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歴史館は「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者等の支援に関する特別法」にもとづき、2015年12月に釜山南区(プサン・ナムグ)の国連記念公園の隣に建てられた。

2020-11-21 | 日朝韓中友好親善
「世界唯一の日帝強制動員歴史館を
『アジア太平洋地域強制動員専門資料センター』に」

登録:2020-11-20 02:26 修正:2020-11-20 09:09


国立日帝強制動員歴史館のパク・チョルギュ館長

      

国立日帝強制動員歴史館のパク・チョルギュ館長=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 「過去5年間の観覧客は48万人ほどです。年平均だと、全国47の国立博物館の最下位です」

 来月で設立5年を迎える国立日帝強制動員歴史館(以下「歴史館」)を昨年9月から率いるパク・チョルギュ館長の言葉だ。歴史館は「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者等の支援に関する特別法」にもとづき、2015年12月に釜山南区(プサン・ナムグ)の国連記念公園の隣に建てられた。行政安全部傘下の公共機関である日帝強制動員被害者支援財団(以下「財団」)が委託を受けて運営している。

 今月17日にソウルの孔徳(コンドク)駅近くのカフェで会ったパク館長は「開館後の歴史館は、予算支援の貧弱さなどによって事実上現場維持が精一杯でした。今後は歴史館を遺物、資料、展示をオン・オフで統合したスマート博物館にし、より多くの人が訪れるようにしていきたい」と述べた。

 「今の歴史館は大学の博物館と似ています」。職員が31人おり、建築面積が3600坪あまりもある歴史館について、パク館長が不満を言う理由は何だろう。「昨年のケースだと、歴史館の展示や遺物の購入、教育に使える純粋な事業費は1億8000万ウォン(約1670万円)に過ぎませんでした。過去5年を通じて似たようなものです。釜山市立博物館ですら1回の企画展に5億ウォン(約4650万円)近く使っています。500億ウォン(約46億5000万円)を投じて歴史館を建設しておいて、事実上放置されてきたんです。開館当時は韓日関係を理由としてそんな状態だったのですが、政権が変わった後も特に変化はありません」

 昨年10月、歴史館に国民の注目が集まった。日本の鳩山由紀夫元首相が訪れ、詳しく展示を見て回り、日本の植民地支配の歴史についても謝罪したためだ。鳩山元首相は展示を見て「日本人は(韓国の)強制動員歴史館を訪ね、徴用などの問題について謙虚に歴史的真実を直視してほしい」とも述べた。しかし日本の元首相は、日帝による強制動員の過程と実態を示す展示遺物の解説を日本語で読むことができなかった。「76ある展示パネルのうち、英語の説明があるものが16。日本語と中国語は一つもありません。まず来年初めまでに他の予算を削って英語、日本語、中国語の説明文を作ろうと思っています。歴史館の外国人観覧客は年間1000人です。そのうち70%が日本人です」

来月開館5周年…去年、館長に就任
「500億で建てておいて事実上放置
展示・教育事業の予算はわずか1億8000万ウォン
アジア太平洋強制動員専門資料センターが夢
真実和解委員会で5年間活動

 パク館長は、来年は「スマート博物館元年」にするという抱負も明かした。それに向けて地方区選出の国会議員らと会い、予算確保に力を入れているという。「仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を用いた様々な実感型プログラムによって、展示の注目度を高めようと考えています。子ども体験館を活性化し、来月に歴史館で試験的に上演される子ども人形劇も、来年は正式に行う予定です。所蔵資料サービスも計画しています」

 パク館長は、世界唯一の日帝強制動員博物館である歴史館が「アジア太平洋地域の強制動員専門資料センター」の役割を果たすことを望んでもいる。「現在の歴史館には、韓国人が日帝強占期にアジア各地に動員された資料があるだけで、他のアジア各国の住民の動員資料はありません。アジア諸国の強制動員被害の実態を示す資料と展示物を集めて共有する『スマート資料館』も作りたいと思っています」。パク館長は「アジア各国の被害事例も見せることが日帝強制動員に対する歴史意識を高め、人権と世界平和教育の場という歴史館設立の趣旨にもより近づいていくはず」と述べた。

 釜山大学史学科を卒業し、東亜大で「解放直後の釜山地域の政治社会運動」という論文で博士号を取得したパク館長は、2005~2010年には真実和解委員会で抗日独立運動事件などの調査を担当した。

 パク館長は「歴史館所蔵の遺物の90%は寄贈品」とし「今後、強制動員被害者の手記やメモなどの資料がさらに多く発掘されればと思う」と述べた。「手記やメモは、強制動員の内容を豊かに満たしてくれる資料です。財団は今年から被害生存者の口述採録作業を始めています。この記録を活用する役割を担うのも歴史館です。日記や日誌は、感性によるアプローチで、人々が当時の状況をよりよく理解できるようにしてくれます。名簿や手帳とは違います。一部の人たちは、(太平洋戦争当時は)日本に行って暮らした方が楽だったとも言いますよね。手記類や口述・採録資料は強制動員の真相を復元するのに大いに役立つでしょう」
カン・ソンマン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

法務部は「検察総長への礼遇として、最大限礼を尽くして手続きを進めている」と強調した。ユン総長の監察に関する内容が公開された後、法務部は「19日午後2時、最高検察庁でユン総長の対面調査を行う計画だ。

2020-11-20 | 保守は悪くない、悪いのは反動です
韓国史上初の検察総長への監察に現実味…
法相と検察総長の対立、破局に突き進むか

登録:2020-11-19 06:01 修正:2020-11-19 10:29


法務部、19日午後の対面調査への協力求める公文送ったが 
最高検察庁「相当な理由と根拠を提示すれば協力する」公文書で対抗

      

チュ・ミエ法務部長官(左)とユン・ソクヨル検察総長//ハンギョレ新聞社

 法務部がユン・ソクヨル検察総長の監察のため、監察官室の検事らを送り、調査日程の調整を試みたが、最高検察庁の反発で実現しなかった。ユン総長に対するチュ・ミエ法務部長官の監察指示が現実化し、両者の対立が極限に突き進んでいる。

 18日のハンギョレの取材を総合すると、法務部監察官室の派遣検事2人は前日午後2時頃、最高検察庁を訪れ、ユン総長の監察調査日程が書かれた文書を渡そうとした。数回にわたって事情聴取の日程を調整しようとしたが、最高検察庁側がこれに応じなかったため、「19日午後2時」に事情聴取の日程を通知しようとしたという。2人の検事は、チュ長官が指示したユン総長の監察事案について説明した後、ユン総長に調査日程が記された文書を直接渡す考えを示した。しかし、チョン・ムゴン最高検察庁政策企画課長は「手続きに則って説明を求められれば書面で答弁する」という立場を伝え、彼らを法務部に返した。最高検察庁は彼らからの総長の面談要求書も法務部監察官室に返したという。

 最高検察庁は今回のことについて公式な説明を控えているが、法務部監察担当官室の一般検事たちがユン総長との面会を申し出たこと自体を“侮辱”と受け止めている雰囲気だ。検事たちの間では「パク・ウンジョン法務部監察担当官の指示で最近第一線から派遣されたL検事とY検事が総長に対面監察調査面談を要求し、総長が『手続きに則って、説明を要求されれば書面で返事する。これは違うのではないか』という意見を伝えると、検事たちが法務部に戻った」という書き込みが広まった。この文には「侮辱しようとする意図があると見られるが、公職に対する最小限の尊重さえなく悔しい」という内容も含まれていた。

 これに対し法務部は「検察総長に対する訪問調査予定書を渡すためであって、一般検事を送ってユン総長に対する監察を試みたわけではない」と反論した。「監察官室が16日、検察総長秘書官に総長に対する調査が必要なので希望する日程に訪問するという意思を伝えたが、答弁を拒否された。それを受け、17日午前に最高検察庁に訪問の意思を伝えた後、午後に法務部監察官室派遣検事2人が調査予定書を渡すために行ったが、受付を拒否されて戻ってきた」と説明した。法務部は「検察総長への礼遇として、最大限礼を尽くして手続きを進めている」と強調した。同日、ユン総長の監察に関する内容が公開された後、法務部は「19日午後2時、最高検察庁でユン総長の対面調査を行う計画だ。協力してほしい」という内容の公文書を最高検察庁に送った。これに対し、最高検察庁は「監察規定上、対面調査に必要な相当な根拠と理由を提示すれば、それをみて協力する」という内容の公文書で対応した。

 チュ長官の今回の指示で、ライム事件捜査指揮▽ソウル中央地検長時代のオプティマス事件容疑なし処分▽「朝鮮日報」や「中央日報」社主との会合の件などについて、法務部がユン総長を直接取り調べる意志が強く表明されたわけだ。検事懲戒法において検事懲戒権を持っているのは検察総長だが、検察総長を懲戒する主体は法務部長官だ。監察業務の経験がある検事長出身の弁護士は「法務部がすでに資料収集段階を終えたため、ユン総長の面談調査を試みたのだろう」とし、「被監査者に対する調査後に懲戒にするか、嫌疑なしで終結するかを判断することになる」と説明した。

 法務部の検察総長監察の試みは今回が初めてではない。2013年にファン・ギョアン法務部長官は「婚外子疑惑」が浮上したチェ・ドンウク検察総長に対する監察を指示したが、チェ総長が辞任したことで監察は実行されなかった。しかし、チュ長官とユン総長の対決局面が固着化した状況で、ユン総長に対する監察指示がユン総長に圧力を加える“政治的レトリック”にとどまらず、実行に移されたことで、史上初の総長監察は秒読み段階に入った。ソウル地域検察庁のある検事は、「今後どのような状況が起こるか全く予想がつかない。対立が注目される雰囲気の中、真面目に働いている現場の検事たちはため息ばかりついている」と語った。
ペ・ジヒョン、オク・ギヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

キム議員は「菅首相が、元徴用工問題の解決のために、韓国が進展した立場を示してほしいという話を1、2回繰り返した」

2020-11-19 | 日朝韓友好親善のために
韓日議員連盟会長、
「菅首相、韓国が“進展した立場”示すよう繰り返し求めた」

登録:2020-11-18 06:06 修正:2020-11-18 07:20


ラジオ放送のインタビューで訪日結果伝える 
キム会長「菅首相、『元徴用工問題は韓国が解決すべき』という立場維持」 

     
韓日議員連盟会長のキム・ジンピョ共に民主党議員など与野党の国会議員らが今月12日、仁川国際空港から日本に向けて出国する前に、取材陣の質問に答えている/聯合ニュース

 最近、韓日議員連盟会長として日本を訪問し、菅義偉首相と面会した共に民主党のキム・ジンピョ議員が、韓日関係改善を望む日本側の意思を確認したことを明らかにした。ただし、菅首相は韓国の最高裁判所(大法院)による強制徴用被害者賠償判決について、韓国が先に「進展した立場」を示すべきという立場を貫いていると、キム議員は伝えた。

 キム議員は16日、CBS(キリスト教放送)のラジオ番組「キム・ヒョンジョンのニュースショー」に出演し、菅首相との面会結果について、「両国関係をこのまま放置してはならない、改善すべきだという意志を互いにはっきりと確認したと思う」と述べた。さらにキム議員は「菅首相が、元徴用工問題の解決のために、韓国が進展した立場を示してほしいという話を1、2回繰り返した」と付け加えた。キム議員をはじめとする韓日議員連盟所属の与野党議員は、12日から2泊3日の日程で日本を訪問した。

 キム議員は同日、KBS(韓国放送)ラジオ番組「キム・ギョンレの最強時事」にも出演し、「最近(日本を訪問した)パク・チウォン国家情報院長の(訪問の)時もそうであり、私に会った時も、菅首相が『韓日関係が健全な関係に発展するためには、元徴用工問題について韓国政府の進展した立場が必要だ』と繰り返し強調した」と説明した。

 キム議員の話を聞く限り、日本は「1965年の請求権協定で韓日関係の債権、債務はすべて清算されたが、韓国最高裁がこれを無視して判決を下したため、この問題は韓国政府が解決すべきだ」という立場を維持していると見られる。ただし、キム議員は「この2年間、(中略)日本側も韓国側もさまざまな代案を示してきたと聞いている」とし、「結局、今は両国首脳間の選択と決断だけが残っている」と述べた。

 キム議員はKBSとのインタビューで「(反日、反韓感情が依然として強く)環境は良くない」とし「妥結できれば妥結するが、これがまた拙速な妥結となれば、(状況を)さらに悪化させる恐れがある」として、懸念を示した。両国の隔たりを埋めて、合意案を“妥結”するよりも、関係悪化を防ぐための“管理”の必要性を強調したのだ。輸出規制問題を先に解消したり、来年夏の東京五輪をきっかけに、両国間の交流協力を強化するなど信頼を築いていけば、過去の歴史問題でも突破口を見出せるという趣旨でもある。キム議員は「日本が受け入れられる代案を、韓国も日本も提示したものがある。それらに基づき、最大限距離を縮めなければならない」と述べた。

 一方、キム議員は同日、YTNのラジオ番組「ファン・ボソンの出発新しい朝」にも出演し、来年初めに米国のバイデン政権が発足した後の朝鮮半島情勢について「バイデン氏は韓米日の三角戦略同盟を非常に重視する立場だった」とし、「当然(韓日)両国に対する関係改善の圧力も高まるだろう」と予想した。
ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「重複人員は1000人程度と推計しているが、自然減少人員や新規事業に必要な人員などを考慮し、人為的な構造調整は行わないという確約を韓進にしてもらった」と明らかにした。

2020-11-18 | 大韓民国
大韓航空、超大型航空会社となるか…
合併すればシェア66%、雇用不安が「ネック」

登録:2020-11-17 02:47 修正:2020-11-17 08:03


大韓航空、アシアナの買収が終われば 
運送量、一気に世界7位へ 
メガLCCも登場予告 
ジンエアー、エア釜山、エアソウル統合 
6社から3社へ再編

      

キム・サンド国土交通部航空政策室長が16日午前、世宗市の政府世宗庁舎で行われたブリーフィングで、大韓航空によるアシアナ航空の買収について説明している//ハンギョレ新聞社

 韓国政府と産業銀行は、大韓航空とアシアナ航空を統合した「グローバルトップ10」レベルの単一の韓国国籍航空会社の発足を進める。これに向けて産銀は、大韓航空の持株会社である韓進KALに、アシアナ航空買収のための支援資金8000億ウォン(約754億円)を投入する。

 しかし、単一の韓国国籍航空機時代が開かれる過程で、越えなければならない山は一つや二つではない。「統合大韓航空」の企業価値を高めるために必要不可欠な構造調整の過程に伴う雇用不安に対する懸念だけでなく、「統合」に当たっての先決課題である公正取引委員会(公取委)の企業結合審査の通過も容易ではない課題だ。独占・寡占化の弊害である運賃上昇の懸念や、数年間続いた出血競争により立ち枯れ直前の格安航空(LCC)市場も、再編の過程で様々な論議が起こる可能性があるという評価がある。

 16日の航空業界、政府、専門家の話を総合すると、大韓航空によるアシアナ航空の買収は、LCC市場の再編につながる可能性が高い。両社が合併することでLCC3社(ジンエアー、エア釜山、エアソウル)も一つにまとまり、巨大LCCが登場することになるからだ。韓国市場はこれら3社と済州航空、ティーウェイ航空、イースター航空の6社が競争を繰り広げてきた。今年3月にイースター航空が運航中止になったことを考えると、今後は3社のLCCが国内線と国外短距離市場をめぐって争わなければならない。あるLCC関係者は「LCC市場が巨大な変化の前に立たされているのは確か。この過程で競争力の弱いLCC数社が整理される可能性もある」と述べた。

 雇用不安は「統合大韓航空」の成立過程において潜伏する雷管となりかねない。大韓航空とアシアナ航空の路線重複など、重なる部分が大きいため、統合の過程で「交通整理」が行われ、関連する従業員の雇用も危うくなる可能性が高い。今年6月末現在の大韓航空(1万7209人)とアシアナ航空(8797人)の正社員だけでも2万6006人だ。両社の労働組合は同日すぐに、強い懸念を表明する声明を発表した。大韓航空操縦士労働組合など6団体が「同種業界での買収は重複人員の発生による雇用不安を招く恐れがある。労使政協議体を構成し、合併を原点から論議しよう」との要求を行ったのだ。ただし産銀のチェ・デヒョン副頭取は記者ブリーフィングで「重複人員は1000人程度と推計しているが、自然減少人員や新規事業に必要な人員などを考慮し、人為的な構造調整は行わないという確約を韓進にしてもらった」と明らかにした。

 公取委の企業結合審査も越えなければならない壁だ。昨年基準で、国内線旅客運航市場は大韓航空が22.9%、アシアナ航空が19.3%のシェアを占める。航空会社2社が所有するLCCの運航分を加えれば、シェアは66%にまで高まる。航空貨物市場における航空会社2社のシェアはこれよりさらに高い。このため、公取委が審査の過程で市場をどのように区分して考えるかによって、合併承認の可否も変わる可能性がある。もちろん公取委が「再生が不可能な企業を整理するよりは、合併させた方が市場に役立つ」と判断し、企業結合審査の際に、市場画定と競争制限性の分析なしに合併を承認する可能性もあるという分析もある。国土交通部のキム・サンド航空政策室長はこの日、「国際線運賃は航空協定によって上限線が設定され、任意に設定することはできないため、消費者の被害は大きくない」と述べた。独占・寡占化による運賃上昇などの弊害発生の懸念が、ともすれば企業結合審査に悪材料として作用する可能性があるということを念頭に置いた発言だ。
パク・スジ、ホン・ソクチェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

日本と同じように家族や知人を通じた「静かな感染拡大」増えている。感染拡大傾向が続けば、高齢者の新規感染者が増える見込みだ。

2020-11-17 | 韓国のコロナ対策
韓国、新型コロナ感染確認連日200人超…
「60代以上の患者急増の恐れも」

登録:2020-11-16 06:36 修正:2020-11-16 08:55


首都圏と江原道、ソーシャル・ディスタンシング強化の「予備警報」 
ソーシャル・ディスタンシングが緩和されたうえ、冬季到来で 
専門家「60代以上の患者が急増する恐れも」 
 
予備警報の理由は「準備期間のため」 
家族や知人を通じた「静かな感染拡大」多く 
「密閉された場所、長時間の会合は避けるべき」 
 
防疫当局、インフルエンザとの同時流行に備えた守則を発表 
「タミフル効果なければコロナ検査を」

      

今月15日午前、ソウル中区の国立中央医療院COVID-19選別診療所の前で、検査を受けようとする市民らが長蛇の列を作っている。同日、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は208人で、2日連続で200人台を越えた=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 週末の間、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数が連日200人を上回った。沈静化しつつあった感染拡大の勢いが、距離措置の緩和から約1カ月が経ち、再び激しくなる兆しを見せている。首都圏の患者発生規模は、レベル1.5の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)への引き上げ基準に迫っており、江原道は基準を上回った。韓国政府は二つの地域に引き上げに向けた「予備警報」を発令した。中央災害安全対策本部(中対本)のパク・ヌンフ第1次長は「今、やや緊張を緩めれば厳しい冬が訪れる可能性がある」と懸念した。

 中央防疫対策本部(防対本)は、今月14日午前0時基準でCOVID-19の新規感染者が205人発生したのに続き、15日には208人の感染が新たに確認されたと発表した。1日の新規確定者が200人を超えたのは、9月2日(267人)以降73日ぶりのこと。週末に検査件数が減ったにもかかわらず、感染確認数はむしろ増えた。1週間の全国の1日平均新規感染者数は、10月第4週は75.3人、第5週は86.9人、11月第1週は88.7人だったが、先週(8~14日0時基準)は122.4人となり、3週間で1.6倍に跳ね上がった。地域別に見ると、最も多い感染者が出た首都圏(584人)の他にも江原道(78人)、忠清道(69人)、全羅道(68人)、慶尚南道(36人)、慶尚北道(20人)でもそれぞれ新規患者が発生した。このうち、首都圏は1日平均83.4人で1.5レベルへのソーシャル・ディスタンシングの引き上げ基準100人に迫っており、江原道は11.1で、引き上げ基準10人を超えた。

 しかし韓国政府はすぐにはソーシャル・ディスタンシングの段階を引き上げず、首都圏と江原圏に「予備警報」だけ発令した。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長は15日、中対本の定例ブリーフィングで「予備警報は警戒心を促すとともに、(段階引き上げ後、防疫措置が変わる施設などに)準備時間を与えるため」だとし「江原道の場合、感染者が嶺西地方に集中しており、大都市があるか観光地が多い嶺東にはいないため、江原圏全体を1.5段階に引き上げる必要があるかどうかを検討中」だと説明した。ソーシャル・ディスタンシングがレベル1.5に引き上げられると、テーブルや座席間の距離を置くことが義務付けられる食堂やカフェの面積が150平方メートルから50平方メートル規模に拡大し、結婚式場や葬儀場、銭湯、ゲームセンター、学習塾など一部の一般利用施設で利用人数が4平方メートル当たり1人に制限される。クラブなど遊興施設5種では踊りと座席間の移動が禁止される。

 防疫当局や専門家らは、最近感染拡大が続く要因として、先月初頭に行われた「ソーシャル・ディスタンシング緩和」を真っ先に挙げている。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「最近の患者数増加はソーシャル・ディスタンシング緩和後の移動量、接触量が増え、地域社会での静かな感染拡大が持続的に行われた結果とみられる」とし、「特に家族内感染が多く現れており、一週間後からは60代以上の高危険群患者が増える可能性がある」として懸念を示した。当面は40代以下の若年層や壮年層の患者の割合が半分に近い49.1%(10月11日~11月7日)に達するが、感染拡大傾向が続けば、高齢者の新規感染者が増える見込みだ。

 パク・ヌンフ第1次長も同日「9月の秋夕(中秋節)連休期間後に患者発生が少しずつ増加し始め、10月中旬からはその傾向がさらに明らかになっている」とし、「最近は一家または結婚式や祭祀の集まりをきっかけに始まった集団感染が職場仲間や大衆利用施設の利用者を通じて広がった後、再びその家族や知人へと追加で拡散する連鎖感染が一般的」と説明した。小規模の散発的な感染拡大が増え、防疫網内の管理割合(新規感染者のうち接触者の分類などで自主隔離中に感染確認された人の割合)は先週57.5%と、60%を下回っている。3週間前(10月18~24日)の66.4%より8.9ポイント下がった。

 寒い季節になり、密閉された室内での活動が増える点も危険要因だ。防対本のイム・スギョン状況総括団長は14日の定例ブリーフィングで「密閉された室内で長時間人と会う約束はできるだけ延ばすか取り消すことを勧める」と述べた。また、防対本は冬季にCOVID-19とインフルエンザが同時流行することに備え、「同時流行に備えた診療および行動規則」も発表した。これを受け、呼吸器感染が疑われる患者は、病院を訪問する前に電話で症状を知らせ、事前予約をすることが勧められ、タミフルなど抗ウイルス剤投薬後24時間が過ぎても症状が好転しない場合、選別診療所を訪問し、COVID-19検査を受けなければならない。医療機関では来院した患者のインフルエンザが疑われるが検査が難しい場合、先に抗ウイルス剤を処方することができる。19日からは小児、高齢者、免疫低下者を対象にインフルエンザ抗ウイルス剤処方に健康保険が適用される。
チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

文大統領は15日、「ASEANプラス3首脳会議」と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の署名式で、二日連続で菅首相と共にテレビ電話会議に出席した。

2020-11-16 | 韓国:ハンギョレ新聞
[ニュース分析]北東アジアの情勢転換期、今こそ韓日首脳が決断する機会
登録:2020-11-16 06:38 修正:2020-11-16 09:23

強制徴用問題の解決策を模索 
文大統領、「ASEANプラス3」オンライン会議で 
菅首相を名指しし、「特にうれしい」 
 
バイデン氏の勝利が確定してから 
国情院長・韓日議員連盟会長の訪日を機に 
東京五輪を活用した関係改善図る 
 
韓国は朝鮮半島平和プロセスの再稼働、 
日本は拉致問題の突破口が必要な時期 
バイデン政権の発足に合わせて同盟復元の好機

      

文在寅(ムン・ジェイン)大統領(画面上段右から2番目)が今月14日午後、大統領府でオンラインで行われた「ASEANプラス3首脳会議」に出席している。画面上段左端から中国の李克強首相、日本の菅義偉首相=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 「尊敬する議長、各国首脳の皆様、特に日本の菅首相、お会いできて嬉しいです」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が14日、大統領府でオンラインで行われた「ASEAN(東南アジア諸国連合)プラス3首脳会議」の冒頭発言で、日本の菅義偉首相を名指しする異例の行動を取った。同日の会議にはASEAN10カ国の首脳と中国の李克強首相らが出席したが、菅首相にのみ個人的な挨拶をしたのだ。文大統領は15日、「ASEANプラス3首脳会議」と東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の署名式で、二日連続で菅首相と共にテレビ電話会議に出席した。

 菅首相を名指しした“異例のあいさつ”で、文大統領は韓日関係の改善を模索しようというメッセージを投げかけたものと見られる。韓日関係を改善しようとする韓国政府の努力は、独特の歴史修正主義を前面に掲げ、韓日関係を破局に追い込んだ安倍晋三元首相の退場とともに始まった。文大統領は9月24日、後任の菅首相との初の電話会談で、関係改善の必要性に言及したが、「安倍外交の継承」を掲げた菅首相は「韓国に適切な対応を強く求めていく」という立場を固守した。その後、政府は年内に韓国で予定されている韓中日3カ国首脳会議を通じて関係改善の機会を見いだそうとしたが、日本は強制徴用被害者に対する賠償と関連し、「差し押さえられた日本企業資産の現金化をしない」という韓国政府の約束なしには出席できないという立場を貫いた。

 風向きが再び変わったのは8日、韓米日3国協調を重視するジョー・バイデン前副大統領が米大統領選挙で「勝利宣言」をした後だった。韓国はパク・チウォン国家情報院長の訪日(8~11日)や韓日外務次官電話会談(12日)、キム・ジンピョ韓日議員連盟会長の訪日(12~14日)などを通じて、来年の東京五輪の開催成功を媒介に韓日協力のきっかけを探るべきだという意見を示している。日本は原則的に同意しながらも、「関係改善のきっかけを韓国側が作るべきだ」という基本的立場から一歩も引かない。

 しかし、韓日ともに関係改善を望んでいる。韓国は来年1月末のバイデン米政権の発足とともに、第2期「朝鮮半島平和プロセス」を稼働させなければならない立場だ。韓日の協力を通じて東京五輪を第2の平昌(ピョンチャン)のような「平和五輪」にすれば、2018年のように南北対話と朝米核交渉が急進展する機会が期待できる。日本も五輪の開催の成功と、これをきっかけに歴代日本政府が「国政最優先課題」としてきた北朝鮮による日本人拉致問題の解決を望んでいる。菅首相は今月5日、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が五輪期間中に東京を訪問すれば会う意向があるかという質問に「良い機会になると思う」と答え、14日のASEANプラス3テレビ会議でも金委員長と「条件なしで直接会う」意向を再び示した。

 残された問題は、両国首脳の決断だ。日本が首脳会談に条件を掲げる強硬姿勢を崩さず、韓国も「政府が司法手続きに介入できないという理由」で戦略的決断を先送りする場合、せっかく生まれた対話ムードが一気に消えかねない。もちろんこの過程で政府が主張してきた「被害者中心主義」を守らなければならないという意見もある。ソウル大学日本研究所のナム・ギジョン教授は、「政府が意思決定を下す際、被害者に説明し、理解を求めるなど、問題解決の過程に(被害者を)参加させているかどうかを確認しなければならない」と指摘した。
キル・ユンヒョン、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

「東京五輪が成功するためには、韓-日、朝-日、南-北-日の関係の後押しが必要だ。そうした観点から韓中日首脳会談は重要だ」と強調した。

2020-11-15 | 日朝韓中友好親善
韓国政界、東京五輪を契機にした韓日関係改善へ…
全面的な外交攻勢

登録:2020-11-14 06:55 修正:2020-11-14 08:30

イ・ナギョン代表、韓日フォーラム基調演説で 
「成功的な開催に向け首脳会談が必要」

      

今月13日午前、ソウルのハイヤットホテルで開かれた第28回韓日フォーラムに出席したイ・ナギョン共に民主党代表が基調講演後、韓国側の出席者たちと歓談を交わしている=国会写真記者団//ハンギョレ新聞社

 「2021年東京五輪開催成功」を機に、韓日両国の膠着局面の解決を目指す韓国政界の対日外交攻勢が続いている。最悪に突き進んだ韓日関係に風穴を開けるか注目される。

 共に民主党のイ・ナギョン代表は、13日午前、非公開で開かれた第28回韓日フォーラムの基調演説で、東京五輪の成功のためには文在寅(ムン・ジェイン)大統領の協力が切実とし、両国首脳間の会談が必要だという考えを示したことが分かった。イ代表は同日午後、国会で記者懇談会を開き「日本側は懸案が解決しなければ韓日首脳会談ができないと言っている」とし、「しかし会談をして懸案が解決できるようにすること、懸案の解決を促すことが指導者の役割ではないか」と述べた。また「来年の東京五輪は日本にとって経済低迷から抜け出し、国民が再び希望と自信を取り戻す機会になるだろう」としたうえで、「東京五輪が成功するためには、韓-日、朝-日、南-北-日の関係の後押しが必要だ。そうした観点から韓中日首脳会談は重要だ」と強調した。3日間の日程で日本を訪問したキム・ジンピョ韓日議員連盟会長ら与野党議員7人は同日午後、首相官邸を訪れ、菅義偉首相と面会した。

 最近慌ただしく行われている対日外交の背景には、来年9月の選挙を控えた菅首相にとっては東京五輪の開催が切実であるため、これを媒介に韓中日首脳会議の開催など、接点を模索しようという意図がある。来年発足するバイデン米政権が韓日米3カ国の協力を重視することが予想されることから、日本との関係回復を図り、地ならしをしているという分析もある。

 しかし、日本が徴用被害者賠償に関する従来の強硬な立場を簡単に変えるのは難しい見込みだ。この日、韓日議員連盟と菅首相との面会に同席した額賀福志郎・日韓議員連盟会長(自民党衆議院議員)は「菅首相が『日本と韓国の関係が厳しい環境にある。これを改善したいと考えているが、韓国側が良い環境づくりのための考えを示してほしい』と言及した」と明らかにした。韓日関係改善への意志を表明しながらも、強制徴用賠償問題と関連して「韓国政府が先に解決策を提示すべきだ」という日本政府の立場をほのめかしたものと見られる。
キム・ジウン、イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

今回の下院議員選挙に出馬した韓国系候補5人のうち、4人が当選したという快挙を成し遂げたことになる。

2020-11-14 | アメリカの対応
米国で「韓国系4人」が下院議員選挙で“当選の快挙”wowkoreaの記事より転載

韓国系女性のヤング・キム米共和党 カリフォルニア州第39選挙区 下院議員候補(画像提供:wowkorea)

          

韓国系女性のヤング・キム(韓国名 キム・ヨンオク)米共和党候補は、連邦下院議員に当選した。

キム候補は13日(現地時間)、米カリフォルニア州の第39選挙区で、現役の民主党議員を破り、当選に成功した。

キム候補は、ワシントン州の第10選挙区で当選したマリリン・ストリックランド民主党候補(韓国名 スンジャ)、カリフォルニア州の第48選挙区で当選したミシェル・パク・スティール共和党候補(韓国名 パク・ウンジュ)、ニュージャージー州第3選挙区で再選したアンディ・キム 議員につづいて、韓国系として4人目の当選となった。

これにより 今回の下院議員選挙に出馬した韓国系候補5人のうち、4人が当選したという快挙を成し遂げたことになる。

キム候補は選挙のホームページを通じて「移民者として苦労した その努力と決断を通して、アメリカンドリームを成し遂げた」とし「ワシントンDCには、党派的膠着状態を解消し 超党的な解決策を提示する人が必要だ。私は約束を守る」と伝えた。

額賀福志郎日韓議員連盟会長も「大局的見地に立ち新しい日韓関係を築くよう互いに努力したい」と関係改善の必要性を力説した。

2020-11-14 | 徴用工問題正しい解決の道

韓日強制動員妥協案が難航…「東京平和五輪」が突破口になるか
登録:2020-11-13 06:17 修正:2020-11-13 08:38

両国の外務次官、初の電話会談 
チェ次官「五輪成功」秋葉事務次官「謝意」 
韓日議員連盟総会でも 
キム韓日議員連盟会長「東京五輪が良いきっかけに」 
 
パク国情院長の訪問後も意見の隔たり埋められず 
ソ・フン安保室長の訪日日程は取り消しに

       

ソ・フン大統領府国家安保室長が今月9日、大統領府で開かれた首席・補佐官会議に出席している/聯合ニュース

 韓国政府が来年夏の東京五輪の開催を媒介にして、行き詰まっている韓日関係の改善に乗り出している。予定されていたソ・フン大統領府国家安保室長の日本訪問が見送られるなど、妥協案を導き出す過程でかなりの難航が予想されるが、「東京平和五輪」という大義の下で突破口が開かれる可能性もある。

 キム・ジンピョ韓日議員連盟会長は12日、東京で開かれた韓日議員連盟総会で「韓日関係は過去の歴史問題による対立が経済や安保にまで飛び火するような難関を経ている」としたうえで、「日本政府が来年7月に推進する東京五輪が(関係改善の)良いきっかけになると思う。ここに来る前に空港で降り、森喜朗オリンピック準備委員長を表敬訪問した。韓国の国民は東京五輪を成功させるためには積極的に支援し、交流しなければならないと思っている」と述べた。これに先立ち、額賀福志郎日韓議員連盟会長も「大局的見地に立ち新しい日韓関係を築くよう互いに努力したい」と関係改善の必要性を力説した。

 チェ・ジョンゴン外交部第1次官も同日午後、日本外務省の秋葉剛男事務次官と就任後初の電話会談を行う際、東京五輪を特別に言及し、「開催の成功を祈っている」と述べた。これに対し秋葉次官は謝意を表したと、外交部が明らかにした。政府が東京五輪開催の成功を媒介に関係改善を模索しようというメッセージを多角的に発しているということだ。

 しかし、まだ日本政府は関係悪化の主な原因である強制動員被害者の判決と関連し、韓国に納得できる措置を先に取るよう求める強硬姿勢を貫いている。大統領府関係者は同日、ソ・フン室長が17日ごろ訪日するという日本メディアの報道に関し、「行くことになっていたが、取り消しになった。様々なことが合わなかった」と説明した。カン・ミンソク大統領府報道官も同日、記者団に「ソ・フン室長の訪日報道は事実でない」と述べた。

 ソ室長の訪日が見送られたのは、パク・チウォン国家情報院長が最近日本を訪問した後も、関係改善のための“妥協案作り”がうまく行かなかったためと見られる。菅義偉首相は「日韓関係を健全な関係に戻すきっかけを韓国側が作らなければならない」とし、韓国政府が「現金化手続きの中止」などの措置を先に取ることで、関係改善のための突破口を開くよう求めてきた。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は11日、強制徴用問題を解決するためには、「被害者たちの意思が重要で、合意が成されるべきだが、立場の隔たりが大きく、容易ではない」という趣旨の発言をしたという。

 最近、韓国ではこのような状況を打開するため、東京五輪開催の成功に向けた協力を通じて関係を改善し、それを通じて日本を包容する第2次朝鮮半島平和プロセスを稼動しなければならないという声が高まっている。韓日協力を通じて来年初めの朝鮮半島周辺情勢を友好的に導けば、来年東京で南北米日首脳が一堂に会する巨大外交イベントが開かれる可能性もある。
キル・ユンヒョン、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)

 米国を訪問したカン・ギョンファ外交部長官は10日(現地時間)、米国のジョー・バイデン次期大統領側の関係者に会い、韓国政府の朝鮮半島平和プロセスを説明し、朝米対話の早急な再開の必要性を説明した。

2020-11-13 | バイデン大統領を追う
韓国外相、バイデン氏側と接触…
「朝米対話、首脳レベルで優先的関心を持たねば」

登録:2020-11-12 07:07 修正:2020-11-12 08:10


ワシントンでバイデン氏側近のクーンズ議員らと会談 
「韓国政府の朝鮮半島平和プロセスの意志を強調」

      

カン・ギョンファ外交部長官が10日(現地時間)、ワシントンの議事堂で米国のジョー・バイデン次期大統領の側近のクリス・クーンズ民主党上院議員と会談し、肘で挨拶をして記念撮影をしている=外交部提供//ハンギョレ新聞社

 米国を訪問したカン・ギョンファ外交部長官は10日(現地時間)、米国のジョー・バイデン次期大統領側の関係者に会い、韓国政府の朝鮮半島平和プロセスを説明し、朝米対話の早急な再開の必要性を説明した。来年1月20日に発足するバイデン政権の初期から朝米対話と南北協力の勢いを活かせるようにしようとする努力の一つだ。

 カン長官はこの日、ワシントンで民主党のクリス・クーンズ上院議員とブルッキングス研究所のジョン・アレン所長に会い、前日には民主党のクリス・マーフィー上院議員とテレビ会談をした。クーンズ議員とマーフィー議員は共に米国メディアでバイデン政権の国務長官候補として言及されている。クーンズ議員はバイデン氏の上院議員地方区(デラウェア)を受け継いだ長年の友人であり、ブルッキングス研究所はバイデン氏側に外交政策を諮問している。

 カン長官は会談日程を終えた後、駐米大使館で記者懇談会を行い、「議会と学界の人々に朝鮮半島平和プロセスの推進に対する韓国政府の確固たる意志を表明し、北朝鮮核問題の緊急性を考慮し、朝鮮半島の完全な非核化の実現のための外交的努力を強化していく必要性を強調した」と述べた。カン長官は「クーンズ議員とマーフィー議員から、バイデン氏の外交問題に対する見解と新政権の外交政策の方向性などに対する意見を聞くことができた」とし、「アレン所長も、韓国政府の朝鮮半島平和プロセスと主な同盟への懸案に対する立場をバイデン氏側に伝達すると述べた」と伝えた。

 カン長官は特に、朝米対話に関連し、バイデン氏側の関係者に「首脳レベルで優先的関心を持たなければならない問題」だと述べた。バイデン政権初期には朝米対話は優先順位が低くなるという観測が出ているなか、この問題にバイデン氏が直接関心を持たなければならないと強調したのだ。

 カン長官は「過去の民主党政権は、韓国政府と朝鮮半島平和のために緊密に協調し協力してきた経験があるだけに、バイデン政権発足後、早い時期に韓米間の息を合わせることができることを期待する」と述べた。

 ドナルド・トランプ政権の人々とも残りの期間の協力を論議した。カン長官は前日、マイク・ポンペオ国務長官に続き、この日はロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安保担当)に会い、韓米関係の発展と朝鮮半島平和プロセスの進展のための努力を続けていくということで意見が一致したと伝えた。
ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

拡散:オンライン研究会のご案内

2020-11-12 | 日朝韓友好親善のために
みなさま

いつもお世話になっております。
立命館大学コリア研究センターです。
この度、立命館大学東アジア平和協力研究センターと合同で
オンライン研究会を行うこととなりました。
下記詳細および添付ちらしをご覧のうえ、ぜひご参加ください!

※参加には事前の申込が必要です。
 11月17日(火)までにmin86@fc.ritsumei.ac.jp(担当:閔智焄)へ
 メールで申し込みをお願いいたします。


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コリア研究センター
第115回月例研究会・第2回日韓関係研究会
「乙巳条約強制締結115周年記念特別研究会」


講 師 :戸塚悦朗氏(弁護士、コリア研究センター・客員協力研究員)
講 題 :1905年11月17日付の「日韓協約」は存在しない
開催日時:2020年11月18日(水) 17時~(19時終了予定)
言 語 :日本語
場 所 :ZOOM(オンライン開催)
司 会 :閔智焄<ミン・ジフン>(東アジア平和協力研究センター・客員助教)
主 催 :立命館大学コリア研究センター ・ 立命館大学東アジア平和協力研究センター
後 援 :韓国国際交流財団

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どうぞよろしくお願いいたします。

立命館大学コリア研究センター
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E-MAIL:korea@st.ritsumei.ac.jp
URL :http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/ricks/
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「私は原則に則った外交に関与し、非核化した北朝鮮と統一された朝鮮半島に向かって進み続ける」

2020-11-12 | アメリカの対応
[コラム]朝鮮半島の運命は私たちが決める
登録:2020-11-12 01:54 修正:2020-11-12 08:21


 私たちが主導権を握り、北朝鮮と米国と国際社会を積極的に説得せねばならない。それでこそ、北朝鮮は核を放棄し、国際社会は北朝鮮に対する制裁を解き、朝米国交正常化が実現できる。朝鮮半島の主人は私たちである。

      

文在寅大統領と米国のジョー・バイデン次期大統領//ハンギョレ新聞社

 米国の大統領が替わろうとしている。超大国の最高指導者の交代は、朝鮮半島にどのような変化をもたらすだろうか。わからない。ジョー・バイデン自身もまだよく分かっていないだろう。

 ジョー・バイデン氏は先月29日、韓国系米国人200万人に支持を訴える文章を聯合ニュースに寄稿した。朝鮮半島政策はたったの一文だった。

 「私は原則に則った外交に関与し、非核化した北朝鮮と統一された朝鮮半島に向かって進み続ける」

 何をどうするつもりかはまったくない。当然のことだ。具体的な内容はこれから外交・安保参謀たちとともに徐々に埋めていかねばならない。ジョー・バイデン氏にとって朝鮮半島は優先課題ではない。

 韓国の政府と国会と与党と野党の関係者らが次々と米国に行くと言って騒いでいる。ジョー・バイデン氏や側近たちとの関係を先を争って自慢している。恥ずべきことだ。少し落ち着いてくれたらと思う。

 米国に行って誰に会おうとしているのだろう。会って話をすれば効果があるのだろうか。あまりないだろう。ジョー・バイデン氏はまだ政権引き継ぎ作業を始めてもいない。トランプはおとなしく政権を引き渡す気はなさそうだ。

 いま韓国に必要なのは、時を待ちつつ米国の新しい大統領と参謀たちを説得しうる解決策と論理を整えることだ。北朝鮮が米国の新大統領の関心を引くために、突然核実験をしたりミサイルを発射したりしないよう管理することだ。国内で異論が出ないように、政府、与党、野党の意見を事前に調整しておくことだ。

 米国は朝鮮半島において韓国を無視することはできない。私たちが当事者だからだ。軍事同盟だからだ。米国の朝鮮半島の専門家たちは、韓国が考えているよりもはるかに朝鮮半島について無知だ。ジョー・バイデン氏も朝鮮半島をよく知らない。いずれにせよ文在寅(ムン・ジェイン)大統領と緊密に協議せざるを得ない。ジョー・バイデン氏だけがそうなのではない。歴代の米政権は概ねそうだった。

 1998年に米国を訪問した金大中(キム・デジュン)大統領に、ビル・クリントン大統領は対北朝鮮政策を説明してほしいと要請した。金大中大統領は「太陽政策は、考えてみれば米国の成功から学んだもの」とし、米国の和解政策によってソ連が崩壊し、中国とベトナムが開放した例を挙げた。クリントン大統領はこのように答えた。

 「金大統領の比重と能力を見ると、朝鮮半島問題は金大統領に主導をお願いしたい。金大統領がハンドルを握って運転し、私は隣の席に移って補助的な役割を担います」

 クリントン大統領は、北朝鮮政策調整官にウィリアム・ペリー元国防長官を任命した。ペリーは1994年の第1次北朝鮮核危機の際、全面戦争を準備し、寧辺(ヨンビョン)の核施設を攻撃しようと主張した強硬派だった。

 金大中大統領とイム・ドンウォン外交安保首席は彼を執拗に説得した。1999年9月、「核とミサイルの脅威を終わらせるために北朝鮮の協力を確保しうるなら、米国は北朝鮮との国交樹立を含め、関係正常化をなしえなければならない」ことを内容とする「ペリー・プロセス」が完成した。

 2000年には南北首脳会談が開かれた。北朝鮮のチョ・ミョンノク次帥(軍の階級)が米国を訪問した。米国のオルブライト国務長官が北朝鮮を訪問した。クリントン大統領の訪朝のためだった。

 しかしクリントン大統領は中東和平交渉に足を引っ張られ、北朝鮮に行けぬまま退任した。2年にわたり丹念に積み上げてきた朝鮮半島平和の機会を惜しくも逃したのだ。

 正反対の状況も起こった。バラク・オバマ大統領の在任中、米国の朝鮮半島政策は「戦略的忍耐」だった。北朝鮮の核開発を事実上放置したことになる。オバマ政権の「戦略的忍耐」は李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)両政権の対北朝鮮強硬策と深い関連がある。南北関係が悪化したため、朝米対話も基本的に止まってしまったからだ。

 2018年、朝鮮半島に平和の風が再び漂った。文在寅大統領は金正恩(キム・ジョンウン)委員長とドナルド・トランプを同時に説得することに成功した。今度は米国の軍産複合体が障害だった。彼らは朝鮮半島の平和を望んでいなかった。トランプの参謀だったジョン・ボルトンが交渉を破壊した。

 2020年の米大統領選挙が終わった。ジョー・バイデン氏はオバマ政権の戦略的忍耐に戻るのか、トランプ政権の対北朝鮮交渉の成果を受け継ぐのか、今は分からない。下手な予測は危険だ

 重要なのは文在寅大統領と韓国政府の主導権だ。私たちが主導権を握り、北朝鮮と米国と国際社会を積極的に説得せねばならない。

 それでこそ、北朝鮮は核を放棄し、国際社会は北朝鮮に対する制裁を解き、朝米国交正常化が実現できる。朝鮮半島の主人は私たちである。
//ハンギョレ新聞社

ソン・ハニョン|政治部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

イ長官は「南北が先に対話の扉を開いて信頼を築けば、その後も続くさらに良い情勢の流れを我々が主導できるだろう」と付け加えた。

2020-11-11 | 大韓民国
韓国統一部長官
「米大統領選挙、情勢変化の大きな転換点…
北朝鮮の賢明な対応を望む

登録:2020-11-10 06:18


イ・イニョン統一部長官、就任後初の公式記者懇談会で 
「南北が信頼の扉を開き情勢の流れを共に主導しよう」 
 
統一部高官「軍事演習減るほど平和・対話の可能性高まる」 
来春の韓米軍事演習について注目すべき発言 
「年末年始の対話・協力に向け、客観的要因が増す見通し」 

      

イ・イニョン統一部長官が今月9日午後、ソウル鍾路区桂洞の南北会談本部で、就任(7月27日)後初の公式記者懇談会を開き、南北関係などについて述べている=イ・ジョングン先任記者//ハンギョレ新聞社

 イ・イニョン統一部長官は9日「米国の大統領選挙は情勢変化の大きな転換点」だとし、「情勢転換期を南北の時間にしていくことを望んでいる」と述べた。

 イ・イニョン長官は同日午後、ソウル鍾路区(チョンノグ)の南北会談本部で行われた就任(7月27日)後初の公式記者懇談会で「北側が慎重かつ賢明で柔軟に転換の時期に対処することを期待する」とし、このように述べた。

 イ長官は「米国で新政権が発足して対北朝鮮政策が樹立されるまでは一定の時間がかかり、北東アジア情勢に流動性と不確実性が生じる恐れがあるという懸念もあるが、逆説的に南北が平和を実現する機会の空間がもっと大きく開かれる可能性もある」とし、「必ずそうなるように我々が作っていかなければならない」と強調した。イ長官は「南北が先に対話の扉を開いて信頼を築けば、その後も続くさらに良い情勢の流れを我々が主導できるだろう」と付け加えた。

 これについて統一部高官は記者団に「軍事演習が減るほどに平和と対話の可能性が高まるとみられ、そのような方向を望む」と述べた。バイデン米政権発足初期の朝米関係と朝鮮半島情勢を占う主な変動要因とされる来春の韓米定例軍事演習の“縮小”または“取り消し”を望むという意向を示したものとして注目される。

 同高官は「米国と北朝鮮の間に(政策の)不一致があり得るため、間に入る人が必要だ」とし、「それが韓国政府にとってはチャンスになるだろう」と述べた。同高官は「米大統領選挙が終わったので、北朝鮮も判断を下すだろうが、どのような判断をするかは我々次第の問題でもある」とし、その上で「まず、韓国が米国と朝鮮半島平和プロセスにどの程度の可能性まで共感するのか、次に、韓国が南北の協力と対話の幅をどこまで作り出し作動させようとするかが特に重要だ」と指摘した。彼は「バイデン氏は、金大中(キム・デジュン)元大統領の太陽政策の強力な支持者だった」とし、バイデン政権時代が4回の北朝鮮の核実験で傷つけられたオバマ政権の“戦略的忍耐”よりは、特使を交換し朝米首脳会談を推進した「クリントン政権3期」の方に近い可能性があると見通した。

 同高官は「(北側の今後の動きには)主体の意志に劣らず、客観的状況も重要だ」としたうえで、「今年末と来年初めには(北側も)対話と協力をするしかない客観的要因が増していくと思う」と述べた。年末年始に“対話と協力”の機会が訪れるという見通しを示したのだ。彼は「北側が新型コロナの防疫を理由にほとんど封鎖しているが、引き続き閉鎖していては経済を発展させることができない。いつ、どれくらい解除するかも重要な問題」だと指摘した。
イ・ジェフン先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

ドナルド・トランプ政権で行われた2回の朝米首脳会談など、一定部分進展した朝米関係が連続性を持たなければならないという意志の表現だと解釈される。

2020-11-10 | 韓国:ハンギョレ新聞
米訪問中の韓国外相

「バイデン氏、北朝鮮政策は『戦略的忍耐』には戻らないだろう」

登録:2020-11-10 06:13 修正:2020-11-10 07:24

訪米最初の日程、朝鮮戦争参戦記念公園で献花 
「過去3年間の成果を土台にしなければ」 
バイデン氏側と協力「積極的に行う状況」
      

米国を訪問中のカン・ギョンファ外交部長官が8日(現地時間)、ワシントンDCにある朝鮮戦争参戦記念公園で献花している/聯合ニュース

 米国を訪問中のカン・ギョンファ外交部長官は8日(現地時間)、米国のジョー・バイデン次期大統領は、彼が副大統領として在任したバラク・オバマ政権時代の北朝鮮に対する「戦略的忍耐」政策には戻らないだろうと見通した。

 ワシントンDCにある朝鮮戦争参戦記念公園を訪れたカン長官は献花をした後、記者団に「バイデン氏側の多くの要人が公開の場でする話を聞くと、当時の戦略的忍耐に戻るということはなさそうだ」と述べた。 続いて「過去3年間の多くの経過や成果をもとに作っていかなければならないと思う」と付け加えた。オバマ政権の副大統領だったバイデン氏が政府を率いれば、米国の対北朝鮮政策が過去の民主党時代の政策に戻るのではないかという質問に対する答えだった。

 「戦略的忍耐」は、オバマ政権が2009年から退任時まで続けた北朝鮮に対する政策で、北朝鮮が先に核とミサイルを放棄しない限り、米国も交渉に乗り出さないという態度だった。これは、オバマ前大統領が就任直後の2009年4月、核安保首脳会議で「核なき世界を作る」を主唱していた当時、北朝鮮が人工衛星ロケットを発射したうえ、国連安全保障理事会で北朝鮮に対する制裁が議論された同年5月に2回目の核実験を行ったことにより固まった政策だ。

 カン長官のこの日の発言は、ドナルド・トランプ政権で行われた2回の朝米首脳会談など、一定部分進展した朝米関係が連続性を持たなければならないという意志の表現だと解釈される。同時に、バイデン政権が過去4年間の朝米関係を検討してから対北朝鮮政策の方向を決めるだろうという観測がなされたものとみられる。カン長官は「具体的な事案についてあれこれと予測するには、まだ状況が早いようだ」と述べた。

 こうしたなか、カン長官は今回の訪米日程でバイデン氏側との接触を増やすという意向も明らかにした。カン長官は「韓国政府としても、大統領が公に(当選を)祝ってくださった状況で、今まで慎重にしていた部分においても、より積極的にできる状況になった」と述べた。トランプ大統領が「選挙操作」の主張を曲げず、選挙結果に不満を述べているが、バイデン氏が事実上当選者に確定したため、もう少し積極的な歩みをするという意味だ。

 カン長官は民主党側と会う日程に関しては「大使館でも多く準備したようだ」としながらも「おそらく会うとしても相手側で慎重な面があり、公開にはしないだろう」と述べた。カン長官は、クリス・クーンズ民主党デラウェア州上院議員とミシェル・フロノイ元国防総省政策次官との接触を推進することがわかった。クーンズ議員は、トニー・ブリンケン元国務省副長官やスーザン・ライス元ホワイトハウス国家安保補佐官とともに、バイデン政権の1人目の外交トップに挙げられている人物だ。フロノイ元国防総省政策次官は米国初の女性国防長官に挙げられている。

 9日のマイク・ポンペオ国務長官との韓米外相会談について、カン長官は「極めて敏感な時期に来たが、ポンペオ長官とはいつもコミュニケーションを取ってきたし、(バイデン政権の発足日である)来年1月20日までは私のパートナーなので来た。多くの懸案について扱うことができるだろう」と述べた。カン長官はこの日、ポンペオ長官の主催により米国務省で昼食を兼ねた会談を行う予定だ。ただし、米国大統領選挙がバイデン氏の勝利に帰結した状況のため、今回の会談で両長官が主要な懸案について深く協議することは難しいだろうという見方が出ている。
キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

チャンス要因とリスク要因が共存する中、一部緩和されるものと予想されるバイデン氏の中国牽制と脱中国化に中国がどのように対応するのかも大きな関心事だ。

2020-11-10 | バイデン大統領を追う
バイデン時代の韓国経済…
「チャンスとリスクの同時到来の可能性も」

登録:2020-11-09 06:15 修正:2020-11-09 07:20


[ジョー・バイデン候補当選] 
「米国人による米国国内製造」掲げ 
韓国の半導体・バッテリー製造企業には新たな挑戦 
積極的な財政政策の展開で自国企業の投資・輸出には機会 
韓国の国内産業の空洞化現象起きる懸念も

      

ジョー・バイデン大統領当選者/聯合ニュース

 ジョー・バイデン氏の大統領当選は、韓国経済にとってチャンスであると同時に、リスクにもなる見通しだ。トランプ氏に次ぐ「バイ・アメリカン」政策で韓国内の産業基盤が萎縮する恐れがあるという見通しが示される一方、環境にやさしい再生エネルギー産業への投資と先端産業部門の脱中国および中国企業への制裁と牽制が加速化し、韓国企業には米国市場への進出と参加の機会が増えると予想する専門家もいる。チャンス要因とリスク要因が共存する中、一部緩和されるものと予想されるバイデン氏の中国牽制と脱中国化に中国がどのように対応するのかも大きな関心事だ。

■バッテリー・半導体分野には「もろ刃の剣」になる見込み

 まず、半導体やバッテリー、エネルギーなど先端製造産業と新技術分野では、韓国の関連産業に機会と挑戦が同時に訪れる可能性がある。バイデン氏は、クリーンエネルギー(自動運転車やバッテリー、再生エネルギーなど)の拡大やグリーンインフラに計2兆ドルの大規模な投資計画を発表した。特に、半導体を産業だけでなく国家安保に欠かせない要素として考慮し、米国国内で安定的なサプライチェーンの復元を進めている。サムスン電子やSKハイニックスが米国現地投資を増やす方向で戦略を立てるかどうかに注目が集まっている。しかし、バイデン氏は「米国人による米国国内製造」を掲げており、半導体とバッテリー分野の韓国企業にとっては厳しい挑戦になり得る。環境にやさしいエネルギーと密接なバッテリー分野も、自国内生産のためのインフラ支援を拡大する予定だ。特に、米労働者らが製造した次世代バッテリー技術を活用するという基調の下、バッテリーから電気自動車の生産に至るまで、「米国国内産業の復元」を叫んできた。バッテリー世界1位の韓国企業にとっても、米国企業の挑戦が激しくなる見通しだ。

■「バランスの取れた産業政策で対応すべき」

 バイデン氏の産業政策が積極的な財政支出を前提としているため、米国市場で韓国企業の投資・輸出が増えるという期待も高まっている。バイデン氏は、米国政府が4000億ドルの公共調達で鉄鋼やセメント、コンクリート、建築資材・装備の購入を拡大し、人工知能や量子・高性能コンピューティング、5G・6G、新素材、半導体・バイオ技術などに3000億ドルを投入することにした。しかし、これらの実行には大きな不確実性が伴う。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)へ対応と長期的景気低迷による財政悪化が続く中、大規模な財政支出の実行が難しくなる可能性もあり、優先順位の再調整もありうる。政府調達製品の場合は米国内の生産部品が50%以上含まれなければならないというバイ・アメリカン法や、一部軍事関連物品は100%が米国国内で生産されなければならないという国産法(「Berry Amendment」)などを考慮すれば、韓国企業のチャンスは制約を受ける可能性もある。産業研究院は「バイデン時代に韓国企業は個別企業だけでなく、企業-通商-技術部門を統合したバランスの取れた産業政策で対応する必要がある」と指摘した。韓国の企業・産業としてはトランプ時代に比べてさらに複雑で重層的な戦略を練らなければならない状況に陥る可能性があるという話だ。

■米国現地へのオフショアリング圧力が強まる可能性も

 トランプ時代に続き、米国内生産品に対する要求が依然として拡大すると予想されるため、韓国企業としてはオフショアリングを通じた米国現地進出を真剣に考慮しなければならない状況に直面する可能性がある。これによって、韓国の産業に一部空洞化現象が生じる恐れもある。バイデン氏もトランプ氏に続き、中国の先端産業と技術に対する牽制をはじめとする脱中国の加速化、米国産製品優先主義、米国を中心としたバリューチェーンの再編を掲げている。ただし、安全保障問題に関する先端産業および技術部門に限定され、一部緩和された形で米中経済・産業の対立が続くものと予想される。先端産業の場合、韓国は米国の同盟国としてバリューチェーンの構築に参加する機会が拡大する可能性がある。半導体など主要な新技術分野における技術・生産協力の拡大も期待される。しかし、中国との貿易依存度が高い韓国の現実から、バイデン時代にも米中対立による困難な状況に直面するものと見られる。産業研究院は「韓国企業はバイデン氏が近いうちに発表する初期の産業政策の優先順位を綿密に把握し、対応しなければならない」とし、「特にバイデン氏の産業政策に対抗する中国の対応措置、それに伴う不確実性の拡大が避けられない」と述べた。
チョ・ゲワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)