まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

木次線乗り入れの「あめつち」に乗る

2024年05月05日 | 旅行記F・中国

4月28日、今回の旅のメインである観光列車「あめつち」に乗車する。米子8時17分発で、宍道から木次線に入り、終点・出雲横田には11時21分着。約3時間の乗車となる。

始発の米子駅に向かうと、列車の運行情報の案内が流れる。伯耆大山駅で車両トラブルだという。そのため、山陰線の倉吉~米子、伯備線の上石見~米子で運転を見合わせているという。岡山行きの新型「やくも」も身動きが取れず停車したままである。山陰線と伯備線が接続する駅でのトラブルというのは結構痛い。米子から松江、出雲市方面はほぼ定刻での運転というが、ひょっとしたら東側から「あめつち」に間に合うよう移動するところだった客がいるかもしれない。

すでに入線していた「あめつち」に乗り込む。「あめつち」じたいはこれまで複数回乗ったことがあるが、キハ47の改造車両のため、なかなか座席と窓がドンピシャの配置になるのが難しい。「e5489」でも座席番号を指定しての予約ができないため、予約を取っては変更して・・ということを何回か繰り返した。その結果、進行方向右側のカウンター席を確保して落としどころとしたのだが、いざ乗り込んでみるとかつてのドア横の車体部がデンと目の前にある。まあ、目線を少し斜めにやれば問題ないのだが・・。

こちらは定刻で発車。2両編成の車内はほぼ半分くらいの乗車率である。

実は朝食がまだだったので、車内でいただくことにする。米子で購入した駅弁「伯耆物語」。米子の駅弁といえば「吾左衛門鮓」が有名で、前日の一献の後、ホテルの部屋で締めの一品としていただいた。「伯耆物語」は幕の内弁当だが、焼き鯖、鰻の蒲焼き、鱒の唐揚げ、しじみ、野菜の煮物などバラエティに富む。これから奥出雲に向かうのに「伯耆物語」とはこれいかにで、列車はすでに出雲に入ったが、美味しくいただく。

中海から宍道湖に続く景色を楽しむ。

その中、客室乗務員が乗車記念の「神様おみくじ」の箱を持って回る。大吉小吉ではなく、神話に登場するいずれかの神様が現れるのだが、私が引いたのは一言主神。添えられた言葉には「めざすは、小さな巨人」とある。オロナミンCかいな。

松江に到着。9時05分の発車までしばらく停車する。松江といえばこの日(4月28日)は衆議院島根1区の補欠選挙の投票日。この先「あめつち」が走る区間はずっと島根1区のエリアである。選挙戦は当初から立憲民主党候補の優勢が伝えられる中、心配なのは投票率である。結局、多くの国民が政治に対して「どっちらけ」になっているという事実にこそもっと目を向けるべきではないかと思う。

さて青空の下、宍道湖に沿って走る。BGMとして「あめつちのテーマ」も流れる。

木次線に入る前の松江、玉造温泉で下車する客もいる。もったいないようにも思うが、ちょうどよい時間の特急に乗るような感じでの利用だろう。一方で車内も木次線が近づき、乗客のテンションも上がってきたようだ。

宍道に到着。木次線が出る3番乗り場に到着する。ホームでは木次線の法被姿の人たちがお出迎え。この後、沿線ガイドを務めるようだ。合わせて、武将姿の人たちも横断幕で出迎える。

・・・と、そこに現れたのは「フーテンの寅さん」。

そういえば、昨年の秋に津山から因美線で運転された「みまさかスローライフ列車」で見かけた方ではないかな。他の乗客からもそうしたリアクションがあった。松江在住で、本業で自動車整備会社を経営するかたわら、「寅さん」に扮してこうした地域イベントに登場し、人々に笑顔を届けている。さすがにこの日は「あめつち」の見送りのみで、「寅さん」が木次線を旅することはなかったが・・。

その宍道で、出雲市方面からの客も含めてほぼ満席となった。ここからがメインの木次線の旅。ちょうどカウンターに「木次線写真集」があり、昨年引退した「奥出雲おろち号」やキハ120の四季の車窓や地元の人たちの表情を捉えた一冊を見やりながらの旅である。

伯耆大山駅での車両トラブルの影響で、山陰線でのダイヤに乱れがあり、「あめつち」との行き違い列車にも若干遅れが出たため、宍道発車は定刻の9時30分を少し回った。キハ47は宍道駅の3番線からそのまま分岐し、木次線に向けて進む・・・。

コメント