まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

台風の影響で四国に行くのを断念して、山陽線を西に向かうことに・・

2024年09月03日 | 旅行記F・中国

8月の最終盤、日本列島に大きな混乱をもたらした台風10号。台風じたいは鹿児島県に上陸後、九州から四国を横断した後、いったん紀伊半島の沖合いに出て、何を思ったかそこから再度北上し、その後熱帯低気圧に変わった。

台風10号、直接通過した九州各地で家屋の倒壊や浸水の被害が大きかったが、それよりニュースとなっていたのが、台風から遠く離れた東海や関東でも大雨となったことで、あちこちで道路の冠水、家屋の浸水が報じられた。また、東海道新幹線をはじめとした交通に大きな影響があった。先ほどのお盆後半も含め、稼ぎ時の1ヶ月に2度も大規模な運休となるのは異例中の異例だと思う。

さて、広島では8月30日は県内のほぼすべての公共交通機関が終日運転取り止めとなったが、その翌31日~9月1日の週末、私はもともと久しぶりの青春18きっぷで徳島に渡る予定にしていた。その目的は、数年ぶりとなる四国アイランドリーグ観戦、そして四国を舞台にした新たな札所めぐりの始まりである。

四国アイランドリーグ・・・私の四国八十八ヶ所めぐりの中でも各県でアクセント、思い出になった存在である。

計画では31日に瀬戸大橋を渡り、高松から高徳線で池谷まで向かい、その札所を訪問。その夜は徳島線の蔵本に宿を取り、すぐ近くの蔵本球場(愛称・むつみスタジアム)で徳島インディゴソックス対香川オリーブガイナーズ戦を観戦。そして翌1日は徳島線を走る観光列車「藍よしのがわトロッコ」号で阿波池田に向かい、そのまま瀬戸大橋を渡って岡山から広島に戻る。

ただ、台風上陸である。当初の予報よりも速度が遅かったこともあり、ちょうど中・四国地方は30日~31日にかけて最接近する見通しとなった。30日は広島県内のほとんどの公共交通機関が終日計画運休となったが、幸い台風そのものの勢力は弱まっており、結果だけ見ればそれほど被害もなくよかった・・というところ。

翌31日だが、中国地方の在来線では岡山地区、瀬戸大橋で午前中の運転見合わせ、そして四国も高徳線の志度から先の区間、そして鳴門線、徳島線といったところは31日も終日運転見合わせとなった。合わせて、「藍よしのがわトロッコ」を含む観光列車は31日、そして1日も運転取りやめとある。そうだろうなあ。徳島のホテル、そして観光列車の指定席ともキャンセルした。

そして断念した四国行きだが、アイランドリーグ、そして徳島インディゴソックスのサイトによると、31日夜の徳島対香川の試合は予定通り開催する方向という。ただ、当初は冠試合としてさまざまなイベントが行われ、ゲストも来る予定だったが、それらは中止して地元の子どもたち、学生たちが試合を盛り上げるとある。

ならば四国に行くか・・という気にもなったが、徳島へのアクセスが封じられているのであればどうしようもない。四国行きはまた別の機会としよう。それより、「四国を舞台にした新たな札所めぐり」と、もったいつけたような物言いは何やねん・・・。

・・・そして迎えた31日早朝。広島は台風一過の青空である。列車の運行情報を見ると、とりあえず山陽線は平常運転のようだ。四国・徳島には行けないが、青春18きっぷも消化したいし、逆に山陽線で西に向かうのはどうだろうか。終点・下関はどうかな。昼前に自宅を出ても夕方には下関に着くし、下関のホテルにも空室がある。ここでふと思ったのが、山陽線の途中、まだ宿泊したことがないところで1泊し、翌1日の午前中に下関に行くというもの。そこで目を付けたのは防府。駅前のホテルも確保できた。

そしてゆっくり昼前に自宅を出発し、西広島から山陽線岩国行きに乗る。普段の週末の昼の時間といえば宮島に向かう観光客でにぎわう頃。台風も過ぎ、宮島行きのフェリーも平常運航のようだがさすがに観光客の姿もそこまで多くない。

岩国に到着。山陽線は通常運転だが、岩徳線、錦川清流線は運転見合わせが続いている。ただ午後以降の錦町行きの時刻表示があるから、運転再開の目途はついているのかな。

ここからは115系3000番台に揺られる。この形式も山陽線のこの区間に残るだけで、そう遠くない時期に置換が始まることだろう。乗るなら今のうちだ。・・・その前にいったん改札口を出て昼食とする。

向かったのは駅前にある「寿栄広(すえひろ)食堂」。中華そばで人気の店のようで、地元らしい人、旅行客それぞれで賑わっている。入ったところで先に注文・会計を済ませ、食券代わりにプラスチックの札を受け取り、順番に席に座る。入口からマイクで注文を通すこともあり、品物が出るのも早い。広島近辺に多い醤油とんこつ、そこに背脂を加えた贅沢な一品である。

その後、岩国発の下関行きに乗車。昼の時間帯ということもあってか、広島方面からの乗り継ぎ客を合わせても4両編成の転換クロスシートはほぼ片側が埋まるくらいの乗車率である。

この日は文庫本を持参しており、それを読みつつ、また周防灘の景色も見つつの気楽な移動である。今回のお出かけ、やれ野球観戦だ、札所めぐりだ・・という他の要素はなく、単純に鈍行で西に向かおうというものである。まああえて要素をつけるなら「呑み鉄」かな・・山口、さらに下関まで行くのならせめて海の幸はいただきたい。当初計画した新たな四国の札所めぐり、アイランドリーグ、観光列車・・(さらには徳島駅前の大衆酒場での一献)ほどのどっぷりしたものはないにしても・・・。

岩国から防府までの間は、山陽線の中でも数少ない海沿いの景色を望める。周防大島などを眺めつつの柳井までの区間。

徳山で乗客が入れ替わった後も本線らしい堂々とした走りを見せ、防府手前の富海の区間に入る。富海の駅舎は最近、交流施設を兼ね備えた新しい建物になったという。

防府に到着。この日は駅前のルートインホテルを手配した。チェックイン時間前なのでいったん荷物だけ預け、それまでの時間を利用して、まずは防府の代表的スポットである防府天満宮に向かうことに・・・。

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