まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

岡本太郎とサザエさん(2)

2006年04月24日 | まち歩き

東急田園都市線で桜新町着。地下のホームから上にあがるとテントの姿が見え、大勢の歓声があがっていた。

20064_019 この23日は「さくら祭り」というのが行われており、道路が歩行者天国として開放され、多くの屋台やらバザー、地元の消防署による防災のPRコーナーや、水道局の「東京水」PRコーナーなどが並んでいた。もっとも、祭りにつきもののテキヤが大挙して店を連ねているわけではなく、あくまで地元商店街の主催による出店のようだ。

ソメイヨシノなどは東京ではとっくの昔に散っていたが(そういえば、桜前線が東京を過ぎると、あとの東北や北海道での開花状況のニュースがパタリと入ってこなくなるのはいかがなものかと思うのだが)、ここ桜新町の桜は遅咲きの八重桜が多いためか、見ごろは過ぎたもののまだまだ花もついている。「さくら祭り」にはまずまずふさわしい時期か。雨の予報が出ているが天気はまだ何とか持っている。

20064_029 さて、世田谷・桜新町といえば漫画「サザエさん」の舞台である。その名も「サザエさん通り」というのもあるし、いたるところにサザエさんやカツオ君の絵が街行く人に笑いかけている。

「さくら祭り」にはサザエさんも欠かせないようで、また今年は「サザエさん生誕60年」という。新聞の4コマ漫画として登場して60年である。現在放送しているアニメの「サザエさん」も、細かい場面こそ「今風」になっているところもあるが、家族構成やら年齢やらという基本的な設定が60年前とほとんど変わっていなかったり、4コマ漫画的な「ネタ」は繰り返し何度も出てきているが、見るものを飽きさせない。考えてみれば不思議なものである。

20064_026_1 ちょうど、道路上に設けられたステージでは「サザエさんとジャンケン大会」というのが行われていた。ステージ上にはサザエさん一家のパネルが並べられるとともに、特別ゲストとして、サザエさんの声を担当している加藤みどりさんも登場。あの掛け声でいつも番組の最後でやる「ジャンケンポン!」勝負、勝ち残った見物客には記念品がもらえるという。私も「ジャンケン」とやったが、2回戦以降先に進めず、残念ながら商品はもらえず。

「サザエさん」関係では、普段はお台場で売っている「サザエさん焼き」の屋台に行列。やはり人気というのはすごい。

20064_033 祭り会場を離れ、「サザエさん通り」を南へ。昔ながらのほのぼのとした感じの商店街を抜け、閑静な住宅街に入るとレンガ色の建物に出会う。ここが「長谷川町子美術館」である。元々は長谷川町子が生前から収集していた美術作品を展示した美術館。春ということで、桜を描いた絵画作品が見事。

ただ、見学客のお目当てはやはりサザエさん関係。磯野家の模型や家系図も並べられ、「へぇ~」を連発する見学客たち。さらには昔の漫画の解説やビデオ上映もあり、単行本も置かれて閲覧できるようになっている。私も単行本を取って、しばしニンマリとする。

基本的な4コマ漫画の「オチ」は今も昔も通じるものがあるが、四季おりおりのネタのほかにも、年代ごとに当時の世相や、新しく普及した家電製品などがネタとして取り上げられており、そのあたりに「変わるものと変わらないもの」を見る。その使い分けが、年代を超えて楽しめる漫画といわれる所以であろう。

20064_032_2 もっとも、私の知り合いにかつて「サザエさんの世界は、男性が偉そうにしていて、父親を絶対権力の持ち主とした旧弊な封建家庭であり、男女平等の観点から許されるべきものではない」とのたまっていた女性がいた。まあ、見ようによればそうなのかもしれないが、そういう見方でしか捕えられないのは悲しいことではないだろうか。波平さんやマスオさんが絶対権力の持ち主であるわけはないでしょうに・・・。

美術館でしばし楽しんだ後に、桜新町駅に戻る。「さくら祭り」を後にし、同じ世田谷の三軒茶屋に向かう。この街に降り立ったのは初めてだが、世田谷のランドマーク的存在の「キャロットタワー」に、昔ながらの雑然とした飲み屋街、住宅などが混在する独特の雰囲気を持つエリアである。

20064_037 この三軒茶屋から出るのが東急世田谷線。住宅の軒先をかすめて走るミニ電車で、広島電鉄の宮島線や、江ノ電のようなもの。新型のRTCタイプの車両が世田谷の街を行く。「サザエさん」には東急の田園都市線より、こちらの庶民派電車のほうがよく似合う。

青山、世田谷・・・山手線の内外で対照的な風情を感じることができる。

20064_041_1 なかなかに充実した街歩きであった。20064_045_2

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