ええい!おのれ!どうしてくれよう!
仕事が終わって帰宅するなり、義父に聞きました。
「あの人、いつから入ったんですかっ?」
「…さぁ…先月の初め頃かなぁ…」
あの人…でわかるんだから、確信犯です。
「新しい愛人と知って入れたんですかっ?」
「息子に頼まれたから、入れてやったんじゃないか…。
なんでワシが文句言われにゃならんのだ…」
「頼まれたら、誰でも入れるんですかっ!
おチチ半分出してりゃ、給料もらえるんですかっ!」
このフレーズがいたく気に入ったので、乱用。
「じゃあ、私も入れてもらおうかしらっ?
おチチ半分出してりゃいいんでしょっ!」
これが義父独特の嫌がらせだということは、わかっていました。
キラ子の件で、密かに私を逆恨みしているのです。
彼女の急な結婚で振られた形になり
ずたずたになったプライドのかけらの
持って行き場が無いのでした。
こういうことに限らず
誰彼かまわずわざわざ波風を立たせておいて
「仲良くしろ」「ちゃんとやれ」とか出来ぬ我慢を強いるのが
この男の常套手段でした。
義母が飛んで来ました。
「まぁ…なあに?おチチ、おチチって…?
お父さんに、なんてこと言ってるの?」
「変な女を入れるからですよ!」
「ああ、あの人」
「お義母さんも知ってたの?」
「女の人を入れたというのは聞いてるわ」
「こいつが勘違いで妬けて、馬鹿なことを言ってるんだ!」
「そんなことはどうでもいいんですっ!
息子の愛人と知ってて入れたのかと聞いてるんです!」
「…」
まぁまぁ…落ち着いて…これかしら?
義母は一枚の履歴書を持って来ました。
あの女性の写真が貼ってあります。
年は私より一つ下でした。
現住所はなんと、私の実家の近所でした。
すごいのは経歴です。
{その他の資格…美容師…東京で、芸能人のヘアメイクを担当していました。
栄養士…高血圧、糖尿病の食生活について研究していました}
おつむの程度はともかく、これは本気で来ている…と直感しました。
おしゃれで芸能界が大好きな高血圧の義母。
糖尿病で食事療法をしている義父。
夫が知恵をつけて書かせたのは間違いありません。
父親に似て姑息なヤツです。
単純な両親に取り入って、なにをたくらんでいるのか…。
およそわかってはいるけど…。
しかし、残念なことに老眼なのに眼鏡をかけたがらない義母は
内容をまったく知らなかったので、読んであげました。
「…まぁ…すごい人なのねぇ」
美容師はともかく
高校の家政科を出ただけで、栄養士になれるとは…。
すばらしい学校です。
ともあれ、芸能界に出入りしながら病食研究にいそしんだ末
なぜかすべてを投げ打って
突然ガテンの世界に飛び込んだリッパなおかたが
今度の対戦相手のようでした。
仕事が終わって帰宅するなり、義父に聞きました。
「あの人、いつから入ったんですかっ?」
「…さぁ…先月の初め頃かなぁ…」
あの人…でわかるんだから、確信犯です。
「新しい愛人と知って入れたんですかっ?」
「息子に頼まれたから、入れてやったんじゃないか…。
なんでワシが文句言われにゃならんのだ…」
「頼まれたら、誰でも入れるんですかっ!
おチチ半分出してりゃ、給料もらえるんですかっ!」
このフレーズがいたく気に入ったので、乱用。
「じゃあ、私も入れてもらおうかしらっ?
おチチ半分出してりゃいいんでしょっ!」
これが義父独特の嫌がらせだということは、わかっていました。
キラ子の件で、密かに私を逆恨みしているのです。
彼女の急な結婚で振られた形になり
ずたずたになったプライドのかけらの
持って行き場が無いのでした。
こういうことに限らず
誰彼かまわずわざわざ波風を立たせておいて
「仲良くしろ」「ちゃんとやれ」とか出来ぬ我慢を強いるのが
この男の常套手段でした。
義母が飛んで来ました。
「まぁ…なあに?おチチ、おチチって…?
お父さんに、なんてこと言ってるの?」
「変な女を入れるからですよ!」
「ああ、あの人」
「お義母さんも知ってたの?」
「女の人を入れたというのは聞いてるわ」
「こいつが勘違いで妬けて、馬鹿なことを言ってるんだ!」
「そんなことはどうでもいいんですっ!
息子の愛人と知ってて入れたのかと聞いてるんです!」
「…」
まぁまぁ…落ち着いて…これかしら?
義母は一枚の履歴書を持って来ました。
あの女性の写真が貼ってあります。
年は私より一つ下でした。
現住所はなんと、私の実家の近所でした。
すごいのは経歴です。
{その他の資格…美容師…東京で、芸能人のヘアメイクを担当していました。
栄養士…高血圧、糖尿病の食生活について研究していました}
おつむの程度はともかく、これは本気で来ている…と直感しました。
おしゃれで芸能界が大好きな高血圧の義母。
糖尿病で食事療法をしている義父。
夫が知恵をつけて書かせたのは間違いありません。
父親に似て姑息なヤツです。
単純な両親に取り入って、なにをたくらんでいるのか…。
およそわかってはいるけど…。
しかし、残念なことに老眼なのに眼鏡をかけたがらない義母は
内容をまったく知らなかったので、読んであげました。
「…まぁ…すごい人なのねぇ」
美容師はともかく
高校の家政科を出ただけで、栄養士になれるとは…。
すばらしい学校です。
ともあれ、芸能界に出入りしながら病食研究にいそしんだ末
なぜかすべてを投げ打って
突然ガテンの世界に飛び込んだリッパなおかたが
今度の対戦相手のようでした。