まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

BCリーグ観戦記@金沢~フリオ・フランコとタフィー・ローズ(試合経過)

2015年08月17日 | プロ野球(独立リーグほか)
16日、金沢市民野球場での石川ミリオンスターズ対富山GRNサンダーバーズ。この試合、メジャーの名選手でもありロッテでもプレーした石川のフリオ・フランコ選手兼任監督と、近鉄、巨人、オリックスで数多くの本塁打を放った「ミスター・バファローズ」で、今季途中から富山にやって来たタフィー・ローズの顔合わせが楽しみである。またどちらも独特の打撃フォームで印象的な選手。

その試合、石川の先発は今季入団の矢鋪。地元の金沢向陽高校を卒業したばかりで、甲子園の出場経験もないし、NPBが注目していたという話は聞かない。それでも、地元の独立リーグのトライアウトに合格して、地元枠でミリオンスターズに入団するくらいだから、その辺の高校生投手と比べて何か抜きん出たものがあるのだろう。先発でも出ているようだがまだ勝ち星はない。まず初回は三者凡退で片付ける。

富山の先発は秦。元横浜で、現在は富山の投手コーチも務めながら自ら先発でも投げる。選手名鑑によればMAX145kmとあるが、スコアボードのスピード表示でもそこまでは出ない。むしろ軽い感じで投げているような。

初回、いきなり先頭の三家(みけ)を四球で出す。幸い盗塁失敗でランナーはいなくなったが、3番・フランコがセンター前に上手く運ぶ。続く石突にもヒットが出るが後続を切って何とかしのぐ。

直後の2回、先頭はローズ。応援団とファンからの「タフィー!」のコールの後、「いてまえホームラン、ローズ!!」というコールが飛ぶ。北陸に来て聞く「いてまえ」。もううれしくなった。さすがに応援歌まで近鉄のものとはいかずサンダーバーズ仕様だが、グリーンのユニフォーム(これを見ると東北楽天の限定ユニフォームそっくり)、背番号16も結構似合っている。結果は残念ながら二ゴロだったが・・・。この後、2つの四球と1安打で満塁のチャンスを作るが無得点。

試合が動いたのは3回表。一死から富山の2番・大久保がライトへの三塁打を放つ。続いては野原。かつては「富山のおかわりくん」と呼ばれていた選手。NPB(阪神)ではほとんど活躍できなかったが、富山復帰後は以前と変わらぬ打撃を続けている。このチャンスにライトへの鋭い当たり。先制の二塁打となる。

そして迎えるのはローズ。ホームラン、タイムリーに期待が集まるがここは四球。一塁も空いているし、半ば勝負を避けられた感じ。しかしこの後の5番・大上戸(だいじょうご)がセンター前に運んで2点目。2対0と富山2点リード。

初回、2回と得点圏にランナーを背負う秦だったが、中盤以降はベテランらしく落ち着いた投球を見せる。フランコの2打席目もボテボテながら一・二塁間を渋く抜くヒット。この辺りのテクニックはさすがだ。

5回表、先頭の大久保のヒットと盗塁から一死三塁と追加点のチャンス。ここでローズだが、矢鋪はストレートの四球。最初から勝負を避けているようにも見え、これには富山ファンから「勝負しろ!」という声が挙がる。勝負ごとなので敬遠というのはあることとしても、独立リーグの場、ましてや高卒ルーキーで、ひょっとしたらこの先の活躍でNPBからのドラフト指名というのを期待しているのなら、敬遠はちょっと違うような気がするのだが・・・これは素人考えなのかな。

ここで石川は矢鋪から安江に交代。こちらは中京大中京高から愛知学泉大(初めて聞く名前)を経て今季入団。ローズ敬遠の後の大上戸が2打点目となる犠牲フライを許す。3対0、試合は富山ペースとなった。

6回裏、無死一塁で打者はフランコ。前の2打席はいずれも渋いヒットだったが、この打席は見逃し三振。打席を退く際に審判に何か不満そうな仕草を見せる。この回も秦が抑えて無得点。

7回表、この回から登板の上條から野原がヒット。続くローズは今度はファウルで粘りながら四球。その後、望月の内野安打や石川の守備の乱れがあり2点追加。5対0とワンサイドになった。ローズはここまでノーヒットながら四球3つ。そのいずれもが得点に絡んでおり、チームとすれば貴重な出塁である。

このまま行くかと思われた7回裏、無死一塁から坂口のレフトへの平凡なフライを、レフトの大久保が打球の行方を見失いポテンヒットにしてしまう。続く桑原のゴロを三塁の大上戸がはじいて、その間に1点入る。さらに三家の犠牲フライで2点目が入る。5対2、試合の行方はまだわからない。

8回表、石川4人目の王に対して一死満塁のチャンスを作り、ローズに5打席目が回る。打球は一瞬ライトスタンドか??という当たりだったが、ライトへのフライ。まあ、犠牲フライかなと思ったが、三塁ランナーの佐伯は戻ってこない。(周りのファンの声によれば)そんなに足の速い選手ではないが、あのフライなら戻れるだろう。スタートが遅れたか、原因はよくわからないがそのままだったのは確か。ローズが一塁に走りかけて戻る時に何か大きな声で叫ぶ。チャンスに凡退した自分に喝を入れているのか、あるいはあの当たりで本塁に生還できなかった佐伯に対するものか。それはよくわからないのだが・・・。結局この後の大上戸への四球で押し出しとなり、1点追加で6対2。まあ、この展開で行けばこの日のローズの打席は見納めかな・・・。

一方の秦は7回まで2失点だからもう継投かなと思ったがそのまま投げる。15時に始まった試合も3時間を超え、ようやく太陽が傾き、暑さも和らいだ感じがする。照明灯が少しずつ点灯する。

9回表。この回は7番の上田からの攻撃。さすがに4番のローズまでは回らないなと思っていたが、ヒット2本で二死ながら一・三塁。大久保がこの日4安打目となるタイムリーを放ち、7対2。野原が四球を選んで、二死満塁でローズの6打席目。応援団からは「夕陽に向かって打ってもらいましょう!!」と気勢が上がる。ここで満塁本塁打なんてことになれば絵になる。

・・・と思ったが、初球をあっさりと打ち上げて力のないセンターフライ。結局ローズの本塁打やヒットは見られなかったが、四球3つ、そのいずれもが後続による得点につながったということで、試合とすればよかったのではないかと思う。前の打席の大声が何だったのかが気になるのだが・・・。

9回裏も秦が登板。ただ先頭の代打・宮本が二塁打の後、続く代打・ダルーの三塁への当たりを大上戸がトンネル。これで1点返して7対3となる。この後で二死三塁となって迎えるはフランコ。

最後の打者は避けたいところで、ライトへのこれまた渋い当たり。もう1点入って7対4。56歳となって大きな当たりは難しくなったのだろうが、こうしたテクニックというか、嫌らしい打撃は56歳でもできるということだろう。

ただ石川の反撃もこれまで。7対4で富山が勝利、秦は完投勝ちとなった。

試合終了後は両チームがラインに沿って並び挨拶をすることになっている。フランコが何か言いたそうな表情で、一部の富山ファンが「そんな態度するヤツは帰れ!」というようなヤジを飛ばしていたが、特に混乱もなく終了。

試合後は、ホームの選手が入り口まで出て観客の「お見送り」をするのがBCリーグの恒例行事である。ただこの試合で出てきたのは、先発の矢鋪など今日投げた投手陣を中心とした5~6人。パラパラという感じである。野手陣はフランコ監督、渡辺・山出コーチの説教を受けているのだろうか。数少ない選手の中に吉田えり投手がいて、他の投手たちにほとんど声がかからない中、観客への対応は彼女が一手に担当しているような感じだった。私もサインをもらったが、できればフランコに出てきてほしかった。ただその気配はなく、外も暗くなったし私もいい加減に宿に入りたいので切り上げて再び磯部駅に向かう。駅には同じく観戦帰りとおぼしき客が数人いる。中にはオリックス・バファローズの「Bs Spirits」のネイビーユニの人とか。ひょっとしてわざわざその格好で朝からサンダーバードに乗ってきたとでも??

北陸鉄道の浅野川線に揺られて金沢駅に戻ったのは19時半。この日は朝から歩き回っていたので疲れていたし、早く風呂にも入りたい。居酒屋に行くとか言うのはなしで、夕食はコンビニで買ったもので済ませる。

乱打戦のような、守備の乱れのような長い試合だったが、フランコ、ローズというところの元気な姿を見ることができてよかった(来季、この顔合わせが見られるかどうかはわからないし・・・)。こうしたレジェンド選手の技術や心構えを若い選手がもっと吸収して、リーグのレベルアップ、そしてNPB入りの目標実現というのにがんばってほしい。また、地域のイベントとしてこのリーグはこれからも観戦したいものである・・・・。


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2 コメント

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凄い! (ごぶごぶ)
2015-08-20 10:27:24
こんにちは。フランコとローズですか?いい試合観戦しましたね。羨ましい。今のプロ野球より断然面白いし魅力を感じますね。特にローズは私の脳裏にも焼きついていますよ。
以前のブログでも見ましたが四国アイランドリーグで高知ファイティングドッグ時代の角中選手(現ロッテ)を見ました。又、香川オリーブガイナーズ時代の又吉投手(現中日)も。独立リーグでも良い選手いますよ!まつなるさんは独立リーグで推奨選手いますか?教えてください。
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Unknown (まつなる)
2015-08-21 19:28:52
ごぶごぶさん、コメントありがとうございます。

私の見た試合は観客400人足らずだったのですが、BCリーグも試合によっては1000人超えたりしますし、地元の人たちの交流の場という印象があります。

もっとも、リーグ発足当時はスタンドには少年野球のチームが何チームも来ていて、野球教室みたいなのも行われたこともあったようでしたが、このところはボールボーイを務める1チームくらいしか見かけなくなりました。

さてご質問の件ですが、私も年に1~2回くらいしか試合は観ていませんし、観るチームや選手も限られてます。また技術面を語れる眼力はないので、推奨選手は難しいですね・・・。いいなと思ったら実はNPB経験者だったり。その中で言うなら、富山~阪神~富山で兼任コーチでもある野原。リーグ発足から富山~群馬で息長くやっているパワーヒッターの井野口。昨年福井に入団して1番を務める森。このあたりですかね。

今年は福島、武蔵というチームも加入してますし、いずれ観たいなと思います。
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