まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

節分・豆まき

2007年02月03日 | まち歩き

今日2月3日は節分。やはり豆をまいて、イワシを食べて、恵方巻き食べて・・・という意味で忙しい?日である。

この日は全国のあちらこちらの神社や寺で節分祭が行われている。せっかくなのでどこか行こうかな・・・と思って見ていると、東京メトロの沿線案内で、深川不動尊で節分会があるというのを見つけた。場所は昔ながらの風情の残る深川、門前仲町。そういえば門前仲町・通称モンナカというスポットにも行ったことがないなあと思いつつ、地下鉄東西線の門前仲町駅に降りる。

P2030760駅前に伸びる風情ある商店街。その中に、「みなとや」という。豆菓子・手作りおかきの店を見つける。今日は節分ということで、店頭はもう豆・豆・豆・・・。それこそ「鬼のように」豆が積み上げられている。せっかくなので、鬼とお多福の小さなお面の入った福豆を買い求める。北海道産の「袖振大豆」を使用するというのがこだわりとか。

P2030761さて、深川不動尊である。成田山の不動尊のいわば別院ということで、この地に建てられたのは明治の頃とか。よくニュースで成田山の節分の豆まきの様子が流されるが、こちら深川でも同じように大掛かりな豆まきを行うとか。豆まきが始まるまで時間があったので少し他を回ってから再び境内に来たのだが、もう朝の通勤ラッシュ以上の人出。そのうちに、豆をまく今年の年男・年女たちが本堂での祈祷を受け、一度参道を回ってから、舞台に上る。その間に、係の人が、豆まきを行う「有名人」たちの紹介を行う。その中には、小室哲哉、浜田光夫、淡路恵子、寺泉憲、倉石功、清水宏次朗、そして、王貞治を育てた荒川博・・・とかいうお歴々の名前が。こういう人たちも年男・年女なんだろうか。

P2030795 そういう有名人の名前を聞いて歓声が沸くと思えば、人ごみのためか早くも子どもの泣き声が聞こえる。そして、裃姿の豆まき人たちが舞台に上ると、周りに紙袋やらビニール袋が伸びる。そして、合図とともに豆まき開始。ここからは、もう人ごみでもみくちゃ。誰かがまくたびに、人の塊が右に左に揺れる。歓声とも悲鳴ともつかぬような声が響き渡る。

P2030799ここでの豆まきは、袋に入れた福豆をまくというもの。だからまだそれをキャッチするのに焦点が定まりやすい。私もカメラを抱えていたので右手一本という状況だったが、何とか袋3つをつかむことに成功。3つというのが多いのか少ないのかはわからないが・・・。

P2030767深川不動尊での豆まきを終えた大勢の人出は、そのまま隣接する富岡八幡宮に向かう。富岡八幡宮でも節分の豆まきがこの後行われるので、言ってみれば第2ラウンドか。実は深川不動尊での豆まきの前に一度富岡八幡宮のお参りだけ済ませたのだが、こちらも「門前仲町」という地名の由来になっただけあって、なかなかのスポット。

P2030782 まず、勧進大相撲の発祥の地であるということ。江戸時代に勧進大相撲が初めて行われたのが、この富岡八幡宮の境内だったそうだ。「横綱力士碑」というのが境内の一角にあり、現在の朝青龍に至るまでの歴代の横綱の名前が刻まれた石碑がある。横綱が誕生するとこの境内で土俵入りを奉納するのが恒例という。こういうのを見ると、早く次の横綱(それも日本人)の誕生というのを見たいという気持ちが強くなる。

P2030772 もう一つ有名なのが「富くじ」。「鶴の千五百四十八番」などという、落語のネタにも登場する富くじ。この八幡宮主催で行われたという。そして、この節分祭に合わせて、その名も「富くじ」の配布を行っていた。これがまた長い行列。ハワイ旅行や温泉の宿泊券があたるという。さすがに「鶴の千五百四十八番」とはいかないが、「いろはにほ」を組とした「富くじ」。(残念ながら、何も当たらなかったが・・・)

さらには、測量の神様・伊能忠敬が測量旅行の前には必ず参拝し、旅の無事を祈願したとか。その伊能忠敬を顕彰する銅像が建っている。うーん、これだけ面白いスポットなのに、なんで今まで来なかったのだろうか。江戸の雰囲気、いいじゃないですか。

さて、時間を豆まきの第2ラウンドに戻す。こちらでも年男・年女が豆をまくのだが、いろいろと神事が行われているようだ。うーん、「節分」の行事って、そもそも寺のものなのか、あるいは神社のものなのか。

P2030814ようやく、豆をまく人たちが舞台に登場する。こちらでは先の深川不動尊のように芸能人を呼んで・・・というのはなかったが、一番の注目を浴びていたのがこちらの「赤坂の芸者」たち。この人たちも年女ということで参加するようだ。さて、おしろいをつけているからわからないが、何回目の年女なんだろうか・・・・。(5回目とか6回目だったりして・・・?)

P2030804 このほかにも、こんな人も。オリンピックの中継とか、国技館での千秋楽なんかで、テレビに映るほうの席で金色の扇子を降っているアノおじさん。山田さんっていうんですね。皆が揃いの裃姿の中で、一人だけあのコスチュームで愛想を振りまいていた。

P2030809_1 あとは地味なところで、元巨砲の楯山親方とか。

P2030811 そして豆まき第2ラウンド開始。しかしここでは、豆をそのまままくのである。慌ててバッグから、先ほど「みなとや」で豆を買ったときに入れてもらったビニール袋を取り出す。私のいるあたりは赤坂の芸者衆や楯山親方がいるところなので、どうせならそういう人の豆を受け止めたい・・・と思ったのだが、ビニール袋を出してもなかなか入らないもんですな。またももみくちゃになりながら、ビニール袋に入ったよりも頭やら身体に当たった豆のほうが多いような。これってどうなんだろう?むしろ私が鬼なのか、あるいは都合のよいように考えれば、豆を当てられることで私の中の邪鬼が払われるとか・・・?

P2030817 こちらでの成果は豆20粒ほど。これも多いんだか少ないんだか。まあ、バラで飛んできたからな。でも、投げる角度からすればほとんどが赤坂の芸者衆からの豆だからな。よしとしようか。ちなみに、今回深川不動尊、富岡八幡宮での豆まきで使われた豆は、先ほどの「みなとや」が納品しているとか。

こういう節分を体験するのは初めてだったので、なかなか面白かった。これだけ大勢の人間がもみくちゃになり、一粒でも多くの豆を受け取ろうとするパワー。このパワーがあれば邪鬼なんていっぺんにぶっ飛んでしまうだろうな。この熱気を受け取って、今年も無病息災で過ごせますように。

P2030821 さて、豆まきでパワーを使ったので、せっかくなので「モンナカ」で飲むことにしようか。通りを一つ裏に入ると、なかなかの風情ある居酒屋が並んでいる。その中の一軒「山憲」に入る。魚介類を自分で七輪で焼く店で、店頭には空になったトロ箱、イスは、瓶ビールのケースに板を渡したもの、七輪の煙でいぶされた味のある内装、そして「幻の酒」ホイス・・・。ホタテを殻のまま焼いたのも粒が大きかったし。魚が旨い。値段はそれなりにかかるが、それだけの価値のある、味のある店だ。トロ箱には北海道とか東北など、漁業で有名な地名が書かれており、食材へのこだわりというのがあるのだろう。早い時間に入ったので席があったのだが、結構予約の客もいるようで、後から来た個人客が断られていた。なかなか人気の店なのだろう。このロケーションが下町らしいしね。私もホイスで気持ちよく酔わせてもらった。

P2030820「モンナカ」、いいじゃないですか・・・。また、お台場のスポットから江戸下町情緒まで幅広く備えている江東区というのもいいじゃないですか・・・。そんなことを感じたまち歩きであった。

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