飛んで来ました。

「まぁ…なあに?おチチ、おチチって…?

 お父さんに、なんてこと言ってるの?」


        「変な女を入れるからですよ!」


「ああ、あの人」

        「お義母さんも知ってたの?」


「女の人を入れたというのは聞いてるわ」


「こいつが勘違いで妬けて、馬鹿なことを言ってるんだ!」


        「そんなことはどうでもいいんですっ!

         息子の愛人と知ってて入れたのかと聞いてるんです!」


「…」


まぁまぁ…落ち着いて…これかしら? 


義母は一枚の履歴書を持って来ました。

あの女性の写真が貼ってあります。

年は私より一つ下でした。

現住所はなんと、私の実家の近所でした。


すごいのは経歴です。

{その他の資格…美容師…東京で、芸能人のヘアメイクを担当していました。 
        
        栄養士…高血圧、糖尿病の食生活について研究していました}
 


おつむの程度はともかく、これは本気で来ている…と直感しました。


おしゃれで芸能界が大好きな高血圧の義母。

糖尿病で食事療法をしている義父。

夫が知恵をつけて書かせたのは間違いありません。

父親に似て姑息なヤツです。


単純な両親に取り入って、なにをたくらんでいるのか…。

およそわかってはいるけど…。


しかし、残念なことに老眼なのに眼鏡をかけたがらない義母は

内容をまったく知らなかったので、読んであげました。

「…まぁ…すごい人なのねぇ」


美容師はともかく

高校の家政科を出ただけで、栄養士になれるとは…。

すばらしい学校です。


ともあれ、芸能界に出入りしながら病食研究にいそしんだ末

なぜかすべてを投げ打って

突然ガテンの世界に飛び込んだリッパなおかたが

今度の対戦相手のようでした。
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魔界からの足音

2008年10月28日 00時13分50秒 | 不倫…戦いの記録
「あなたの所の社員を名乗って

 変な女性が来てるから、気をつけて…」


ある資格取得の機関に勤める知人が連絡をくれた時

それほど深く気に留めていませんでした。


浮気の道ではすでに町内の有名人になっていた夫。

その動向を親切ごかしに教えてくれる人も増えていました。


とはいえ、そんな図々しい人間がいるはずがない…。

連絡をくれた人も

「私の聞き違いならいいけど…」

と言っていたし…。


そもそも気をつけろと言ったって

何をどうすれば気をつけたことになるのか…。

気をつけることで

いったい何を失わずにすむというのか…。


会社に就職するにはその免許が必要でしたが

たいていは元から持っている人が入るし

第一、女性がやれる仕事ではないので

なにかの間違いだろうと思っていたのです。



それからしばらくして、家に一本の電話がありました。

ものすごくガラの悪い人で、夫を出せと言います。

電話を代わった夫は

ごく普通に受け答えをしていますが

受話器の向こうからは

「なめとんか、こらぁ!」

といったような野太い怒号が聞こえてきます。


夫はそれに対して

「はい…はい…いえ、そんなことはないですよ、ハハハ」

と全く違うテンションで答えているのでした。



        「何だったの?」

「何でもない。仕事のことで、ちょっとトラブルがあったみたい」

その時も、そのまま終わりました。


さらに数日が経過…

ある朝、夫が弁当を忘れて行ったので

いつになく親切心を出して

仕事へ行くついでに会社へ届けようと思ったのが大きな間違いでした。


見知らぬド派手なおネエちゃんが

入り口のカウンターの向こうに立っていて

「なにか?」

とすまして言うのです。



         「あの…弁当を…」


そこへ夫が外から走って来ました。

…来ましたが、何も言わず、ただ立ちつくしています。


会社のことにはタッチしておらず

人事に口をだす資格もない私ですから

今ここでえらそうに何か言うべきではないと思いました。



     それに、もし勘違いだったらみっともない…


とにかく仕事に行こう…

後で考えよう…

その時はそう思いました。


女性がいた…それだけのことなのです。

その人が怪しく見えるのは、前回の後遺症かもしれない…。

しおらしいことを考えながら

勤務先の駐車場に着くと、夫が追いかけて来ました。


ヘラヘラ笑いながら

「なんか勘違いしてるみたいだけど、違うからな。

 ちょっと人から頼まれて、何日か手伝わせてるだけだから」



         追いかけてまで説明する

         おまえのその行動が白状してるんだよっ!

         

        「じゃかましいっ!

         男の職場でおチチ半分出して         

         何を手伝うって言うんだっ!

         嘘もたいがいにせい!」



何日か手伝うというおネエちゃんは、以後数年にわたって

我が家の崩壊を大変熱心に手伝ってくださることになったのでした。


コメント (4)
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