まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

大内宿雪まつり

2007年02月14日 | 旅行記B・東北

P2110870_311日は「大内宿雪まつり」の2日目。町並みの入口から雪で立てた灯籠が並ぶ。昨夜は灯籠に灯がいれられていたという。そして、その灯籠のさらに両側には、茅葺き屋根の家々が立ち並ぶ。いづこも雪をかぶり、軒下にはツララが垂れ下がっている。これだけでも十分雪景色が堪能できるのだが、やはり例年はこんなものではないとのこと。それでも大勢の観光客が街道を行き来している。

P2110933この大内宿、元々は会津と下野を結ぶ街道沿いの宿場町だったのだが、鉄道や国道がこの宿場町を通ることはなかった。そのために「発展」から取り残された形になったのだが、逆にそれが昔ながらの風情を残しているということで、今ではそれが観光客を呼び込むことになっている。町の人にとっては複雑な気持ちかもしれないが。

P2110872まずは腹ごしらえ。ここ大内宿には、白ネギを箸代わりにしてそばをたべさせる店があるというが、長い行列ができていたので断念。まあ、そばが食べられれば普通の箸でいいかという気持ちで、「みなと屋」という茅葺き屋根の店へ。軒先では土産物を並べ、座敷やら土間で食事をするようになっている。囲炉裏もある。ここで会津地鶏のそばに、会津地ビール、そして、米をついてエゴマをあわせた味噌を塗って焼いた「しんごろう」という郷土料理を味わう。どこかの家にお呼ばれして昼をご馳走になっているような雰囲気だ。もともとは普通の民家だったのかもしれない。それが町の客寄せのために土産物屋に転業した・・・?まあ、野暮な推測はやめよう。

P2110881さて雪まつりのほうは各種イベントが行われているようで、ちょうど食事をしていた時間は、そばの早食い競争が行われていたようだ。優勝者にはそば粉一年分という「豪華」賞品とか。ステージの司会の声がスピーカーを通して集落に流れるので、今何が行われているのかがわかる。食後、その声をたどって行くと、元の本陣跡、今は「町並み展示館」という茅葺き屋根の建物がある広場がステージのようだ。ちょうど「クマ汁」の無料振る舞いの行列ができており、食後の私もそれにそそられて列に加わる。雪の蔵も建てられている。もっとも「今年は暖冬のため、雪が溶けやすくなっています。蔵の中には入らないでください」との貼り紙がしてあった。クマの肉というのを食べるのもおそらく初めてのことだが、よく煮込んであり、思ったほど臭みや固さもなく、おいしくいただけた。

P2110887その展示館の中でも囲炉裏の火が焚かれており、町並み見物で冷えた身体を暖める人が多い。雪と火の組み合わせ・・・冬の旅ならではの贅沢な味わいだろう。

P2110908 さて、雪まつりのほうは最後のイベントで仮装行列があるという。この日のエントリーは12組。さまざまな衣装に身を固めたグループがステージに集まってくる。そのたびにカメラが群がる。もっとも仮装といっても、この昔ながらの大内宿。その雰囲気にふさわしく、時代ものの衣装がほとんど。地元の子どもたちやら、商工会の青年部やら、東京から来た家族とか、福島のテレビ局のアナウンサーまで、顔ぶれもさまざま。その表情もさまざま。出発前にはステージで「アピールタイム」というのもあり、それぞれに笑いを取ったり、パフォーマンスを見せたり。

P2110893このお姫様、「高倉以仁王の側室・櫻木姫」に扮しているとか。以仁王といえば反平家の戦いののろしを挙げ、戦には敗れたもののその後の源氏の旗揚げに大きな影響を与えた人物。何でもその以仁王がこの地に落ち延びたという言い伝えがあるそうだ。そして櫻木姫も以仁王の後を追ってこの地にやってきたとか。集落の中に「高倉神社」というのがあるが、この以仁王を祭っている。これは初めて知ったことで、思わぬところで勉強になった。

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さて、仮装行列がスタート。こうして見ると、昔ながらの町並みの雰囲気とぴったり合っている。初めにこの集落に足を踏み入れた時に「時代劇のセットみたいやな」と思ったのだが、こうしてかつらや着物姿の人物を配すると、ぐっと雰囲気が盛り上がるから不思議だ。(中には非常に寒そうな感じの人もいたが)

P2110946行列が終わる頃には吹雪になり、まあ本当ならこのくらいの寒さなのだろうなという感じ。そして行列のほうは、この「白浪五人男」(といいつつも一人はかかしの人形だが)に扮したグループが優勝。その他、特別賞などもあり、観光客からの祝福を受けていた。その後、行列の人たちは展示館の中の囲炉裏に直行したのは言うまでもない。

P2110954冬のイベントの時に来たのでなかなか楽しかった。ただ、今度は季節を変えてのんびり、静かな雰囲気が味わえればなと思った。ぜひまた来よう。そう思ってさて湯野上温泉駅に戻ろう・・・とタクシー会社に電話したが、先の予約が詰まっており、いつ配車できるかわからないと断られる。現地にいたタクシーに相乗りを申し出たが「予約の客が先だ」とあっさり断られる。・・・ならば、雪中行軍か?道路を見ると雪の上に足跡が続いており、同じように歩いた人がいるのだろう。6キロくらいなら何とかなるか。

P2110957ということで、数多くの観光バスやマイカーに抜かれながら、また先を行く歩行者を抜きながら、1時間かけて湯野上温泉まで歩く。待合室では先ほど見た囲炉裏の火。いや、ありがたいもんですな。

ちょうどこの駅で列車交換。会津田島へ向かう客と会津若松へ向かう客が半々。私はこの先、この日の宿泊地である会津若松を目指す。ただ、先ほどまであれだけあった雪が、山を一つ越えると何もなくなっていた。会津若松駅前も路面は濡れているが積雪なし。夕食の場を求めてまた歩き出す・・・。(続く)

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