「人を殺してみたかった」
ノンフィクションライター・藤井 誠二著
愛知県豊川市主婦殺人事件
2000年5月1日、愛知県豊川市の主婦(64才)が、自宅に侵入した
17才の男子高校生に、刺殺された事件。
私立高校に通う高校3年生で、「人を殺してみたかった」と、動機を
明かした。
人を殺す体験を、どうしてもしてみたい。
人の死をどうしても見てみたい。
自分で「人間の死」を確認してみたい衝動を、抑えることができなく
なっていた。
人を殺すという体験は終わった。殺される人のその死の瞬間、
殺人行為が行われる、その場の雰囲気も体験できた。
悪いことをしているのに、許されないことをしているのに、という
スリルもいやというほど味わった。
でも、これといって得るものがない。
人を殺すことは、けっして気分のいいものじゃないな、とXXXXは
反芻(はんすう)していた。
取調べの動機について
「人を殺す経験をしようと思ってやった」
「人が物理的に、どのくらいで死ぬのか、知りたかった。また、
人を殺したとき自分は、どんな気持ちになるか、知りたかった。」
小学生のころ、死に対して興味を持ったといい、「自分はこれを
やるんだと決めたら、実行するタイプ」とも述べた。
老人を選んだ理由
「若者よりは、年金関係で、社会のお荷物になっている老人が
いいと思った」
と供述調書のなかで、はっきり述べている。
医学的知見に基づいて考察すると、少年の症状は
高機能広汎性発達障害
(あるいは、アスペルガー症候群)
アスペルガー症候群とは、簡単にいえば
「自閉症マイナス言語障害」である。
自閉症は、社会性の障害と、コミュニケーションの障害と、想像力
の障害および、それに基づく障害の3っを基本症状とする。
このうち、コミュニケーションの障害の部分が、軽微である。
(ただし、まったくないわけではない)
言語障害の遅れは少なく、知的には正常である。
(アスペルガー症候群の子供の知能は、
平均的あるいは、平均的以上である。)
18才女性の投書より
この少年の場合、冷酷であるばかりでなく、“人間らしさ”が感じら
れない。人をまるで生物の実験材料のように扱っているみたいだ。
頭脳ばかり発達して、なんでも、理屈で考えようとしているから、人
としての大切な思いやり、心の豊かさ、暖かさが欠けてしまっている
感じがする。
少年審判は、すべてが非公開で進められて、被害者にさえも、情報
の提供はない。これは、加害者の少年の保護、更正が優先されるから
である。
*** 文中より ***
この本を書くにあたっての著者が、多くの専門家の方々の、
ご協力を得て、事件の取材にあたられたご努力は、大変なもの
であったと思います。
ここまで、目を通されて下さった方々、その人、その人で
受け取り方は、いろいろあるかと思いますので、あえて、私の
感想は書かないことにしました。
多くの殺人事件などは、TVのニュース、新聞等でしか知りえない
内容だけでしたが、この本で、詳しい内容を知った訳です。
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ウオーキング~40=5,050歩