西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

カウボーイ ソング ー24- [ オムニバス ]

2008年11月09日 | カウボーイ・ソング
米国盤 Historical Records HLP-8007 The Plains Of Alberta   A Collection Of Early Cowboy Songs
(1)Old Alberta Plains (2)The Cowboy's Heavenly Dream (3)Midnight The Unconquered Outlaw /・・・・ 以上 Montana Slim    (4)Whoopie Ti Yi Yo (5)Strawberry Roan /・・・・ 以上 John White (the Lonesome Cowboy)    (6)Headin' For The Rio Grande /・・・・ Tex Ritter (7)Little Joe The Wrangler (8)Bury Me Out On The Prairie (9)Ramblin' Cowboy (10)Strawberry Roan /・・・・ 以上 Edward L. Crain (Cowboy Rogers) (11)Home (12)Night Time On The Prairie /・・・・ 以上 Fred Kirby 


僕は仕事に疲れたり、いろいろな事に神経をすり減らす日々が続いたりする時にはいつもCowboy Songを聴くことが多いです。カウボーイソングは喧騒な世の流れとか流行には全く無縁ですが、かといって輝いていないか・・・・というとそんなことは無くてたんたんと個の世界を保っている、という歌だと思います。今でもそんな音に逢うとレコード(CD化されていないものが多いので)を買ってしまいます。

詳しく書いてある解説を概訳してみると・・・・・「 牧畜王国の栄光の時代は南北戦争の終わりから1880年代末までのわずか25年間に過ぎません。想像豊かな脚本家達がこの短い期間を題材にしたもの ( 西部劇映画や西部に関する本なんかを指しているんでしょう ) を沢山生み出した割には件(くだん)の当事者達( カウボーイなど )はそれほどの身入りにはならなかったようです。
リオ・グランデからカナダのアルバータに到る平原を埃だらけになって Longhorn cattle を追うカウボーイ達がいたからこそ私達はこうしてあの時代を偲ぶ一連のカウボーイソングを聴くことが出来るんだと思います。
カウボーイソングは色々な理由から生まれました、淋しさをまぎらすためであったり、一日の終わりに Chuckwagon( 炊事用馬車 )の廻りに集まってシチューやコーヒーをすすりながらの談笑の時に面白い出来事、悲しい出来事などを題材にして・・・・です。 「 Git Along Little Dogies( 別名 Whoopie Ti Yi Yo )」 などはカナダからメキシコまで歌われており、無数のヴァージョンが知られています。
1889~90年の間に COWBOY SONG を収集して廻った N.Howard ”Jack" Thorp によると、”カウボーイなら誰でも多少はこの歌は知っていてね、ちょっと酒が入ったり給料日に町にしけこんだりするとまた新しい歌詞が付け加わる・・・・・てなもんなんだよ ”とのこと。
”Jack ”Thorp は1898年にニューメキシコの Chimney Lake からテキサスの Higgins まで牛追いを経験した時に、有名な ”Little Joe The Wrangler ” を作ってニューメキシコの WEED にあった Uncle Johnny Root のサルーンで 古謡 ”Little Old Log Cabin In THe Lane ” に合わせて歌ったのが最初だと云っています。

また、Curley W. Fletcher の不朽の名作 " Strawberry Roan " はアリゾナの新聞社 Globe に ”The Outlaw Broncho ” という題で初めて出版されたそうです。
”Jack ”Thorpは 1908年にニューメキシコ州 Estanica で最初のカウボーイソング集を出版しています。後の John A.Lomax ( アメリカ民謡の収集家として有名で、1910年に ”Cowboy Songs and Other Frontier Ballads ” を著した )や Carl Sandburg 、Badger Clark といった人達もこの本がユニークな COWBOY SONG 集であることを認めています。」・・・・・・・などが述べられています。   

ところで、カウボーイソングのレコーディングについて次のように書いてあります・・・・・「 The early period of Cowboy Song recording is confusing and mysterious. They were considered oddities and non-commercial( 商売にならない陳腐なもの ) by most record company executives( 重役 )・・・・・・テキサスのカウボーイだった Carl T. Sprague が ニューヨークで ”When The Works All Done This Fall( 秋の終わりに )” を録音する1926(昭和元)年までは authentic version は実際にはレコーディングされませんでした。このレコードが1927(昭和2)年に数万枚近く売れたために From that point,Cowboy Songs have become standard repertorie in the industry.」・・・・・・と。   

これで思い出したのですが、Wyoming のロデオチャンピオンでカウボーイ歌手でもあった故 Chris LeDoux( クリス・ルドゥー ) が自作のロデオ ソングやカウボーイソングを Nashville のレコード会社に売り込みに行った時 ”今時 カウボーイ物なんて~ ” と、どこも取り合ってくれなかったので1972(昭和47)年頃からLPレコードを自費出版し続け・・・・・その後の成功につながった、といった話をきくといつの時代も同じだなあ( レコード会社は全ては money making )と感じます。
さて、(1)~(3)モンタナ・スリム( Wilf Carter )はヨーデルを入れたギター弾き語り 、 (6)Headin' For The Rio Grande のテックス・リッターは素晴らしい雰囲気のアコーディオン入りの Singing Cowboy スタイル、(11)Home 、(12)Night Time On The Prairie を歌う Fred Kirby は 素朴なフィドル、ギター、スティールギターを伴奏に素晴らしい歌唱力で歌う優れもの、他の John White と Edward L. Crain はもっと素朴でヨーデル入りのギター弾き語りと時折り入るフィドル( バイオリン ) が素敵だ。

ジャケットがとてもよくて、馬に乗った若い Cowboy、 Cowgirl 達が山麓の草原に一列に並んでいるものでLPならではの味わいです。  こうした音源がCD化されて出て多くの人に聴けるようになるといいのになあと思うばかりです・・・・・

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