まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

激震!大相撲ヤミの真相

2008年05月10日 | ブログ

明日から大相撲夏場所。今場所も朝青龍、白鵬の両横綱による優勝争いになるのは間違いないところで、あとは大関が何勝できるかということだろう。

さて、そんな夏場所前に手にしたのが、『激震!大相撲ヤミの真相』(荒井太郎著 ゴマブックス)。こんなタイトルを目にすると週刊誌の中吊り広告にあるような、どこまで本当なんだかガセネタなんだかわからないことが書いてあるんだろうな・・・・と思い、ただ相撲関係の文庫本というのもなかなか目にしないので購入した。

タイトルこそ「激震!」などと書いてあるが、内容はこれまでの大相撲トラブル史をひとまとめにした、「そんな事件もあったのか」となかなか感心させられるものである。

100年近く前、待遇に不満を持つ力士たちが起こしたストライキの話や、「春秋園事件」と呼ばれる新団体設立の動き、部屋の相続をめぐるトラブルや疑惑の判定、外国出身力士によるトラブルなど、決してガセネタ的な視点ではなく綴られている。最近のことでは八百長騒動、朝青龍問題、そして時津風部屋での力士暴行死亡事件であるが、これらに対しても一相撲ファンとしての冷静な見方をしているように思われた。少なくとも、役満とかいう漫画家の言っていることよりは客観的である。

著者が時折触れているのが、日本相撲協会の根本的な体質が、協会設立当時から現在の北の湖理事長にいたるまで基本的に変わっていないということ(中には双葉山の時津風理事長、出羽ノ花の武蔵川理事長、栃錦の春日野理事長といった名理事長もいたのだが・・・)。これまで発生したトラブルの原因の多くが、協会の体質から来ているというのである。

組織の運営というのは、相撲協会のように力士経験者(いわば身内)で固めるのがいいのか、プロ野球のコミッショナーのように外部の人間がやるのがいいのか(これはこれで、親会社の都合しか考えないとか現場を知らないとかいろんな批判があるのだが)、難しいところだ。

まだまだ解決していない問題も多く抱えているが、力士は土俵の上で真剣な勝負を繰り広げることである。多くの熱戦が生まれることを期待したい。

コメント