”シェーン” 白馬の騎士伝説とアメリカニズム
2013(平成25)年4月12日 東京図書出版 発刊 著者:青木 利元
すこし前にこれと同じ本で「 真昼の決闘 」を載せましたが、この「 シェーン 」 の方が先に発売になっていたのです。大きな本屋さんを何度覗いても置いてなくて 先日やっとある本屋さんで見つけました。1953(昭和28)年公開の 「 シェーン 」 という西部劇はもう名作ですからこの本はきっとかなり売れたのでは・・・・・・と推測しているんですが、おそらくは年配層に興味を持たれる本(140ページ)だと思うんです。 私も例にもれずこんな本は見つけたら衝動買いする方です。 目次は次のような具合
01.はじめに・・・・・グランド・テイトン国立公園「シェーン・キャビン」にて
02.「ピア」の評価の検証
*「シェーン」はリアリズムの映画化
*少年の目線
03.秘めたる慕情・・・・・マリアンとシェーン
*シェーンをあまり好きにならないでね
*ジョー、私を抱いて、きつく抱いて
*俺よりももっとお前を大事にしてくれる人がいる
*私のためにそうして下さるの?
04.シェーンとはいったい何者なのか
*原作と映画の違い
*ホワイト・ナイトとブラック・ナイト
*伝道師・シェーン
*滅びゆくガンマンの挽歌
*男には自分の生き方があるんだ、ジョーイ
*「シェーン」はモダン・ウェスタンの先駆け?
05.1953年4月23日、ニューヨーク、「シェーン」の公開
06.映画史における「シェーン」の位置
07.最後に
08.出演者たち・・・・アラン・ラッド、ヴァン・へフリン、ジーン・アーサー、ブランドン・デ・ウィルデ(子役)、ジャック・パランス、ベン、ジョンスン
09.監督、ジョージ・スティーヴンス
10.あとがき
「シェーン」についてはもう語り尽くされているのであまり新しい発見はありませんが、映画の中に出てくる音楽についてはそれほど述べられていないのではと思います。讃美歌の ”Abide With Me ” が2回歌われます。独立記念日の野外パーテイの時とジャック・パランス扮する殺し屋ウィルソンに射ち殺されたトーレーの葬儀の場面。この歌はカントリー歌手のセイクレッドアルバムにも出てくるくらいですから古くからある賛美歌なんでしょう。私はジミー・ディーンの Sacred album での名唱が一番印象に残っています。
日本では西部劇名作のベストテン以内に必ず出てくる「シェーン」なんですが、アメリカでの評価がどうなのかいつも気になっていました・・・・・この本でそのことが述べられています。
アメリカ映画協会(AFI)の1997年の順位で「アメリカ映画ベスト100」で69位。2008年西部劇部門で3位、AFIの2007年順位で45位だったそうです。 著者は今後も順位があがっていく可能性が大であると推定しています。私個人としてはアメリカでもそれなりの評価がなされていることを知って安心、人情というのはあまり変わらないんですね。混迷の続くこの世の中で制作から60年以上経っている映画の普遍的な人気の源泉は何なのでしょうね
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