Sacred Song について・・・・・・
米国盤 King Records K-111 Brown's Ferry Four Sixteen Sacred Songs Vol 2
(1)Will The Circle Be Unbroken (2)Just A Little Talk With Jesus (3)If We Never Meet Again (4)The Lord Is Watching Over Me (5)Everybody Will Be Happy Over There (6)Hallelujah Morning (7)When The Good Lord Cares (8)Over In The Glory Land (9)When He Blessed My Soul (10)I'm Naturalized For Heaven (11)When He Calls His Reapers (12)Throne Eternal (13)I'll Meet You In The Morning (14)Jesus Hold My Hand (15)We Should Walk Together (16)There's A Page In The Bible
日本盤 Monument Records M-1111 Grandpa Jones Remembers The Brown's Ferry Four
(1)On The Jericho Road (2)I'll Meet You In The Morning (3)When I Get To The End Of The Way (4)No Tears In Heaven (5)Gone Home (6)Turn Your Radio On (7)Keep On The Firing Line (8)Just Over In The Glory Land (9)Old Camp Meetin' Time (10)Empty Mansion (11)The Glory Land Way
カントリー系( Country & Western, Bluegrass ) の音楽では昔から必ずといっていいほどセイクレッド ソングが出てきます。宗教的な-とか信仰に根ざした歌なので Country Music が好きといってもこの Sacred Song については私達日本人にはいまひとつ解りずらいところがあります。 Sacred song, Hymn, Gospel・・・・・などと呼ばれてメロディラインのきれいな曲がたくさんあって素晴しいと思うのですが、これがどういうことを意味するのか、呼び方が色々あるのは何か違いがあるのか、どういう時に歌われるのか、などはよくわからないです。 若い頃から歌う人もいれば、盛りを過ぎてからゴスペル専門みたいになった歌手など様々ですし、この手の歌をほとんど歌わないカントリー歌手もいます・・・・・「 懐かしの~ 」でいえばジミー・ロジャースをはじめボブ・ウィルス、ハンク・トンプソン、レフティ・フリッツェルなんか歌っていませんね。 また、欧米系の人達にはこの歌(賛美歌など)はこんな時に歌うのであってそれ以外では歌わない、歌ってはいけない・・・・・などの暗黙の決まりごとがあるように思えて 適当に歌っていると ”エッ、なんでこんな時に? ” なんてことがあるのではないでしょうか。
手がかりになるようなことが Browns's Ferry Four のアルバム解説に載っていました・・・・・・以下はその訳です・・・・・・
”What is the appeal of Sacred Music ?(セイクレッドソングの魅力とは一体何でしょう)”この問いかけに対してこれまでにも沢山の答えがありましたが今日この問いは依然として続いています。多分連綿として続くセイクレッドソングへの best answer の一つに ”Sacred Song はあらゆる信仰の人達に訴えかけるもので、これらの歌は音楽として作られたがゆえに音楽は永遠のものになりうるのだ、それは永遠に続くことになろう”というのがあります。これは大袈裟にすぎるように思われますが sacred song の詞と音楽にはそれを聴く人達との間にゆるぎない確かな継続性があることを思うと、セイクレッドソングが持つ永遠性すなわち何百年も続いてきながら今日でも同じように受け入れられるものであるということは否定できないものです。同様に同じ詞と音楽がこれから先何百年も受け入れられていくであろうことは容易にいえることです。
流行歌(flash song)はヒットパレードをパワフルに席巻してはすぐに新しい曲にとってかわられますが、 sacred music は何年にもわたって人気を保ち続ける-といったことがあります。毎年のように多くの新しい sacred song が生まれて すぐに世界的に受け入れられていきますが、その愛好者達のふるいに欠けられて生き残った歌というのはすぐに消えていったりはしません。流行歌のように新しい sacred song にとって代わられるなどということもないのです。このことは sacred music の特異なところです。セイクレッドソングの song list が増えることはあっても決して無くなることはないでしょう。多くの人にとって sacred song は創造的なもので、審美的な経験です。また別の人にとっては瞑想や平和を喚起させるものです。
sacred music は個人的なものです。それはある個人の聴き手のために書かれたものであり自分流に解釈されたものです。このアルバムでは色んな趣向に応えるべく16曲の sacred song をとりあげました。曲によっては創造的だったり審美的だったりですし喜びに満ちあふれたものだったり悲劇的なものだったりです。 解釈の仕方は今日ではレコードから得られるものでしょう。Sacred music の愛好者の間では The Brown's Ferry Four は何年にもわたってトップグループでした。
<ひとこと>
私の考えですが、解説の中に ” Sacred music is written for the individual listener to be translated in his own way. ” という文章がありますがこれが key sentense で、全てを言い当てているように思います。
ハンク・ウィリアムス作の一連のセイクレッド集とかクリス・クリストファーソン作の名曲 ” Why Me ”、古いカントリー歌手スチュアート・ハンブレン作の ”It Is No Secret ”とか ずっと以前にブログに載せたチッキー・ウィリアムス作の ” Beyond The Sunset (夕日の彼方に)” なんかもこの文章のように個人的に自分流の思いを託した歌だったものが多くの人に受け入れられたものなんだと思います。 有名な賛美歌だって大昔に遡れば同じような状況で出来た歌なんでしょうきっと。多くの人のふるいにかけられて残った歌というのは強いですね。
グランパ・ジョーンズには直接は関係なかったですが The Browns Ferry Four という過去のグループを通じて Sacred Song がどんなものであるかの一端を知ることが出来たように思います。 最後に赤いジャケットのレコードは後年になってグランパ・ジョーンズがその想い出として Monument Records 時代に出したものを日本のレコード会社が出してくれたものです・・・・地味な企画なのであまり売れなかったかもしれません(私も珍しいものとは判っていても発売当時買わなかったです、ずっと後になって500円位になっていた中古LPを見かけて買いましたが ほとんど新品同様でしたから買っていた人も何回もは聴かなかったんだと思う)