みつばやま小零庵だより

宇宙の塵、その影のような私ですが、生きている今、言葉にしたいことがあります。

美智子さま講演録

2022-04-10 13:44:23 | 文化
上皇后美智子さまが1998年9月、ニューデリーでの国際児童図書評議会世界大会に寄せたビデオメッセージの全文を、東京新聞が全9回で紹介してくれた。毎回、心がしみじみと潤うような内容だった。



読書は、人生の全てが、決して単純ではないことを教えてくれました。私たちは、複雑さに耐えて生きていかなければならないということ。人と人との関係においても。国と国との関係においても。

上記に引用したのは、講演録の最終部分である。私たちは、「複雑さに耐えて生きていかなければならない」というメッセージにハッとした。松村圭一郎(1975~ 文化人類学)が「ウクライナ侵攻と人類学的思考」と題して寄稿した記事の最終部分と(23年半の時間差があるが)深く響き合っていることに気付いたから。その部分をもう一度、下記に引用する。

信じがたいことが起き続けている。そんな映像や情報は私たちを不安にさせる。そこで不安から逃れるために、わかりやすい構図に現実を押し込めようとしていないか。私たち自身も問われている。