「ロック」は死に絶えてつつあるのだろうか。
・・・もしかしたらそうなのかも知れない。
それならそれで、しかたのないことだけれど。
何せ、産まれたのは1950年代だからね。
「ロック」という価値観が
危険なほど輝いていたのは多分、
1960年代後半なのだろう。
でも俺がまだ十代だった頃はまだ
じゅうぶんに「ロック」は危険っぽくてかっこよかった。
不穏な感じ、不健康な感じ。
一触即発、すべてをひっくり返せそうな匂い。
そんな「感じ」がありありと存在した。
手にとって触れることすら出来るような気がしていた。
そういうのって今はもう、
嘘みたいに「ない」。
多くの音源の中に、確かに封じ込められてはいるものの。
いろんな物事が
年月という川の流れに洗われてしまうみたいに
抜けていった。
サイダーから炭酸が抜けていくみたいに
しゅわしゅわと。
でもそんな時代に生きることが出来て良かった。
ロックのあの「不穏な感じ」は、
薄灰色だった日常を10000倍くらい
面白くしてくれたから。
そんな「感じ」はもう二度とないような気がしているんだけれど、
予測を裏切って、
戻って来てくれたら嬉しいんだけどな。
俺はあれで初めてボケロウと知り合ったんだよ。「生意気な奴」と思った(笑)。
懐かしいことを思い出させてくれてありがとう。