カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

なるほど、っていうか意味は分からなかったけど   さよならくちびる

2022-02-17 | 映画

さよならくちびる/塩田明彦監督

 バイト先で知り合った二人は、ギターデュオを組んで街頭で歌うようになる。なかなかにいい感じなので、たちまち評判になってあちこちで声がかかるようになり、マネージャー兼バックギター&その他もろもろでシマという男を雇うというか、ともに行動するようになる。どんどんと、そして堅実に人気を集めてツアーに出るまでになるのだったが……。
 最初から「解散」することが宣言されている。だからそれは、それまでのことの顛末であるはずである。同時進行のようでいて、過去の出来事が時々挿入される。時系列はバラバラで、髪型などでだいたいの時期を想像するよりない。しかしまあ、なんとなくは事情が明かされてはいくのだが、正直言って最後まで僕にはよく分からなかった。仕方ないので観終わってサイトで確認したりして内容を知ると、これまたなんだかそうだったっけ? という感じかもしれない。演出が悪いんだろうと思うが、僕の理解を越えてはいる。
 最近の映画的な流行りのLBGTQ問題もあるんで、それが分からないのか? という意味ではない。それならもっと素直にわかるんだけど、だからと言ってそうならないような気がするのが、分からない理由の第一である。そんなに気を遣うものではない。ある意味仕方ないし、葛藤はあるのだから、逆側がキレてもしょうがないんじゃないか、と思ってしまう訳だ。そうしてやっぱり気を使いすぎて傷つくようだし。せっかくめんどくさい状況なんだから、やっぱり語り合う機会がもっと欲しかったという感じかもしれない。男のシマの状況だって、過去に執拗に絡む男たちが分かりにくすぎる。そういう妬みは、もっとストレートではないのではないか。
 おそらくこの映画の目の付け所のデュオはいいのである。三曲しかやらないけど、ほとんどそれで引っ張っていると言ってもいい。だから引っ張りすぎかな、ということではあるんだけれど……。歌もうまくて演技もいいという役者さんはたくさんいるけれど(芸能としての相性がいいというのもあろう)、適度に素人のような感じのまま、それなりに非凡だという雰囲気は出ていると思う。やっぱり売れる人たちって、こういうものを持ってなきゃ厳しいってことなのかもしれない。そういう映画じゃないってことは分かってますが……。
コメント
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