魂の総合小説(「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んで。)

2013-04-18 17:34:12 | Weblog

今日もダンプでAMラジオのニュースを聞いていた。

FM放送はくだらないJPOPばかりかかるのでついに見限った。

NHK-AM、先週の今日から聴き始めたのだけれど、その日の

パーソナリティは水道橋博士で、ゲストは怒髪天、増子直純だった。

すごい偶然。

断然、AM好きになってしまうよ。

増子は2時間くらい、ずっと出っぱなしだったのだけど、

すごく面白かった。俺はダンプの中でずっと爆笑していた。

ふふふ。俺が知ってる話も多かったよ。


さて、

今日のニュースで言っていたのは

先週発売の村上春樹の新刊が今日で100万部を突破したとか。

俺は昨日、読み終えたところ。

今回のは、良かった。

「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

というタイトルなのだけれど、

今回は上・下巻とかではなく一冊だし(長すぎないほうが、いいのだ)、

内容もずっしりと重く、リアルな手触り。

「1Q84」とは大違いだ。

しかし、こんなヘヴィなのを100万人もの人が買ったのか。

それはすごいことだし、きっといいことだ。

買った人全員がちゃんと最後まで読むのかどうかわからないけど。


知らない人のために言っておくけれど、

俺は「初期の村上春樹ファン」である。

高校生の時に一作目の「風の歌を聴け」から読み始めた。

まだ、「羊をめぐる冒険」が出たばかりだった。

1982年か?それくらいだ。

村上春樹なんて、誰も知らなかった。

本当に、本当に。

「サブカルチャー」みたいな感じだったんだぜ。

まあ、今となってはそんなの、どうでもいいけど。


さて、「魂の総合小説」というのは、春樹さん自身が以前に、

自身のホームページか何かで

ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」のことをそう評していた言葉だ。

俺はドストエフスキーに関してはまだ「地下室の手記」しか読んでなくて

言及できないのだけれど、

今回の「色彩を・・・・・」は、ドストエフスキー抜きでも

「魂の総合小説」と言っていい、というような代物だと思う。

そんな風に言いたくなる感じ。いろんな要素が入っている。いろんな感情も。

偶然だろうけど、「色彩を・・・・・」の中に、

ロシアもフィンランドも白夜も出てくるし、サンクトペテルスブルグっていう

地名も出てきた。

今回はストレートに、ドストエフスキーを意識してるのでは?

なんてね。嘘。・・嘘じゃないけど、わからない。


提出された「謎」がまた、放っておかれたまま終わってる、という

批判がまた出るかもしれないが、

人生なんてこれくらいの「放っておかれた謎」は、つきものだぜ。

この新作は今後きっと、何度も読み返すだろう、という予感。

最近は朝三時起きのせいで、ほとんど本など読めなかったのだけれど、

久しぶりに読んだ本がクオリティー高くて良かった。




さあ、飯食って寝よう。






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2 コメント

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俺も (Shuji4443)
2013-04-19 01:35:17
村上春樹のファンですよ。当時は村上龍も好きだったね。感覚だけど、村上龍はストーンズ、村上春樹はビートルズ、なんて分け隔てしてた(笑) 忙しくて、1Q84も最新作も読んでない… 文章でROCKを感じ取っていたんだなぁと・・・
って、懐かしんでたらダメだね
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おお! (片山道郎)
2013-04-19 16:13:01
そうやったんや!そのことで話、したことなかったよな?
「1Q84」はいろんな意味で、失敗作だったように思う・・・。
村上龍・・・・長いこと読んでないなぁ。
世間の批判と皮肉とグチと自慢ばっかりで、ある時期からもう読まなくなったよ(笑)。
春樹さんはその点、真摯に書き続けてると思うな。
新作も読みやすかったから、オススメやで!
返信する

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