みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

人類の85%の「新世界」

2022-06-25 12:36:35 | 国際・政治
ジョセフ・スティグリッツ博士(1943~ 米コロンビア大学教授 ノーベル賞経済学賞2001受賞者)が、「アメリカは中国&ロシアを相手とした新冷戦(覇権争い)に負けるだろう」と語った。遠藤誉(えんどうほまれ1941~ 中国問題グローバル研究所長 筑波大学名誉教授)のサイトで知った。

このサイトで遠藤誉は、博士のコメントを理解しやすい構成で紹介し、解説を添えている。実に明快な内容だ。以下にその一部を抜粋する。

アメリカは他国に「アメリカ流の民主主義」を押し付け、「戦争ビジネス」と連携しながらそれを実行している。

「アメリカに追随せず」「対ロ制裁を行わない」非西側諸国=人類の85%は、「新世界」を形成しつつある。
アメリカを筆頭とする西側先進諸国は、この「人類の85%」を「下等人種」と見なす傾向にある。日本もその例外ではない。

中国が経済的に米国を凌駕することは、如何なる公的指標を使用しても避けられない。
2015には既に購買力平価でアメリカを上回っている。

満州国生れの遠藤誉は幼時、毛沢東の中国共産党軍による長春(満州国の首都=新京)包囲作戦=食糧封鎖に遭い、累々と続く餓死体の上を彷徨い、家族からも餓死者が出た。この地獄の体験が原点だという。であれば、中国共産党への憎悪・怨念は底知れず、中華人民共和国の全てを否定する立ち位置にあるのだろう、と私は思い込んでいた。浅はかで愚かで恥ずかしい思い込みだった。

遠藤誉に善玉対悪玉論は無縁だ。
なぜ人類は愚かしく悲惨な戦争を繰り返すのか、その原因を事実に即して探究し、知らしめる、その知的エネルギーに私は驚嘆し、感謝している。