羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

ガイダンスで「野口鞭」

2009年04月14日 18時56分02秒 | Weblog
 大学の最初の授業は、一応ガイダンスになっている。
 今年は、初っ端から「野口鞭」を学生に披露した。
 袋から取り出して見せたときには、ほとんどの学生がと戸惑いを隠すために笑うのだ。
 説明をし、音を鳴らし、また説明をするうちに、真剣に向き合ってくれるようになる。それには時間はそれほどかからない。
 殊に、スポーツにおける「むち動作」について説明を加えると、すっかり笑いは消えて、「なるほど」という頷きに変化する。

 科学的視点、あるいはスポーツとの関連から話をすると、学生は信頼してくれる。現代人にとって‘科学信仰’の度合いは老若男女を問わず相当に強い。
 それでも‘野口鞭’は、科学を超える力がある。
 
 因みに『マッサージから始める野口体操』に載せた鞭の写真は、300枚以上撮影したなかの一枚だ。あのとき100回は鞭を鳴らした。
 朝日新聞社の地下にある天井も高く自動車の撮影も可能な広々したスタジオで鳴らした。大変気持ちがよかったことを思い出している。

 先生から空中で円を描く鳴らし方を最初に教えてもらったのは、かれこれ20数年はたっているのではないかと思うが、正確な時期は忘れてしまった。
 しかし、鞭の鳴らし方は忘れてはいない。
 からだにはリズム感と方向を換えるタイミングが刷り込まれている。
‘からだが覚える’とは、表の意識とは別の領域に組み込まれていくらしい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする