まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

湯島天神と国立新美術館

2007年02月25日 | まち歩き

P2251173今日2月25日からは、国公立大学の2次前期試験。入試シーズンもヤマ場である。というわけでもないが、学問の神様であり、また梅の花も見ごろということで、朝方に湯島天神に出かける。本殿には参拝者が行列をなしている。中には、今日受験本番に臨んでいる子どもを持つ親御さんもいるだろう。

P2251170その本殿を囲むように、梅の花が咲いている。花びらの色合いが青空によく映えている。また、梅の花にも負けずに今を盛りと咲いているのが、奉納された絵馬の数々。湯島天神に近いということで「東京大学合格」が目立つが、それ以外にも私大だったり、高校入試だったり、あるいは資格試験の合格祈願も書かれている。いつも思うのだが、これだけ大勢から祈願されては天神さんも捌くのに大変だろう。

P2251172梅の花を見ると、春の訪れももうすぐだなと感じさせられるものがある。

P2251197さて、地下鉄の千代田線で湯島から乃木坂に移動。乃木坂駅の出口から地上にあがると、そこには1月に開館したばかりの国立新美術館がある。

窓を大きくとった開放的な空間。美術ファン、カップルなどで大賑わい。オープン型のカフェやレストランもあり、ちょうど昼時とあって行列もできていた。

P2251190この国立新美術館、特定の収蔵品を持たずに、展示会を行いたいという団体への展示スペースの提供や、新たな美術の動向もターゲットにした自主企画展、新聞社等主催の展覧会などを中心に行うというのがコンセプトということである。場所が六本木ということもあり、新しい発想で、美術というものを身近に感じてもらおうという意図もあるのだろう。

現在、開館記念展として「20世紀美術探検-アーティストたちの三つの冒険物語」なるものが行われており、せっかくなのでこちらを鑑賞する。「20世紀以降現代までの美術の展開と物質文明の関係を探る」というのが意図のようだが、広大な展示スペースを3つに分けて、さらにパーテーションで通路を区切って、実に膨大な数の展示。

で、並んでいるのはいわゆる「現代美術」の数々。いやー、わからん。何でこの「オブジェ」はこういうタイトルなんだとか、自分の何を表現しようとしているのかがわからん。これが実用に供する品物とか、工芸品ならわかる。でも現代美術とかアートというのは違うよな・・・。他の人たちも、何だか納得したような、腑に落ちないような、曖昧な表情で広大な展示スペースを回っていた。

P2251192今日、この国立新美術館を訪れることにしたのは、この美術館の設計者があの黒川紀章だからである。前の記事でも触れたが、4月の東京都知事選挙に出馬することを表明している黒川紀章。ちょうどタイミングがいいというのか、開館を記念して「黒川紀章展」も行われている。ひょっとして都知事選挙出馬は、私のような人間が美術館に訪れさせるための宣伝かいなと思う。

その「黒川紀章展」、ここは無料で鑑賞できる。まあ、氏がこれまでに手がけた建築物や都市計画の実績紹介というか、氏の思想の発表の場だから・・・。氏の著作か講演からの引用か、情熱的な文言に建築物の縮小模型が並ぶ。それでもまあ、モノが建築物だけに、先ほどの現代美術の数々の主題よりはよくわかる。

氏の著書も手にとって見ることができるが、その中の一冊に「都市革命 公有から共有へ」というのがあったので、パラパラとめくる。さまざまな面での「構造改革」が叫ばれる中、都市のあり方というのはどうあるべきかというのを論じたもののようである。パッと見た感じでは私的には面白そうだ。この会場では販売していなかったのだが、通販か何かで購入して読んでみようか。

P2251191話が都知事選挙のことになるが、世界的な著名度からすれば、石原都知事より黒川紀章のほうが断然有名である。ただ、政治の世界に身を置くのはどうだろうか。東国原知事がタレントをやめて県知事になるのとは、状況が違うと思う。大どんでん返しで都知事に当選してしまい、さまざまな問題に取り組まなければならないという状況を迎えるよりは、都政のアドバイザー的存在として、氏の得意分野である都市論をもとに政策提言を行っていったほうがよいのではないかと思う。反石原票が黒川氏に流れるのも、それはそれで結果的にはあまりよろしくないのでは・・・。

それはともかく、東京の新しいスポット、国立新美術館。これから人気のスポットになるように応援したいものである。

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