まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

BCリーグ観戦記~福井対滋賀@敦賀(投手戦が延長戦に・・)

2018年07月03日 | プロ野球(独立リーグほか)
7月1日の敦賀での試合は「敦賀市の日」としての開催である。福井ミラクルエレファンツは福井をメインとしつつも、他に三国、丹南、敦賀、美浜、おおいと県内で幅広く試合を開催している。

12時に一般客の開門時間となりスタンドに入る。バックネット後方は屋根のあるスペースで、そこから埋まるかたちである。暑いのだがやはりネットが邪魔なので、一塁側の上段に陣取る。陽射しをモロに受けるが、この日は風が強い。スタンドの応援席の後部に福井の旗があるがずっとバタバタ言っていて、下手すればポールが折れてしまうのではとヒヤヒヤする。この日の観戦は、真夏の暑い部屋で扇風機の強風をガンガン回しているような環境。冷凍のペットボトルの麦茶もすぐに溶けそうだ。

福井を今季から率いるのは元ロッテ~ヤクルトの田中雅彦監督。本職は捕手だが内野もこなしていた。昨年から福井でコーチを務めたが今季は監督に昇格。まだ36歳と若く、試合前には自らノックを行い、試合中は三塁のコーチボックスに入る。そんな中で前期優勝は立派である。

試合前には地元中学のブラスバンド演奏や、福井国体のPRのダンス披露、そして敦賀市長の挨拶がある。

さて福井の先発は神戸(かんべ)。手持ちの選手名鑑に名前がないので途中加入かと検索すると、6月にオリックス・バファローズから派遣されてきたとある。おまけに、私も初めて見る投手ではない。今年の4月に舞洲で2軍戦を観た時に登板し、愛媛マンダリンパイレーツ相手に150キロ超の速球と110キロ台の変化球で苦もなく三者凡退に打ち取っていた。立正大学から育成ドラフトで入団して2年目。バファローズ1軍で中継ぎで連日登場の黒木のチームメイトである。本指名と育成の差は何だったのかは素人の私にはわからないが、2軍戦でもそれほど出番がないことから、このたびBCリーグへの派遣となったようだ。

バファローズは何やかんやで福井とご縁があるようで、かつては左腕の前田がBC初のドラフト本指名で入団しているし、その後も若手投手を派遣している。昨年でバファローズを戦力外となった塚田も今季は福井の投手として再出発だ。

バファローズの投手が出るのなら、滋賀相手といえども福井を応援しよう。

その立ち上がり、いきなり三振2つを獲るなど上々。ここまでリーグワーストの成績の滋賀打線は手が出ないだろうと思わせる。

一方滋賀の先発は長身のエース格の鈴木。1週間前に観戦した試合でも先発したが、中盤でリードを守りきれなかった。神戸に刺激されたか、四球は出すものの先週と比べて力強い投球を見せる。

4回裏終了までで両チーム無得点。神戸は被安打1、奪三振4、無四球。鈴木は被安打1、奪三振6、四球4。ただ、四球のランナーも盗塁失敗や牽制でおびきだしてアウトになっている。神戸がバファローズの投手ということを踏まえると、鈴木の頑張りが目につく。

この試合の最初のチャンスは5回裏。先頭の須藤がレフトへのフライが風に戻される形のヒットで出塁し、その後に木内のヒットで一死1・3塁とする。ここで1番松本を迎えるが空振り三振。続く小野瀬も凡退で無得点。

直後の6回表は2四球で滋賀がチャンスを作るが後続が凡退。この先、神戸、鈴木がどこまで投げ続けるか。

7回裏、福井は先頭の石井がヒットで出塁。終盤なので続く須藤が送りバント。これを鈴木がはじいてしまい、無死1・2塁となる。福井はチャンスを広げようと次の寺田がバントしたが、フライ。滋賀の捕手の寺田が気迫のダイビングでキャッチする。その後も続かず無得点。試合は福井が押しているように見えるが得点が・・。

そして8回裏。先頭の小野瀬が四球で出たところで鈴木が降板する。代わって出たのは左のアンダースローの長岡。先日、武蔵ヒートベアーズから移籍の投手で、ある筋に固定ファンが付きそうな投げ方である。続く左打ちの片山を三振に仕留めてお役御免。続いてパクが登板。

この場面で小野瀬が盗塁に成功し、打席の右打ちの清田(せいた)が右中間への当たりを放つ。終盤で福井に待望の先制点が入る。一塁側スタンドにイッチョライ節(福井音頭)の声が響く。8回裏ということもあってこれが決勝打ではないだろうか。

9回表のマウンドには引き続き神戸が向かう。バファローズに一回り大きくなって戻って来るにはここは完封してほしいところ。神戸も簡単に二死をとり、あと一人で試合終了というところで迎えるのは杉本。この当たりはレフトへ。少し前進していたレフトの頭上を越す二塁打となる。滋賀はこれで一打同点のチャンスとなり、4番のジョニーが登場。先ほどの打席は落ちる球を効果的に使って空振りの三振に打ち取っている。

ところがその初球、高めのストレートを振り抜いた当たりはライトの頭上を越える。9回二死から1対1の同点。三塁側の近江豪勝連合の面々は大喜びだ。神戸は何とか後続も打ち取るが苦笑いでの降板である。

9回裏、福井もランナーを出すが得点ならず、延長戦となる。BCリーグの規定では延長は最大で11回までで、3時間10分を過ぎると新しい回には入らない。また、照明がない球場などでは状況によって打ち切るそうだが、敦賀の場合は一応照明はあるし、ここまで速い展開なので最大11回まで行うことはできる。

10回表は、元阪神の岩本が登板。こちらも元NPBらしく滋賀打線をあっさりと抑える。10回裏は8回途中から続投のパクが抑え、11回に入る。神戸-鈴木の投げ合いの試合も継投試合になる。11回表は福井が3人目の左腕・日下部。ヒットと四球で一死1・2塁として、前の打席で同点2塁打のジョニーを迎えるが、4-6-3のダブルプレーで切り抜ける。これで滋賀の勝ちはなくなり、後期初勝利とはいかなかった。

最終回となる11回裏、滋賀は4人目に先発要員のロレンゾを持って来る。先頭の木下が四球で出るが、続く須藤のバントは二塁封殺。最後は途中出場の山根のところで3-6-1のダブルプレーで試合終了。11回まで戦って1対1の引き分けである。

試合時間は3時間19分ということで、野球の試合とすればそんなものだろう。引き分けということでお互いにお辞儀をして終りである。ただ試合直後、私は球場前に停めていたスポーツサイクルにすぐさままたがっていた。独立リーグの試合なら、終了後のホームチームの選手たちの「お見送り」が楽しみの一時で、選手や監督、コーチのサインもいただける時間なのだが、この日は1分1秒を争う勢いで自転車に乗った。

実は帰りに予約していたのが敦賀16時42分発の特急サンダーバード32号である。試合終了が16時20分で、球場から敦賀駅までは4キロあまり。もし試合が9回で終了していれば、「お見送り」の時間も過ごした後でも間に合う時間だっただろうが、まさかの延長11回である。ただ、急いでペダルを踏めば間に合うかもしれない。そういう思いで球場を後にした。結構ペダルが重く感じるが、何とか少しずつでも駅の方面に向けて走る。

・・・その結果は、確かに球場から20分で駅前まで戻ってきた。ただ、道路から駅を見る方向にちょうど特急車両が停まっていて、そろそろと出発するタイミングだった。もう3分あれば間に合ったと思うが、これは失敗。それなら、試合終了後に「お見送り」の時間を過ごせばよかったかなと思う。

この次は17時56分発のサンダーバード36号。JRの規則では、指定席を買っていた特急に乗り遅れた場合、後続の特急の自由席なら追加料金なしで乗ることができる。しかし、ここはあえてサンダーバード36号の指定席をもう一度お金を出して購入した。敦賀から自由席に座ることなどできないだろうし、無理に自転車を飛ばして乗り遅れた自分へのペナルティでもある。そもそも、野球の試合というのは長引くものだから、最初からサンダーバード36号の指定席を押さえておけばよかったのだ。

列車までの待ち時間は敦賀駅構内の待合室で過ごす。17時30分になると、待合室内でFBC福井放送を流しているテレビから「笑点」のテーマ曲が流れてきた。ああ、もうそういう時間なのか・・・と、前半部分だけテレビのほうに体を向ける。まさかこの放送の翌日、長くこの番組に登場していた桂歌丸さんがお亡くなりになるとは・・・。

帰りの特急は運よく1列の2席とも空いており、実質2人分のスペースを使いながら大阪まで乗ることができた。昼間は(自転車の)飲酒運転につながる恐れがあるとしてビールは飲まなかったが、敦賀駅内のコンビニで買ったものをしっかりといただく。今年も猛暑になる見込みの7月の初日、まず景気づけということで敦賀での1日を楽しんだ次第である。

BCリーグの後期も始まったところで、この先暑い中で観戦の機会はあるかどうか。また、四国アイランドリーグとの独立リーグチャンピオンシップにそれぞれどのチームが進出するのかも気になる。またこれからが楽しみだ・・・、
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