RVコレクターズエディション/バリー・ソネンフィルド監督
2006年公開のチョイ古映画。当時はまだロビン・ウィリアムズも現役だったということか。上司の命令で休みのハワイ行きを断念せざるを得なくなるが、代わりの出張先へRV(大型のキャンピングカー)で、家族で旅行しながら現地に乗り付けるというアイディアを思いつく。
子供が小さい頃はパパは愛されしあわせだったが、年頃になると悪態はつかれるわ、邪険に扱われ、まったく尊敬されなくなっている。仕事のために楽しみにしている家族旅行を断念させることは、断固できない相談なのだ。
しかしながら既に崩壊の様相を見せている家族が車の中で長時間一緒に過ごすことで、まったくもっと最悪の状態に陥っていく。キャンプ慣れした怪しい家族にもつきまとわれ、夜中に仕事のプレゼンテーションを作成し、ネット環境が悪い中資料を送信しなければならない。
しかしながらそのような最悪体験を通しながら、期せずしも共同体としてパパの奮闘が徐々に家族に理解されていくのだったが…。
当時あったハチャメチャなアメリカンコメディで、ちょっとあり得ないハプニングが続いていく。それなりに偏見もあって、価値観の違いを認めたがらない文化も垣間見える。ヒッピーとの文化の違いは、一種の階級のような付き合い方の違いがあるのかもしれない。
まあなんということのない娯楽作品なのだが、アメリカでは大ヒットし、日本ではそんなに話題にならなかったような気がする。分かりやすくバカバカし過ぎる所為ではないか。良くも悪くもアメリカ的な表面的な価値観の共有は、真実がよく分からないからこそ成り立っているのかもしれない。日本はリアルではそういうものは無くてもやっていける。だからむしろこんなことを父親がやってくれなくても信頼しているし、やってくれると面倒くさくなって崩れてしまうのではないか。最後に会社との関係を考えると、ハッピーエンドが違うような気がしてならないのであった。