羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

幻の博士号

2006年12月30日 19時02分39秒 | Weblog
 今朝、テレ朝の「やじうまプラス」を見ていた。
 産経新聞の記事らしいが、エジプト学の吉村作治さんが、博士号を30万で買ったとか。
 教授になるには、「何はなくとも博士号」というわけだ。

 実は、私にも、その手の話がおこったことがある。
 ある日のこと、海外からのビジネス特急便が届けられた。
 ドキドキしながら封を開けると、アメリカの大学の学長からの手紙が入っていた。
 学長は日系二世らしい。
 文面を読むと、この私に博士号を授与するということだった。
 2004年に春秋社から出版された『野口体操・ことばに貞く』を博士論文として認めることが、教授会の全員一致で決められたという。そこで、博士号を取得したいのなら、○月○日までに、日本にあるサテライト事務所で手続きをして欲しいという内容だった。
 その時、ピンときましたね。
「お金だ!」

 その手紙を受けとって、数日後、なんと日本の事務所の所長さんと名乗る人から電話が入った。手紙にもそう書いてあったのだが。
 その前に、その大学のホームページを見てあった。大学はその州に存在していることは確からしい。
 そしてアメリカの大学が、すでに日本にサテライト教室を3箇所ほど開設しているらしい。それも確認した。
 さらに大学を日本でも開校するために、日本人の教授を作らなければならない事情があった。

「私どもで博士号を差し上げますので、今後、一緒に活動をしていただきたい」
 手紙の内容と同じ趣旨の話を、その所長さんは語った。

 昔から博士号をお金で買う話は絶えない。アメリカの大学では、その大学に通わなくても授与する大学もあることは聞いていた。
 そこで、こう答えた。
「ありがたいお話ではありますが、この本は、博士論文として書いたものではありません。今回は見送らせてくださいませ」
 丁寧にご辞退申し上げた。
「それは残念でございますねェ~」

 半年ほど過ぎて、ある大学の教授にこの話をした。
「いただいておけばよろしかったのに。ただ、大学によっては、教授一人につき百万、だいたい教授10人くらいが教授会で承認しますから……」
「まぁ、お断りしてよかったわ。フフフッ」

 さらに、他の大学の専任講師をなさっている方にも、忘年会の席で冗談交じりに話をした。
「私は、お金を出しても、欲しいわ!」
 ですって。

 地獄の沙汰も金次第。
 やっぱり、貰っておけばよかったの、作治さん?
 
 ふふふふ、ふ~っ。
 生きていると、いろんなことがあるものだ!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする