ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

日本経済復活のシナリオ2~宍戸駿太郎氏

2010-10-13 08:46:41 | 経済
●財政出動の追加による需要創出が脱デフレの道

 最初に、宍戸氏が主張していることの概要を示すため、本年(22年)4月、産経新聞のインタヴューに応えた記事を転載する。

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●産経新聞 平成22年4月1日

http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100401/fnc1004012008017-n1.htm
【政策を問う】宍戸駿太郎・元国際大学学長 財政出動の追加による需要創出が脱デフレの道
2010.4.1 20:04

--過去最高の92兆2992億円となる平成22年度一般会計予算が成立した
 「最高といっても当初予算ベースの話。補正予算を含んだ決算ベースの財政支出の規模は前年度を上回れないのではないか。鳩山政権は夏の参院前の補正予算編成をもくろむだろうが、1~3月期のGDP(国内総生産)統計は景気拡大を示すと予想され、補正予算による財政出動の追加は簡単にはいかない」

--物価が継続的に下落するデフレを克服するには
 「財政出動による需要創出以外にない。ただ、財政当局は(国が国債を発行しすぎて債務不履行になる)ソブリン・リスクを警戒し、国債増発に二の足を踏んでいる。そうならば日銀が既発債の購入を増やして財政出動を支えるべきだが、日銀は発行済み日銀券以上は国債を持たないという自己規制ルールに縛られている」

--国債増発による悪性インフレを警戒する意見もある
 「インフレは起こり得ない。戦後のインフレは、燃料や食料が海外から入ってこなくなり、闇市が形成されるなど決定的なモノ不足のなかで発生した。今は逆にヒトやモノが余っている」

--財政悪化による長期金利の高騰も心配される
 「財政破綻が問題化したギリシャは、経常収支の赤字が続いてきた慢性的な貯蓄不足の国だ。しかし、日本は今も経常収支が黒字で、豊富な外貨準備や世界一の対外純資産を持つ。家計部門の貯蓄率が落ちてきているとはいえ、貯蓄も過剰な状態が続いている。金利高騰論をあおっているのは、一部ヘッジファンドなど投機筋の思惑だ」

--需要創出の具体的なアイデアは
 「税制上の特別措置で固定資産の減価償却期間を短縮してはどうか。米レーガン政権でも即効性があった加速償却制度で、萎縮している企業の設備投資意欲を改善し、環境問題に対応した設備への更新などが全産業で起きるだろう。踏切の立体化や電線の地中化など都市型公共投資も即効力がある」

--その分税収が減る
 「償還期間が5年の中期国債を特別増発すれば、企業収益の向上で法人税などが増え、7割を償還できる。通常の償還期間10年の国債なら完全な償還と需要創出を両立できるはずだ。財政出動で家計と仕事と医療を満たせば人口は必ず増えて経済は拡大し、財政問題もおのずと解決する。縮小均衡論に惑わされてはいけない」

--財政出動の追加には政治調整が必要になる
「有給休暇の完全消化を義務づけるなど、すぐに打てる手もある。環境、健康、観光といった分野に即効性があり、財政支出を追加しなくても初年度から景気拡大、雇用創出、税収増の効果が見込める」
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 次に、宍戸氏が本年8月、別のインタヴューに応えたビデオがYoutubeに掲載されているので、その所在を示す。通して見ると1時間を超えるが、話が明快で面白く、分かりやすい。一気に見ることができるだろう。お勧めである。

【IMF・財務省・内閣府モデルからの脱却 時代は積極財政!】
(2010.8.16掲示)
 
パート1
http://www.youtube.com/watch?v=u-3Vh4vzKT0
パート2
http://www.youtube.com/watch?v=uSuRAYsdguE&feature=related
パート3
http://www.youtube.com/watch?v=cjS8W-RuX4o&feature=related
パート4
http://www.youtube.com/watch?v=aSeKANEHXfk&feature=related
パート5
http://www.youtube.com/watch?v=jrGpaI7kROM&feature=related
パート6
http://www.youtube.com/watch?v=Pqq_EtrKNvA&feature=related
パート7
http://www.youtube.com/watch?v=AypWu9tdlxw&feature=related
パート8
http://www.youtube.com/watch?v=3PBjdY8J6YI&feature=related

 次回に続く。