羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

知らないうちに  FREE  慣れ!

2010年01月16日 08時57分43秒 | Weblog
 昨年末、はじめてのお宅訪問で、Googleの世話になった。
 便利だ。実に便利だった。
 最寄の出発駅ホームで電車を待つ間、iPhoneから地図をさまざまに活用した。徒歩の場合は1時間半もかかるということまで教えてくれる。そして先方の住所から家の写真まで見られたから何の苦もなく到着した。
 それだけではない、新しい分野の情報を得たいとき、以前ならば書店に出向いたり図書館にいったり、知っていそうな知人に相談したり、古本屋の店主に助けてもらったりしなければならなかった。今では自宅のパソコンからネット検索で当たったり、持って出たiPhoneを使って先々で検索したりするうちに、品のない言い方だが目星がつく。それからどうするかの判断は、非常に早く楽にできる。驚くなかれ、得られる情報の殆どが‘FREE’の世界だ。
 
 また授業やレッスンで使う資料に関して、学生には著作権云々を言っておきながら、自分自身がときに忘れることがある。むしろ私の本だって、ネット公開してもらってもいいと思うくらいだ。
 いまやネットで受ける便利さから逃れられない。
 新聞とて同じ。ネットで読めるものはそれで十分でわざわざ購読料を払うのが勿体なくなる。確かにパソコン上で読みにくい内容の記事もある。私にとっては日経新聞だ。相変わらず文字は小さいままだが、早朝に届くこの新聞は、頭がすっきりしているうちに読む習慣がついている。冬の寒い朝、届けられられると有難いとすら思えるのだ。更に詳しく知りたいときには、サイトをたずねる。個人情報を先方にあげるのと引き換えにネット上で読むものはFREE‘タダ’である。ところが不思議なことに日経新聞に関してはどの新聞よりも高い購読料を払っていても勿体ない気分はしない。
 この心理のカラクリはいったいなんだろう、と首を傾げているものの、まぁ、価値とはそういう質のものだ、と自覚を促されたのがクリス・アンダーソン著『FREE』である。
 
 別の話だが、商売は素早い。すでに九州では航空料金をタダにして、中国から旅行者を呼び込んだり高度先端医療を受ける人を招く地域活性も模索しているとか。
 他にもネット取引の銀行利息が高いとか、株取引もネットで行えば手数料が安くなるのは定着している。
 もはや従来の価値観は、生活を支える根底から変革していくが感じられる。
 あと五年、いや三年後はどのような世界になっているのだろう。
 振り落とされないようにパソコンやネットの尻尾にぶらさっているオバサン(?)そろそろオバアサン世代の私も、「タダほど恐いものはない」と唱えながら、‘FREE’に知らないうちに慣れ始めているしー、と語尾を長くしている。
 そうだよ、職業観も換えなきゃいかんよなぁ~、とオジサンたちの溜め息も聞こえる昨今である。
 いまや‘Googleが中国撤退’のニュースが大きく扱われる時代に生きているのだ!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする