王の居所を展示館にした日本…
格下げされた昌慶宮の古写真を見ると
登録:2020-11-26 03:54 修正:2020-11-26 08:37
格下げされた昌慶宮の古写真を見ると
登録:2020-11-26 03:54 修正:2020-11-26 08:37
国立古宮博物館ホームページに希少なガラス乾板写真16点が公開
日帝強占期に李王家博物館に転用された昌慶宮明政殿内部の展示。仏教の守護神「八部衆像」が彫刻された新羅時代の石塔基壇面石や金銅仏像2体などが見える。石塔の面石の前に所蔵品番号のような表示と定規が置かれた状態で写っており、所蔵品管理用の写真と推定される//ハンギョレ新聞社
ソウル都心にある主な古宮のうち、昌徳宮(チャンドックン)に隣接する昌慶宮(チャンギョングン)は、日帝強占期(日本の植民地時代)に権威が地に落ちるという屈辱を味わった。動物園と植物園が作られてからは昌慶園という遊園地に格下げされ、1909年~1938年には日本が李王家博物館を運営し、宮廷とは何の縁もない古代朝鮮半島と中国の仏教遺物が宮殿内に大量に展示されてもいた。
昌慶宮が李王家博物館として使用されていた時代に、宮内の宮殿内部で中国の遺物や仏教遺物が展示されている場面などを撮影した希少なガラス乾板写真16点が、国立古宮博物館ホームページ(gogung.go.kr)で25日から公開されている。ガラス乾板写真とは、ガラス板に液体の写真乳剤を塗り、乾燥させて得られる写真だ。20世紀初頭に白黒写真フィルムの代わりとして使われ、近代期のこの地の文化遺産の姿を収めたものが大半となっている。
昌慶宮明政殿裏の縁に展示中の石造遺物を収めたガラス乾板写真。奥に興天寺銘銅鐘や石造仏像などが見える//ハンギョレ新聞社
昌慶宮の宮殿内部に高句麗壁画古墳の構造を再現した模型が設置されている様子。模型の内部に描かれた壁画は江西大墓の玄室西壁の白虎と推定される。専用展示場ではない宮殿に作為的に模型を詰め込んでおり、一目見ただけでも異様な感じを受ける//ハンギョレ新聞社
公開されたガラス乾板写真の中で特に目立つのが、昌慶宮の中心となる建物である明政殿(ミョンジョンジョン)の内部の展示場面だ。仏教の神である八部衆像を刻んだ新羅時代の石塔基壇面石と金銅仏像を並べた写真、中国の仏碑像(仏像の形状を浮き彫りにした碑石)を強調した写真などが見られる。具体的にどの建物なのか分からない宮殿の内部に、高句麗壁画古墳の構造を再現した模型を設置した写真もある。模型内部に再現された壁画は、平安南道にある江西大墓(カンソデミョ)の玄室の西壁に描かれた白虎像と推定される。権威ある宮殿に作為的に模型を詰め込んでいるため、一目見ただけでも異様な感じを受ける。王室の尊厳漂う昌慶宮の宮殿を、大衆の目にさらされる展示室へと格下げした当時の状況を克明に物語っている。どの写真も、遺物の番号と大きさ測定のための定規が写っており、李王家博物館の所蔵品管理業務のために撮影された可能性が高い。撮影時期は、李王家博物館がガラス乾板写真に写る中国仏碑像を入手した1916年~1938年と推定されている。
国立古宮博物館は「李王家博物館の所蔵品を撮影したガラス乾板約7000点のデジタル化作業と内容確認作業を終えた」とし「全国の博物館所蔵品を検索できる『e-ミュージアム』に、来年中にガラス乾板写真の全ファイルと詳細情報を公開する計画」だと明らかにした。原本の写真ファイルは誰でもダウンロードできる。
ノ・ヒョンソク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )