北東アジアの平和と協力のための共同宣言
(平成27年11月1日)骨子
(平成27年11月1日)骨子
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11月1日(日曜日)午後2時頃から午後3時30分頃まで韓国・ソウルにおいて第6回日中韓サミットが開催されたところ,概要次のとおり(出席者:安倍総理大臣,朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領(議長),李克強(り・こくきょう)中国国務院総理。また,岸田外務大臣,尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官,王毅(おう・き)中国外交部長他が同席。)。なお,会議終了後,「北東アジアにおける平和と協力のための共同宣言」並びに「環境協力に関する共同声明」「経済・貿易に関する共同声明」「貿易円滑化に係る関税協力に関する共同声明」「農業協力に関する共同声明」及び「教育協力に関する共同声明」が発出された。
北東アジアの平和と協力のための共同宣言 骨子
【前文】
3か国協力は、3年半ぶりに開催された今次サミットで完全に回復。
歴史を直視し、未来に向かうとの精神の下、関連する諸課題に適切に対処すること、また、二国間関係を改善し、3か国協力を強化するために協力することで一致。
【本文】
1 北東アジアにおける平和と協力の実現
日中韓サミットの3か国における定期的な開催を再確認。約20の閣僚級メカニズムを含む50以上の政府間協議等をより積極的に推進。
日中韓協力基金の創設は、3か国協力プロジェクトの進展のために有用。
第4回日中韓防災担当閣僚会合での進展を歓迎し、日中韓防災机上演習(TTX)の成功を評価。日本による「世界津波の日」制定提案を踏まえ、津波対策につき啓発を実施。
2 共同の繁栄のための経済的・社会的協力の拡大
第10回日中韓経済貿易大臣会合の成果を支持し、「サプライチェーン連結性向上のための3か国協力」の開始を歓迎。
包括的かつ高いレベルのFTA実現のため日中韓FTA交渉の加速に向け一層努力。
第2回日中韓農業大臣会合を歓迎。
3 持続可能な開発の促進
「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の正式な採択を歓迎。
第17回日中韓環境大臣会合(TEMM)で採択された「環境協力に係る日中韓三か国共同行動計画(2015年-2019年)」を歓迎。
第21回国連気候変動枠組条約締約国会議において、法的拘束力があり野心的な、全ての締約国に適用される合意に向けて協力。
4 市民間の信頼と理解の向上
日中韓ユースサミットなどの青少年交流プログラムを継続。
2018年の平昌冬季五輪、2020年の東京夏季五輪、2022年の北京冬季五輪等を念頭にスポーツ交流を促進。
3か国の人的交流の規模を2020年までに3000万人に増大させるように努力。
5 地域・国際の平和と繁栄に対する貢献
朝鮮半島における核兵器の開発に関連する国連安保理決議や六者会合共同声明が忠実に実施されるべきとの認識を共有。緊張を引き起こすいかなる行動にも反対。意味のある六者会合のため共同の取組を継続。
G20サミット、APEC首脳会議、ASEAN+3首脳会議、東アジア首脳会議の成功に向けて緊密に協力。
ASEAN中心性への支持を再確認し、2015年のASEAN共同体創設、RCEP交渉妥結を含む東アジアの経済統合に向けて共に取り組む。
東アジア首脳会議10周年記念宣言の採択を期待。
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第6回日中韓サミットへの出席のために韓国・ソウルを訪問中の安倍総理は,11月1日(日曜日)18時30分頃から約1時間,李克強・中国国務院総理との間で日中首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおり。
1 日中首脳会談
(1)さらなる日中関係の改善に向けた双方の政治的意思と改善の方向性の確認
会談において,両首脳は,日中両国が地域と国際社会の平和と繁栄に大きな責任を有していること,その上で,現在,日中関係は改善の方向にあるが,この勢いをさらに強めていくことが必要との認識で一致した。 そして,日中「戦略的互恵関係」に基づく更なる関係改善の方向性として,双方は以下の点を確認した(注:日中間で文言を調整したものではなく,大きな方向性として一致したもの)。
(ア)互いに前向きな政策をとり,関係改善を共に推進すること。
(イ)過去の日中間の合意に基づき,懸案に対処していくこと。
(ウ)特に,「協力のパートナーであり,互いに脅威とならない」という2008年の日中共同声明での合意を具体的な政策に移していくこと。
(エ)経済を始め各分野の交流と協力をさらに強化していくこと。
(2)具体的な成果
両首脳はさらに,今次会談の具体的な成果として,以下の点で一致。
外相相互訪問の再開。これを含むハイレベル交流の重要性の確認。
日中ハイレベル経済対話の来年早期の開催。
防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始に向け,互いに積極的に努力していくこと。
東シナ海資源開発問題に関し,「2008年合意」に基づく協議再開を目指すこと。
経済・金融分野の協力を深化させること。
(3)これ以外にも,両首脳は,日中関係の抱えている諸問題について意見を述べ,率直な意見交換を行った。
2 日中外相会談
首脳会談に先立ち,同日7時45分頃から約1時間,岸田大臣と王毅外交部長の間で日中外相会談が行われた。この会談では,その後の首脳会談の準備を含め,日中関係のさらなる改善に向けた率直な意見交換が行われた。