山間部・・・と言うのか、「里山」と言うのか、
そういう、関西の山あいの地域をクルマで通るのだ、ここ2年くらい。
僕は関西に住みだしてからもう30年以上になるのだが、
一昨年以前はそういう、山あいの地域に全然縁がなかった。
だから全然知らなかったのだが・・・・・・・・・・・・・美しい。
今の仕事になって、関西の色々なところにトラックで行く。
高速道路ももちろん、ばんばん使うが、使わずに遠方へ行くことも多い。
そういうときに近畿各地の「里山」近辺を通る。
とても楽しい。
観光ドライヴをしているような錯覚に陥ってしまうことがある。
特に、今の時期の木々の紅葉は、圧倒的に美しい。
美しすぎて、その「意味」について考え込んでしまうくらい。
そろそろ紅葉も終わりかけで、鮮やかな色彩が少しずつ薄れていきつつあって少し寂しいのだが、
それでも美しい。
寂れてゆく美、みたいな。
京都から国道9号線をどんどん進んで行くと着く、福知山の辺りとか、
さらに日本海方向へ進んで、、豊岡とか。丹後も。
舞鶴の古びた街の情緒も素晴らしい。港も、海も。日本海って、独特だよね。
もしくは、亀岡から「デカンショ街道」を姫路方面に向けて進んだときに通る、丹波篠山。
深い、深い、山。
遠くに見える山あいの、頂上部がうっすらと雪をかぶっている光景は荘厳でもある。
そして京都にもっと近い、信楽のあたりの森も、鬱蒼とした重い雰囲気があって、
僕は勝手に「ボヘミアの森」と名付けて呼んでいる。
あのへんは常緑樹も多くて、ヨーロッパの森を連想させるから。
狐の夫婦を目撃したのはそのボヘミアの森だ。
一人で川遊びをしている小鹿を一瞬だけ見ることが出来たのは豊岡の森だ。
奈良を通って和歌山に向かうときに、五條とか橋本とかも通る。
この辺も好きだ。ただ山だけがある。山と、空と。
あと、和歌山と大阪の県境あたりの、犬鳴山が好きだ。
素晴らしく深い森。ここはじつは関西でも指折りの心霊スポットなのだそうだ。
確かに・・・・名前が怖いよ。犬鳴山なんてね。
でも、昼間行けば爽やかで、切ないくらいに美しい山だ。
あと、どこだっけ、そうそう、川西市の山のほうにある一庫ダムの近辺も、
見とれてしまいそうなくらい美しい。
湖面に靄がかかって、とてもとても幻想的な時がある。
通るのはいつも大体、明け方くらいの時間帯だから本当に、
目が眩みそうなくらい綺麗。
こういう、「里山」で暮らせたら良いなあ、などと夢想してしまうこともある。
そういうところで暮らしてる人々に、憧れを抱く。
農業・・・・・は、きっと過酷な労働なのだろうけれど、憧れてしまう。
僕なんかずっと「街」で暮らしてきたからそんなの無理かもしれないけど、
・・・・・・・土と共に暮らすのって、いいよなあ。
明日の目的地も、豊岡だ。
朝早いのが難だが(夜明け前に出発する)・・・・・・・・・・・・・美しいから良し、とする。