ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

衆院代表質問、菅首相が陳謝

2010-10-08 09:29:15 | 時事
 6日の衆院本会議で自民党の稲田朋美議員が、代表質問に立った。
 稲田氏は、歯に衣着せぬもの言いで、「民主党が掲げたマニフェストはウソだらけの、サギとも言うべきマニフェストでした」と述べ、菅首相を厳しく批判した。
 私が特に注目したのは、尖閣沖事件についてである。稲田氏は「ぶざまな敗北」と断じ、「総理になる資格のない小沢さんと、総理を続ける能力のない菅さんが、コップの中の醜い権力闘争を繰り広げていた、その政治空白期に起きました」「菅内閣が『腰抜け、ぶれた』という国民の批判を恐れ、検察に政治責任と説明責任を押しつける、卑怯者内閣であること」「この問題は、民主党政権の外交姿勢そのものの甘さにあるのです。鳩山前総理は、そんな甘い認識だから、『友愛の海』などと寝とぼけたことを言っていたのです」と指弾。
 稲田氏は、菅首相に「官僚の用意した原稿を読まず、首相自身の政治家としての言葉で答えてほしい」と要望した。

 答弁に立った菅首相は気色ばみ、「私も野党時代、かなり厳しい言葉を使っておりました。しかし、これほど汚い言葉は使わなかったつもりであります」と声を荒げた。また、「『原稿を読まないで答弁しろ』というなら、原稿を読まないで質問するのが筋だ」と応酬した。
 尖閣沖事件について、首相は「中国人船長の釈放については、検察当局が国内法に基づき、事件の性質等を総合的に考慮して、最終的な判断を行ったところであり、その判断は適切なものであったと認識をいたしております」と述べた。また、「日本外交そのものの判断を検察当局に委ねたという認識は、まったくありません」と断言した。だが、中国語の通訳を伴わなかった中国・温家宝首相との「会談」の内容については、「エ~、温家宝首相とのオ~、間でエ~、まずウ~」とはっきりしない。「フジタの社員の問題については、並行して、現在も交渉を続けている」と、中国で残り1人拘束されているフジタ社員の釈放を要求したかについては、明らかにしなかった。
 私は昨日の日記に、菅首相と温首相の話し合いは、「立ち話」「交話」にすぎず、首脳会談と銘打てるものとは思われないと書いた。代表質問での答弁を聴いても、菅首相の報告は無様である。

 代表質問終了後、菅首相は「原稿を読まないで質問するのが筋だ」などと答弁したことに対し、野党から反発を受けた。翌7日午後の衆院本会議で、「昨日の本会議で私の発言に関し、不適切とのご指摘を頂いた。ご指摘を真摯に受け止め、以後、与野党が十分議論に臨めるよう努めたいと思います」と首相が陳謝した。
 答弁における菅氏の発言は、日本国の首相としての品位を欠く。稲田氏に痛いところを突かれてあせったのか、短気を起こし、「イラ菅」と呼ばれる地金が出た感じである。一方、稲田氏は「ウソだらけ」「サギ」「卑怯者」「寝とぼけ」などとキツイ言葉を連発していたが、それは多数の国民の声を代弁するものでもある。質問に立つ稲田氏の姿勢には日本の主権・国益・誇りを守りたいという意志がみなぎっていた。女性に対して「国士」という言葉を使うのは異例かもしれないが、稲田朋美氏は、現代日本の国士である。