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2012-01-21 | 投稿
〈本の紹介〉 「あんぽん--孫正義伝」 佐野眞一著

波乱と被差別と反骨と


正月に著者から送られてきた本書を一挙に読んだ。孫正義氏には、ソフトバンクの創業者、情報革命の世界屈指の成功者、「反原発」の旗頭的存在…とキラ星のような肩書きがある。だが、本書を読めば、そんなことよりも、今から一世紀前、植民地下の朝鮮・大邱で食い詰め、命からがら難破船で対馬海峡を渡った一族の波乱と被差別の血と涙の歴史が、胸に迫ってくる。

孫家の1世の日本でのスタートは筑豊炭田の゛地の底゛から始まる。また、日本のエネルギー産業盛衰の激流に呑み込まれ、過酷な労働に従事させられた2世である叔父の1人は、福岡県嘉麻市の三井炭鉱で命を落とした。そして、3世の孫正義氏は豚の糞尿と密造酒の臭いが充満する佐賀・鳥栖駅前の朝鮮で誕生する。そんな極貧の家に生まれ、ことあるごとに理不尽な差別を体験してきた孫氏。本書には著者の質問に答えて、孫氏のこんな言葉が吐露されている。

例えば、拉致問題にも触れながら、「でも過去には、それのずっと大規模なことを日本がやったんです。私たちの先祖は、何万人規模で強制連行されてきて、炭鉱や鉄道づくりに働かされたんです」

「日本の軍部の人たちや、その手下になった韓国の人たちが、突然、村にやってきて、銃で脅かされて、泣きながら連れてこられた。それって、いまふうの言葉に直せば、拉致じゃないですか」

本書の物語性は、昨年死去した米アップル創業者のスティーブ・ジョブズの生涯にも負けないほどドラマチックで、面白い。大げさにいえば、まばたきする間もなく、最後のページが来てしまう。

世界的起業家として名声をほしいままにしているにもかかわらず、ネット右翼からは執拗に、「在日は早く朝鮮に帰れ」などという品性下劣で、差別意識むき出しの罵詈雑言が飛び交う日本。それは中学時代、孫少年の旧姓「安本」を「あんぽん」と呼んで侮蔑した頃と何にも変わっていないと著者は憤る。

言われなき差別に歯を食いしばって耐えて、抵抗し、生き抜いた無数の在日朝鮮人の歴史。国籍を変えたとはいえ、ここにもまごうことないその典型がある。

( 朴日粉 2012-01-19 16:23:58 )


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