まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

気仙沼港めぐり

2007年01月14日 | 旅行記B・東北

3連休の最終日、気仙沼はよく晴れていた。

せっかくなので気仙沼の街を歩こうと思う。フロント氏に聞くと、魚市場は休みであるが、観光客向けの買い物スポット「お魚いちば」や「海鮮市場・海の市」は営業しているので、行かれてはどうかという。食事処もあり、そこならば昨夜食べられなかった海の幸に出会えるかもしれないとのことである。

P1080459 気仙沼駅は気仙沼線、大船渡線の交わる鉄道の要衝であるが、港からは山のほうに入ったところにある。てなわけで、港まで歩くと20分くらいかかる。古びた感じの商店街が続く。ただその中にも、大正か昭和初期のような昔ながらの風情を残す建物に出会ったりして、なかなか面白い。

P1080464 港に出る。落ち着いた佇まいを見せる。その名も「魚町」という一角。今は陸前大島行きのフェリー乗り場や、市営の大きな駐車場があるが、昔はここに魚市場があったそうだ。漁船がもやっているのを見て歩くうち、フロント氏の案内にあった「お魚いちば」に着く。朝8時過ぎだが開いていた。漁が休みなので鮮魚の数は少ないが、冷凍ものや加工食品はそれなりに揃っていた。そして、気仙沼と聞いて有名なのが、フカヒレ。フカヒレスープにフカヒレラーメン、フカヒレの姿煮など、市場の中で結構なウエイトを占めていた。

P1080468 その一角に「鮮」という料理屋がある。ここで朝食にしよう。というわけで、マグロの刺身に、オプションでカツオのハラス焼をつけた定食を注文。ようやく、三陸の海の幸に出会える。なかなかにボリュームがあり、うまかった。

P1080467 そして、もう一つ。そう、冬の味覚といえばカキを忘れてはならない。昨今のノロウイルスの風評被害で、カキの産地がダメージを受けているとか。宮城の松島、女川、陸前大島といったあたりは三陸のカキの本場。今回の旅の目的の一つに、「カキを必ず食す」というのがあったのだが、ここで「酢がき」に出会う。こういう時だからこそ、生に挑戦だ。粒は小ぶりだが、やはり身が締まっていてうまい。

P1080471「お魚いちば」を出て、中型の漁船が停まっている桟橋を歩く。漁船の後ろを見ると、気仙沼だけではなく、北海道の根室やら小樽やら、あるいは日本海側の高岡とか、またよく見ると静岡とか、あちらこちらの地名が記されている。漁業の仕組みはよくわからないが、いろいろな地方の漁船が潮の流れに沿って操業し、気仙沼で水揚げするものもいるのだろうか。また乗組員は漁が休みの間はどこで過ごしているのだろうか。

魚市場は果たして休みである。何かの観光写真で、この市場一面にマグロが揚げられているかと思えば、サメが並んでいる絵もみたことある。マグロはともかく、サメの水揚げとなると国内のほとんどがこの気仙沼になるそうだ。そして、この市場に接して、「海鮮市場・海の市」がある。ここも海産物や加工食品などの土産物屋が林立し、観光バスなんかも横付けされて賑わっている。

P1080478 その一角で、生簀にこれでもかとカキやホタテが入れられている。それにしても殻が大きい。やはりこれを食べたい。

「持ち帰り?宅配?3日以内ならナマで食べられるよ」という店の親父に、「ここで食べさせてもらってもいい?」と尋ねた。一瞬ひるんだような顔をしたが、「保健所がうるさいんだけどなー。うーん、でもいいや、内緒で食べさせてあげるよ」と、カキをつまみあげて、ナイフを入れてくれる。「レモンは?」「一応かけてください。(・・・ってすぐ後ろにレモン汁のボトルがあるやん。結構ここで食べる人、いるんだろうな)」ということで差し出された、三陸のカキ。これをナマでいってしまう。

P1080477 先ほどの酢ガキで満足したのは早計だったかな。やはりこれが自然の風味だろう。本当、こういう時期だからこそ味わってほしいものである。

仙台で牛タン、女川でクジラ、そして気仙沼でカキ。今回の旅の目的は大いに果たすことができた。

さて、この「海の市」には二つの面白ミュージアムがある。まず一つが「氷の水族館」。よくわかったようなわからないような名前である。入口に行くと、コートで重装備のその上にもう一枚コートを羽織らされる。それで入口のボタンを押し、中に入ると・・・・そこは氷点下20度の世界。

P1080482 で、その「氷の世界」で目にしたものは、何と氷漬けにされた魚の数々。気仙沼のサンマに始まり、タイやらタラバガニ、マンボウなんてのも氷漬け。普通、水族館といえば水槽の中を魚が優雅に「泳ぎまわっている」ものだが、ここでは氷の中で静止画像のようになっている。何だかとんでもないものを見ているようだ。どうすればここまできれいに氷に閉じ込めることができるのだろう。見ていて不思議なスポットである。出口ではペンギンも閉じ込められていた・・・、あ、これは模型か。

P1080483 もう一つ、フカヒレの街・気仙沼を象徴するかのような「リアスシャークミュージアム」である。いきなりサメの中で最も恐ろしいとされるホホジロザメの剥製が口を開けて、見学者に喰らいつこうとしているのに出会う。サメの足下には、捕獲されたサメの胃袋から見つかったという牛の頭蓋骨やウミガメの頭などが転がり、人が襲われた事故の記録などが迫ってくる。やはり人喰いサメ、映画「ジョーズ」の世界そのものだ。

と、思ったところで、「しかーし」である。

「地球上でサメは390種類いますが、人を襲ったりするのはほんのごく一部です。皆さんサメに対して余計な恐怖心や誤解を持っているのではないでしょうか。このミュージアムでは、サメの持つ超能力や隠された生態を紹介することで、海の生態系の頂点に立つサメのことをもっとよく知ってもらおうというものです」というような内容の展示がこれに続くのである。一口にサメといってもいろいろな種類があり、卵生もあれば胎生もいたり、肉食もいればプランクトンを食っているのもいる。サメと海の生態系について面白く展示しているミュージアムである。

P1080486 最後に、海の生態系の頂点にサメがいて、それで終わりかと思いきや、「しかし、本当に恐ろしいのはサメではなく、人間なのかもしれません」というのがあった。なるほど、文明の発達とやらで、海の生態系そのものに大きな影響を及ぼしており、だから、海洋資源の活用と保護のバランスを考えなければということか。なるほど、話の筋が一本通ってますな。で、サメについての学習をした後で、早い昼食でフカヒレラーメンを食する。これで、気仙沼の港めぐりも無事終了。

P1080492「爆弾低気圧」の影響で今日も風が強く、気仙沼線の列車にも前日ほどではなかったが遅れが出た。昨日は暗くなったので見えなかったが、強風の区間はきれいな海岸であった。あとはこのまま列車を乗り継いで東京に戻るだけだ。

なかなか印象に残る、今回の港めぐりだった。(終わり)

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気仙沼線

2007年01月13日 | 旅行記B・東北

旅行記の続き。

P1070446 女川から石巻を経て、前谷地に至る。ホームに降りると風が強い。ここですぐ接続の気仙沼行きの列車に乗り継ぐのだが、駅の放送で、列車が遅れているという。気仙沼からの列車が小牛田まで行き、その列車が折り返してくるのだが、気仙沼からの列車が途中強風の影響で遅れているという。そこで駅の待合室でしばし待つことに。強風が窓を叩く。外の雲が流れていくのが早い。

気仙沼からの列車がようやくやってきて、小牛田に向けて出発していった。そしてその列車が折り返してきたわけだが、この時点で50分ほどの遅れ。

しばらく登米の平野部を走り、海岸に近づく。強風は相変わらずのようで、時速20キロくらいか、そのくらいトロトロと減速して運転する。遅れは徐々に広がっていく。木々が大きく揺れ、窓枠がガタガタいうのがよくわかる。乗客も「仕方ないな」という感じでおとなしくしている。

P1070451 途中の本吉駅着。この時点で1時間半以上遅れていたが、とうとうここで「強風のため抑止」となった。運転再開の目処はわからない。できれば日のあるうちに気仙沼線を乗りとおしたかったのだが、これで絶望となった。まあ、夜に一杯やるのにしかるべき時間に着けばいいかと、ボックスで横になって待つことに。この時点で乗客は10人もいなかったが、中には気仙沼に迎えに来てもらう予定だったのだろうが、「列車が止まったから本吉まで来てよ」と携帯電話で伝え、そのまま降りていった人もいた。

定時なら15時過ぎの発車なのだが、ようやく強風がおさまり運転再開となったのが18時。外の景色は見えないのだが、大谷海岸という駅名もあるくらいだから海が近いのだろう。そのため、海からの風をモロに受けたとか。ここもトロトロと走る。

結局、気仙沼には3時間の遅れで到着。結局気仙沼駅に降り立ったのは私一人だった。運転士、駅員とも恐縮しきりだった。

P1070453 今夜の宿は、気仙沼駅前のホテルパールシティ。確か以前はホテルサンルートだったと思う。一度泊まったことがあり、ホテル内の居酒屋で三陸の海の幸を楽しんだものだ。今日は列車が遅れたが、一杯やるにはちょうどよい時間にはなった。

ところが、フロント氏によると今日は休みとのこと。ほかの食事処の所在を尋ねるが、気仙沼の場合、日曜と祝日が魚市場が休みなので、地元の魚をメインで出す料理屋は軒並み休むとのこと。そういえば前に来たときは土曜日だったような気がする。また全国チェーンの居酒屋やファミレスも近くにはなく、それならば仕方なく、風の中を10分ほど歩いてコンビニの世話になる。コンビニなのでもちろん地元の魚を置いているわけはないのだが、気仙沼の地酒「両国」に「男山」の冷酒があったのでよしとする。

P1070456 先の記事にある、オリックス前川投手の逮捕を伝える手話ニュースを見たのは、コンビニから帰って、「両国」を湯呑みでやっていた時のことだった・・・。(続く)

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ハケンの品格

2007年01月12日 | ブログ

・・・というドラマをやっとるそうですな。昨年の流行語の「品格」という言葉を結びつけるようにして。

正直、ハケンって、その派遣先に対してどのくらいの気持ちというか、想いを持っているものなのだろうか。

スキル面その他では、正社員より優れているものを持っていると思う。正直、上司からすれば、ダメな大飯喰らいの正社員よりは、言われたことを言われたようにキチンとこなす人たちのほうがいいに決まっている。ハハ、私なんてその典型だろうな。

そう考えれば、ハケンって一番のスキル集団だし、自分の裁量や好みで職場を選べるし、いいもんですな。これぞ能力主義の実力主義に見合った雇用形態でしょう。・・・って、派遣会社の人は売り込むよね。

この記事でも派遣社員のことを書いたが、その人も、ウチの会社を離れてから、条件のより良い企業に登録して、そこで活き活きと働いているしね。何だかんだいって、ウチの条件が良くなかったんでしょう。あんな浪花節的に一人でウジウジ悩んだこと自体が、世間知らずのアホな思いやったね。ハケンの方々はもっとしたたかに生きてますよ。まあ、そんな移籍の自由が効くのが、派遣制度のよいところでしょう。労使双方にとってね。雇用形態の不安定がどうとか言われているけど、実際は引く手数多だからそんな実感ってないでしょ?

そういう人たちに対して、「かつてウチに派遣されて働いていたから、ウチを離れたとしても仲良くしよう、また、何か機会があれば飲みに行きましょう」というのは、相手にとっても失礼なことだろう。その職場から離れて、もうその目は新たな職場や仕事に向いているわけだから。今更半年や一年以上前のことを言われてもね。雇用形態がドライで、いざ飲み会となると浪花節になるのは、いかがなものだろうか。

これからどんどん伸びる「ハケンの品格」、大いに頑張ってほしいものですね!!

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女川港めぐり

2007年01月11日 | 旅行記B・東北

話を、オリックス前川投手が逮捕された7日に戻す。

P1070403勾当台公園にあるスーパーホテルを早朝にチェックアウトし、地下鉄から仙石線のあおば通駅に出る。ホームの端から階段を上がってすぐというのがよい。

7日も引き続き「爆弾低気圧」が北日本に大きな影響を及ぼすようで、予報では日本海側が大雪、太平洋側も強風のうえ、雪になる確立が結構あるようだ。・・・というものの、夜が白んで松島海岸を通る頃は、雲もほとんど出ていないし、何だ低気圧はもう北のほうに行ってしまったのかと思う。

P1070405P1070409 石巻着。「萬画の街」というのがキャッチフレーズのこの街は、故・石ノ森章太郎ゆかりの街である。ホームの階段や改札口では、氏の作品である仮面ライダーやサイボーグ007のキャラクターの像や絵が出迎えてくれる。以前、街中の「石ノ森萬画館」に行ったことがあるが、その道すがらもキャラクターの像が建っているのである。それにしても、今やいろんな仮面ライダーが子どもたちあるいは奥様方の人気のようだが、やはり「初代」というのは時代を超えてインパクトがあるし、仮面ライダーと聞いて真っ先に思い浮かべるのはこの姿だろう。(ウルトラマンにも似たようなことが言えますな)

石巻から、石巻線の未乗車区間に乗って、終着駅の女川を目指す。途中、カキやホタテなどを養殖するいかだが浮かぶ万石浦に沿う。外の風は強そうだがさすがは入り江、水面は静かである。なるほどこういう地形だからこそ、養殖には向いていそうだ。

P1070443 ホーム一面きりの終着駅に着く。ホームの付け根の横には、首都圏色に鮮やかに塗装されたキハ40が停まっている。これは何かの記念で保存しているのだろうか。

P1070415 駅からすぐのところに港があるというので早速歩く。風が強いがここも天然の入り江で、静かな海面が広がる。そしてここ女川は、そのような天然の地形が利用されているのか、原子力発電所のある街である。もっとも、大きな地震などで運転を停止していた時期もあったが・・・・。港からほど近くに宮城県原子力PRセンター「あとみ~る」なるものがあり、原子力発電に対する知識を深め、世間に原子力発電の素晴らしさをPRするということをやっている。私はこういうのが嫌いではなく、旅先でこの手の施設に出会うとそちらに向かうところがある。

P1070431中の展示は、「原子とは何ぞや?」から始まって、原子力発電の仕組みがあり、そしていかに原子力というのが他の鉱物資源に比べて有効な資源であるか、また安全に細心の注意を払っているかという検証と続く。まあこれはあちらこちらでPRされていることなので、ああそうかという感じで進む。そして原子力発電関連の書籍の閲覧コーナーに出たのだが、通常、この手の展示館であれば、原子力推進の立場で書かれた著作ばかり並んでいるのが、ここの書籍コーナーでは、下北半島を舞台に繰り広げられている反原発運動をテーマにしたものや、原子力発電所の本当の現場で働き、いつ被曝するかもしれないという危険と隣りあわせの、いわゆる「下請け会社」の労働者(中には外国人労働者もいる)たちの写真集なども置かれ、なかなかに幅の広いコーナーである。

P1070429 駅に戻ると、駅横にその名も「女川温泉 湯ぽっぽ」という日帰り入浴施設がある。風で体が冷えているので温まろう。なかなかに気持ちよい。岩盤浴もある。そして、休憩コーナーにはなんと「りくぜんおながわ」の駅名標に気動車のシートというユニークなスペースがある。思わずシートにこしかけて、しばし温泉旅の汽車の風情を楽しむ。そして、窓の外を見ると先ほどのキハ40に出会う。スリッパで、車内に入っていけるのだ。よく見ると、この「湯ぽっぽ」の休憩用の座敷車に改造されているのである。運転席後ろにはカラオケの大画面。地元の人の占拠するところでありさすがに中には入れなかったが、なかなかに面白い施設である。表には無料の足湯もあるので、こちらで楽しむのもよいだろう。

P1070436 昼時になったので、再び港に出て「マリンパル」という施設に向かう。女川出身の中村雅俊さんが名誉館長というが、1階が魚介類の市場、2階が食事処というつくり。ちょうど観光バスが乗りつけられており、市場は大賑わい。呼び込みの声も威勢がいい。カキやホタテの生簀があるかと思えば、マグロやクジラなども。

そうだ、牡鹿半島のあたりはクジラ漁が盛んだったんだ・・・と思い、2階の食堂へ。そして、「クジラヒゲ皿盛定食」なるものを注文する。原子力発電のあとはクジラ。なかなか政治的な一時である。捕鯨問題で日本は肩身の狭い思いをしていることもあり、その中でレストランなどでクジラ料理があれば極力注文している。捕鯨は日本の食文化だと言ってみたところで、その日本人がクジラを食べないと、その主張には全然説得力がなくなる。

P1070440_1こちらの料理は、本物のクジラのヒゲを皿にして、その上に赤身、さえずり、心臓の刺身を乗せたヒゲ皿盛。この他にも、皮を酢味噌であえたものも出てくる。いわゆる調査捕鯨の余りモノが出てくるわけだが、やはりうまいもんはうまい。

女川港、4時間ほど滞在して歩いた距離はせいぜい半径数百メートルの範囲であるが、なかなかに充実した観光港である。まずは盲腸線の石巻線を制覇し、この後は前谷地から未乗車の気仙沼線に向かうことにする・・・。(続く)

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オリックス前川投手逮捕

2007年01月09日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

この3連休は「爆弾低気圧」ということで北日本から東日本が大荒れの天候となった。ちょうど仙台、気仙沼を回る旅をしていたのだが、そのことはまた書くとして、7日の夜は気仙沼のホテルに泊まっていた。

酒を飲みつつテレビを見ており、ちょうど番組の替わり目だったのでチャンネルをいろいろいじるうち、NHK教育テレビの「手話ニュース」に当たる。ちょうど天候の影響のニュースをやっていたのでそこを見る。明日(8日)も引き続き影響がありそうだ。

さて、次のニュースということで「プロ野球の現役選手が、ひき逃げ事件を起こして逮捕されました」という。誰かいな?そういえばこの前は野村(貴仁・元オリックス投手)が覚せい剤で捕まったしな・・・。などと思っていると、

「逮捕されたのは、オリックス・バファローズの投手、前川克彦(登録名は勝彦)容疑者です・・・。」

思わず、酒を飲んでいる途中でむせてしまった。そして、思わず笑ってしまった。いや、笑ってはいけないんだが・・・。

前川か、ヤツなら捕まることもあるだろうなと。以前、近鉄時代にもスピード違反か何かで免許取り消しになってたはず・・・、ってまたクルマがらみか。

そして、その後今日に至るまでいろんなところでいろんなことが報道されているわけだが、段々と事件の根の深さというのが浮き彫りになってきた。

ひき逃げ、無免許運転、しかも無免許運転は昨日今日のことではなくこれまでもずっと運転していた、警察をたぶらかせてその場を逃げようとした、被害者の自転車を轢いた跡がバレないようにクルマに塗装を施した、乗っていたベンツは免許取り消し処分中に購入した・・・と。

クルマを運転する以上、事故から100%逃れられるという保証はないわけで、例えば前川が普通に免許を保持していて、被害者を轢いてしまった時に真っ先に救助に当たり、自分から警察に頭を下げて出れば、まだ「接触事故でしばらく謹慎」となる話だろう。しかし、これだけ確信犯的に、悪意を持った行いというのは弁解の余地はない。私もオリックス・ファンとして、今年こそは左腕の柱として活躍してほしいという気持ちはあるのだが、これはいけない。プロ野球選手だからという前に、一社会人として制裁を受けるのは当然である。

報道や世論の中には、「選手が運転免許を持っているかどうかを球団は確認しないのか。選手の管理責任を果たしていない」とか、「クルマを購入するときにディーラーは購入者が運転免許を持っているかを確認しないのか。クルマが売れれば無免許のヤツに売ってもいいのか」というものがあるようだが、球団やディーラーは普通、そこまで確認しないでしょう。いや、一般企業でも(運輸業における運転前点呼では運転免許証の提示を行っているが、一般的には)いちいち確認していないのが現状では?

それは何も球団やディーラーが無責任というのではなく、「クルマを動かそうとする人は免許を持っているのが当たり前で、改めて調べるまでもない」というのが世の前提にあるからではないだろうか。だからこそ、そこを無免許でやり過ごそうというのは、世の前提というか信頼を裏切ることなのである。オリックスの首脳は当初、球団首脳の処分は行わず、責任は全て前川個人にありと発表し、マスコミから非難されて撤回したそうだが、私は球団の当初の考えは当然と思う。免許管理くらい球団がするのでなく選手(というより社会人として)個人個人が自己責任で行うことでは?

前川がマウンドに戻る日があるのか、あるいはこのまま解雇→野球人生の終焉になるのかはわからないが、事の重大性を認識し、きちんとした社会的責任をとってほしいものである。

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仙台より

2007年01月06日 | 旅行記B・東北

今日6日は、朝に年始の旅行記事を書いた後、「青春18きっぷ」にて常磐線を乗り継いで仙台へ。

P1060402本来であれば早くに出て仙台市内をぶらつく・・・というところだったが、この3連休は北日本~東日本が大荒れの天気という。実際、列車に乗っている間も大雨がずっと降っていたし、まあ、昨夜の仕事初めで飲みすぎたので、今日は「移動日」と割り切って、ボックスシートをゆったりと占領しての北上だった。東京から仙台に行くのに、東北本線経由ならばロングシート車両に当たる可能性が高いのだが、常磐線ならまだまだ「国鉄型」車両も健在である。所要時間もさほど変わらないし、また「18きっぷ」の客も比較的少ないのでゆったりできる。

P1060400夕食を仙台駅構内の「牛たん通り」にある「陣中」の「牛タン三昧御膳」で済ませる。麦飯に牛タン焼きを乗せた丼のほかに、牛タンのシチュー、牛タンフランク、牛タンスモークサラダ、テールスープというセット。1950円と値は張るが、牛タンのさまざまな調理方法が一度に味わえるだけにお値打ち品である。

仙台市内も大雨で、夜の街を出歩こうという気にはなれない。今日は早々とホテルの部屋に落ち着き、ゆっくり休むことにする。(この記事も、ホテル備え付けのパソコンから書いています)

明日は女川までの石巻線や気仙沼線など、未乗路線に乗って気仙沼まで行くが、心配なのは天気。低気圧のせいで北日本から東日本の太平洋側も大雪の予想とか。なんとか、列車が無事に動いてくれることを祈るばかりである。

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舟屋の町・伊根

2007年01月06日 | 旅行記E・関西

浜坂での一夜を過ごした翌4日、再び餘部鉄橋を渡る。おそらく現在のままの鉄橋を渡るのは最後だろうから、この感触をかみしめる。

P1040341 城崎温泉から、「タンゴディスカバリー号」に乗車。北近畿タンゴ鉄道の特急であるが、周遊きっぷならば北近畿タンゴ鉄道も特急の自由席も乗り放題。ハイデッカーの先頭席に陣取って、天橋立まで宮津線の旅を楽しむ。

天橋立駅からバスで向かったのは、伊根。穏やかな入江に面した舟屋の町で有名である。今日はこの伊根湾を巡る遊覧船に乗る。以前にも乗ったのだが、面白いところは何度来てもよい。

P1040347 この遊覧船のもう一つの楽しみが、鳥との戯れ。船内に「かっぱえびせん」の小袋が売られており、遊覧船の周りを飛び交うカモメに投げてやるのだ。投げたえびせんをスッとくわえるカモメ。思わず「ナイスキャッチ」!

ただ、本当に「ナイスキャッチ」なのは、カモメに交じって飛び交う茶色の大きな鳥。そう、西武の東尾・・・もといトンビ。カモメが直接くちばしでえびせんをくわえるのに対し、トンビは一度足でえびせんをキャッチし、その後、足をくちばしの方に持っていってそれで食するのである。その動きが面白いので、カモメよりトンビを狙ってえびせんを投げる。

P1040369そうするうちに、舟屋の集落に着く。舟を格納するスペースを設けた独特の造りの家が並ぶ。このスペースは舟を格納するだけではなく、漁具の手入れ作業をしたり、魚を干したりと、行ってみれば海の人たちの仕事場である。

P1040370 砂浜が広がる地形であれば舟を浜辺に上げるのだろうが、周りを山に囲まれた狭い伊根の地形が、このような造りの家を生んだのだろう。

P104038620分ほどの周遊を終え、天橋立駅に向かうバスで折り返し。ただ途中でバスを降りて、天橋立を横に見る遊覧船に乗り継ぐ。改めて横から見ると、天橋立というのも奇勝である。

P1040395 遊覧船が着いたのは、智恩寺の文殊堂のすぐ前。智恵を授かる文殊さん。私ももう少し智恵をつけないといけないし、また「資格試験」の合格祈願もある。普段は学問の神様・菅原道真公にお参りするのだが、ここは文殊菩薩にもきちんとお参りし、学力や智恵を授かるようにお願いする。

新しい年、文殊さんのご利益があるかな・・・・?

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浜坂カニづくしパック

2007年01月06日 | 旅行記E・関西

P10403283日、餘部鉄橋訪問後、そのまま浜坂行きの列車で浜坂着。今日の宿泊は浜坂ユースホステルである。ユースホステルに宿泊するのも一昨年以来。もう会員にはなっておらず、ビジターとしての宿泊である。

ここに宿泊する目的はそう、このユースホステル恒例の「カニづくしパック」。以前に一度このパックで宿泊して松葉ガニを実に堪能したので、餘部まで来たのだからまた楽しむことにしたのだ。

この日の宿泊は家族連れも含めて20人くらい。食卓にはすでに人数分のカニが乗せられている。そのボリュームたるや、「ここまでやるか!」という豪快なもの。

P103032130cmくらいの松葉ガニまるまる一パイの茹でガニに始まり、カニすき、焼きガニ、カニ味噌豆腐、茶碗蒸しと、旬の松葉ガニが二ハイ半相当。

やはり、うまいもんはうまい。

P1030325焼きガニでは甲羅酒をいただく。

最後は雑炊で締め。18時半から始まり、全て食すのに2時間を要した。

P1030322 この「カニづくしパック」、ビジターで9500円。通常の2食つき宿泊料金が4650円なので倍近い料金だが、逆に「5000円で松葉ガニを堪能する」と思えば、妥当な値段である。これはぜひお勧めである。ただ、ユースホステルなので原則相部屋だったり消灯時間が決められたりするが。

この日はカニを喰らった後はすぐに眠たくなり、そのままベッドに潜り込む・・・。(続く)

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餘部鉄橋訪問記

2007年01月04日 | 旅行記E・関西

1月3日、大阪の実家での正月も終え、東京に戻る。・・・のはずだが、大阪駅から特急北近畿号に乗り、城崎温泉に向かう。

P1030287 山陰本線の車窓を彩る名所として名高い餘部鉄橋。この春からの架け替え工事により、現在の姿をとどめるのもあとわずかとなった。餘部鉄橋自体は何回も渡ったことがあるし、鉄橋脇の餘部駅で下車して、鉄橋を真下から仰ぎ見たこともある。ただ、おそらく現在の姿を見るのは最後のチャンスだろうと思い、大阪から遠回りして彼の地を訪れることにしたのだ。

今回は大阪への帰省と合わせて、「周遊きっぷ」の「北近畿ゾーン」を組んでおり、結構広い範囲で特急の自由席も乗り放題である。

城崎温泉着。正月を温泉で過ごした人たちでごった返している。やはり温泉でのんびり温まって、そして山陰名物の松葉ガニを食して・・・・、いや、贅沢なもんだ。私はここに泊まるのではないが、しばし立ち寄って城崎を楽しむことにする。

P1030270 まずは駅横の櫓が観光客の目を引く「さとの湯」へ。山陰本線の架線や円山川を見下ろす展望風呂と、中庭を見下ろす内風呂を交互に入浴する。雨や雪は降っていないがさすがに外に裸で出ると寒い。

P1030276P1030274 入浴後は駅前の「山よし」でカニの釜飯の昼食。その後、駅前の土産物屋街を冷やかす。このシーズン、店頭には大小さまざまの松葉ガニが並べられている。城崎でカニが揚がるわけではないが、香住、柴山、津居山などの漁港から直送されており、店頭を彩っている。生簀に活けガニを囲っている店もあり、実によい目の保養である。豪快に1パイ買って貪り食いたいものだが、ここは抑えて、酒のアテ用にかに味噌などを買い求めるにとどめる。

P1030278 さて、列車の時間になったので駅に戻る。キハ47の2両編成。車窓に日本海を望む。大阪を出たときは晴天だったが、こちらに来て空は灰色。風も出てきており、典型的な冬の景色である。

香住から鎧を過ぎると、この次が餘部である。ここで車内がざわざわする。乗客は汽車旅ファンやら子ども連れが多く、皆、あの鉄橋にさしかかるタイミングを見計らっているのだろう。それを見越してか、ワンマン運転手が「このトンネルを抜けると、餘部鉄橋です」と放送する。

P1030282 トンネルを出た。高さ41メートルから見る餘部の集落と日本海。車内から一斉に歓声があがる。普段の高架線路でもなかなかこれだけの高度を走ることはないだろう。ゆっくりと鉄橋を渡り、餘部駅に到着。ここで多くの乗客とともに下車。駅に一時の賑わいが訪れる。

10分ほど後に大阪からの特急「はまかぜ」が餘部鉄橋を通過するので、早速駅の上にある撮影スポットに向かう。ここでは何と30人ほどのギャラリーが陣取っていた。中にはクルマで乗りつけた観光客とおぼしき人の姿も多いが、それだけに、この鉄橋の架け替えというのが鉄道ファンだけではなく多くの人の関心を呼んでいるのだろうか。

P1030293「間もなく、列車が来ます」と音声が流れ、それまでいろんな会話で賑やかだった撮影ポイントに、一瞬の静寂と緊張が走る。三脚を立てた本格的一眼レフカメラからケータイのカメラまで、「はまかぜ」を待つ。カタカタカタ・・・とレールを刻む音がトンネルの中から聞こえ、「はまかぜ」が現れる。やはり、実際に列車が走っている風景のほうが絵になるなあ。カメラのシャッターを切りながらうなることしきり。

P1030299 ここで、鉄橋下の集落へと下りる。鉄橋も見る角度によってさまざまな表情を見せる。これがコンクリートの橋脚なら「あ、橋脚やな」で終わるのだろうが、この骨組みには周りの景色とも調和した味がある。

橋脚の下の小屋で、餘部鉄橋を走る列車の写真の無人販売が行われていた。餘部鉄橋の保存を訴える人たちの手によるものだという。コンクリート橋脚に架け替えられた場合の景観のイメージ図も掲示されていた。その中で、コンクリート橋脚を立てるのと同時に、現在のトレッスル式の橋脚も残せないものかという考察もなされている。

P1030305 鉄橋の真下にある、列車転落事故の慰霊碑にお参りする。もう20年くらい前だろうか。強風にあおられた客車が鉄橋から転落し、かんづめ工場を直撃し、従業員と列車の車掌6名が犠牲となった事故。思えば、餘部鉄橋という名前が鉄道ファンだけではなく、広く一般に知れ渡ったのはこの事故以来ではないだろうか。そして、この事故から、強風時の運転に対して慎重になるとともに、運転休止のリスクを避けるために関西と鳥取を結ぶ特急が智頭急行経由になったり、「出雲」が廃止になったりで、そのうえで現在の架け替えに至ったというわけである。この移り変わりを、地元の人たちはどのような思いで見つめているのだろうか。冬の集落は固く扉を閉ざした家が多く、人々の表情はうかがえない。

形のあるものはいつか壊れるものであり、明治時代に建造されたこの鉄橋が未来永劫残るとは思わない。だから「架け替え絶対反対」という気持ちはない。

P1030303 ただ、最近広まりつつある「近代化遺産」という言葉がある。文化遺産といえば江戸時代以前の神社仏閣や城郭建築をイメージするが、鉄道建設という、日本の近代化の歴史を物語る遺産というのも同じように何らかの形で残す必要があるのではないだろうか。これだけの高さの鉄橋を築き上げたのも日本の鉄道史、建築史の重要な史料である。

P1030314 今の流れからすれば現在の橋脚は全て撤去されるのだろうが、何とか活かす方法はないだろうか。例えば、今年大宮に完成する鉄道博物館に橋脚1本持ってくるとか。

いつしか、次の浜坂行きがやってきた。今日はこの先浜坂まで行き、翌日、再びこの鉄橋を渡ることになる・・・。(続く)

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あっという間に。

2007年01月02日 | ブログ

今日2日は、毎年恒例(?)の箱根駅伝・往路観戦。今年は1区で東海大学の佐藤選手がぶっちぎり、2位に4分の差。さすがにこのまま逃げ切るかと思いきや、5区の山登りで順天堂大学の今井選手があっという間に大逆転して往路優勝。思わずテレビの前でうなってしまった。ただ、シード圏内の10位までのチームの差が6分台ということで、明日の復路は何が起こるかわからない。個人的には、やはり駒澤大学が7位という位置からではあるが不気味な存在のように思うのだが・・・。

さて私は、大阪で過ごすのも今日が最後。ほんとうに年末年始休暇もあっという間。また明日3日から、鉄道モードに入ります。行き先は、今年の春に架け替え工事が始まる餘部鉄橋。これまでにも何回か訪れているが、おそらく現在のトラス式橋脚を見るのは今回がラストチャンスであろう。おそらく鉄道ファンその他で大混雑しているだろうな・・・。

天気はどうだろうか。晴天であるほうが過ごしやすいが、冬の日本海らしく風雨に打たれるのもまた一興かと。

昨日の初詣乗り歩き、餘部鉄橋の訪問記などを書くのは東京に戻ってからになるが、また皆さんのご機嫌を伺えればと思います・・・・。

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謹賀新年

2007年01月01日 | ブログ

皆様、あけましておめでとうございます。

新たな年が、皆様にとってすばらしい年になりますように。

P1010209 2007年の元日は、近鉄電車を利用しての初詣。橿原神宮、三輪明神、生駒聖天、石切神社と、ちょうど奈良県内をぐるりと回る形である。今日だけで何回お賽銭を上げて、何回手を合わせたことか。確かに初詣に訪れた寺社はいずれも大混雑で、行列を前に進むのも大変だったが、それ以外に普通に電車に乗っている分には、さほど「正月ムード」というのが感じられず、いつもの休日なんかな?という混み具合であった。

P1010243 それにしても、何だかんだいって、日本の伝統行事である初詣は欠かせない。最近は初詣に行かない人も多いようだが、普段の信仰心の強弱はさておき、別に大きな寺社でなくてもいい、普段身近にある小さなお社でもいいから、新年の願い事をするのは日本人の行事である。宗教上の理由や、やむを得ぬ事情があるならともかく、単に面倒だとか興味がないとか、「日本人には宗教上の節操がない」とかいってどこにも行かないのは残念だ。

P1010259 日本のこの昔からの風習は残したほうがよいと思うし、また残すように受け継いでいかなければならない。こういう書き方をすると、「美しい国日本」の手先という人がいるかもしれないが、別に今の内閣にいわれずとも当たり前のことなのではないだろうか。

まあ、それはともかく、この新しい年に向けて、あちらこちらの神様に誓いや願いを立ててきたところ。そのいずれもが叶うよう、精進していきたいものである。

この一年が充実したものになりますように。

P1010224

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