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<ピーヒョロロロロ・・・・と鳶が鳴いている。>
先日、京都に行った時のこと。鴨川縁を酔い覚ましに歩いていると、
ピーヒョロロロロ・・・・
という鳥の声が聞こえた。大宮から都内往復の普段の生活では聞きなれない鳴き声だ。四方を見渡すと屋根のアンテナに犯人(?)はいた。鳶だ。普通トビだがトンビとも言う。タカ目タカ科の鳥で、日本人にはもっとも馴染みのある猛禽類だそうだ。「トンビがタカを生んだ」という諺があるが、トンビはもともとタカなのである。トンビにすれば「失礼な!」というところであろう。
そういえば、もう少し上流で鴨、鷺、ゆりかもめなどにエサを巻いている人達がいたが、上空から鳶が急降下してきて、ゆりかもめなどを蹴散らしてエサを確保していた。鳶は非常に警戒心が強い鳥なのだが、人に慣れると人の持つ食べ物を狙ってくるという。「トンビにアブラゲをさらわれた」というのは鴨川あたりでは現実らしい。もっとも、現代人はアブラゲを食べながら歩きはしない。狙われるのは肉まんやハンバーガーだそうだ。
上流でゆりかもめを蹴散らしていた鳶が屋根のアンテナで翼を休めて
ピーヒョロロロロ・・・・
と鳴く。その音(ね)は、午後の冬の陽が鴨川の川面を輝かせる風情とともに、小生にはまことに“みやび”に感じられたのである。