The Louvin Brothers (1)
米国盤 Hilltop Records JS-6036 Ira & Charles Louvin
(1)Too Late (2)I Don't Believe You Met My Baby (3)Nobody's Darlin' But Mine (4)Where Will You Build (5)Tennessee Waltz (6)I Cried After You Left (7)Hoping That You're Hoping (8)Take Me Back Into Your Heart (9)Here Today And Gone Tomorrow (10)In The Middle Of Nowhere
ルーヴィン・ブラザーズの歌を初めて聴いたのは「Alabama」という曲だった。単調だけれどきれいなメロディにのせたアラバマ州のお国自慢ソング。今の時代のカントリーシーンではとても時流には乗れそうもないサウンドです、でも何故か心洗われるような兄弟のデュエットソング・・・でした。
このレコードはキャピトルレコードの原盤を使った廉価盤で、「Alabama」は入っていませんが珍しく「テネシー・ワルツ」が入っています。生ギター、マンドリン、エレキギターだけの簡単な何ともいえないヒルビリーの香り豊かな「Tennessee Waltz」の趣きは決して他では得られないものと思っています(私感)。 裏に二人についての簡単な解説があります、調べたものを補足しながら訳して載せておきます・・・・・・・
「アメリカの Country Music の歴史の中には数多の兄弟グループがありました・・・・・Everly Brothers、 Delmore Brothers、Wilburn Brothers などで、このアイラ(1924~1966年 flat mandolin 担当)とチャーリー(1927年~現在 ギター担当)のルーヴィン・ブラザーズもそうです。 ルーヴィン兄弟には沢山の Country & Western ヒット曲がありましたが、とりわけ Sacred song(賛美歌などの宗教的な歌) の分野に優れた作品があって”Nearer My God To Thee”、”The Family Who Prays”、”The Weapon Of Prayer”といったLPアルバムは特筆に値するものです。
アラバマ州 Henegar 近郊の小さな農村で生まれ育った兄弟はごく若い頃から曲を作っては歌っておりました。第二次世界大戦に先立って軍隊に入る以前にテネシー州 Chatanooga でのタレントコンテスト優勝をきっかけにショウビジネスの世界に飛び込んでいったのでした。しかし、ささやかな成功でしかなかったので生活のためには農場での仕事と演奏活動を兼ねるといった状況が続いたのでした。
戦争が終わってしばらくして兄弟にビッグチャンスが訪れます、それはテネシー州 Knoxville にあるラジオ放送局 WNOX の”Mid Day Merry Go Round”という番組に”Smiling” Eddie Hill(1921~1994年テネシー出身 一時期兄弟とグループを組んでいたカントリー歌手。米国カントリー界ではそこそこ名前が通っていたようです) が契約をとりつけてくれて、弟のチャーリーが朝鮮戦争で兵役にとられるまで出演は続きました。
しかし、チャーリーが兵役を終えて帰ってきてからの事態は思わしいものでは有りませんでした。二人はメンフィスの郵便局に勤めながら合間にラジオショウに出演する・・・・・といった生活を続けます。 そんな中、1950年代中頃に Capitol レコードのプロデューサー Ken Nelson(1911~2008年ミネソタ州出身 Capitolレコードの名物プロデューサーで、同社所属の往年のカントリー歌手のほとんどのレコーディングに携わった人・・・・・2001年に Country Music Hall Of Fame に選ばれている) がたまたま兄弟が歌う sacred song を聴いて-誰が作ったのか・・・・・と尋ねたところ、それを作って歌っているのがまさに本人達であることを知って驚き、メンフィスまで出向いてキャピトルレコードと専属契約を結んでくれたのです。 以来、ルーヴィン ブラザーズはキャピトルから数多くの sacred 、Country & Western のLPレコードを出すようになったのでした。
ルーヴィン兄弟の成功は過去10年間に受けた数多の賞に表されています・・・・・
Billboard's "Favorite C & W Small Vocal Group (1958 and 1959)"
"Best Sacred Group" Trail Magazine (1958)
"Most Programmed Vocal Group" Cash Box Magazine (1957)
そして1956年にはその作曲能力の高さに対してBMIから2回表彰されてもいます。1955年にはGrand Ole Opry のレギュラーとして数多のスター達の仲間入りをし二人が解散するまで活動が続いています。 1966(昭和41)年 Ira Louvin はミズーリ州の郊外で自動車事故で亡くなりました。それは America's best loved country artists が受けた信じ難い悲劇の1ページともいえるものでした。」・・・・・・・とあります。
音的にはギター、マンドリンを演奏しながら兄弟の絶妙のデュエットソングのオンパレードなんですが、時にチェット・アトキンス風のエレキギター(チェット自身かも知れない)が入っています。有名曲は(1)Too Late、(3)Nobody's Darlin' But Mine、(5)Tennessee Waltzくらいですが十分にルーヴィンスタイルのカントリーを味わえるものになっています。バンジョーが入れば即ブルーグラスになりそうな曲や、語りを入れた曲などもあります、でもなんといっても「テネシー・ワルツ」が白眉です・・・・・数ある「テネシー・ワルツ」でも10指に入るほど特異的だと思います。 兄弟のレコードは個々にCD化されるとは考えにくく、20曲くらいのベスト集で十分に堪能出来ると思いますが「テネシー・ワルツ」は彼等のヒット曲ではないので入る機会がないかもしれません。あればぜひ一聴を・・・・・のお勧め曲です。
ルーヴィン ブラザーズは2001(平成13)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれています。
米国盤 Hilltop Records JS-6036 Ira & Charles Louvin
(1)Too Late (2)I Don't Believe You Met My Baby (3)Nobody's Darlin' But Mine (4)Where Will You Build (5)Tennessee Waltz (6)I Cried After You Left (7)Hoping That You're Hoping (8)Take Me Back Into Your Heart (9)Here Today And Gone Tomorrow (10)In The Middle Of Nowhere
ルーヴィン・ブラザーズの歌を初めて聴いたのは「Alabama」という曲だった。単調だけれどきれいなメロディにのせたアラバマ州のお国自慢ソング。今の時代のカントリーシーンではとても時流には乗れそうもないサウンドです、でも何故か心洗われるような兄弟のデュエットソング・・・でした。
このレコードはキャピトルレコードの原盤を使った廉価盤で、「Alabama」は入っていませんが珍しく「テネシー・ワルツ」が入っています。生ギター、マンドリン、エレキギターだけの簡単な何ともいえないヒルビリーの香り豊かな「Tennessee Waltz」の趣きは決して他では得られないものと思っています(私感)。 裏に二人についての簡単な解説があります、調べたものを補足しながら訳して載せておきます・・・・・・・
「アメリカの Country Music の歴史の中には数多の兄弟グループがありました・・・・・Everly Brothers、 Delmore Brothers、Wilburn Brothers などで、このアイラ(1924~1966年 flat mandolin 担当)とチャーリー(1927年~現在 ギター担当)のルーヴィン・ブラザーズもそうです。 ルーヴィン兄弟には沢山の Country & Western ヒット曲がありましたが、とりわけ Sacred song(賛美歌などの宗教的な歌) の分野に優れた作品があって”Nearer My God To Thee”、”The Family Who Prays”、”The Weapon Of Prayer”といったLPアルバムは特筆に値するものです。
アラバマ州 Henegar 近郊の小さな農村で生まれ育った兄弟はごく若い頃から曲を作っては歌っておりました。第二次世界大戦に先立って軍隊に入る以前にテネシー州 Chatanooga でのタレントコンテスト優勝をきっかけにショウビジネスの世界に飛び込んでいったのでした。しかし、ささやかな成功でしかなかったので生活のためには農場での仕事と演奏活動を兼ねるといった状況が続いたのでした。
戦争が終わってしばらくして兄弟にビッグチャンスが訪れます、それはテネシー州 Knoxville にあるラジオ放送局 WNOX の”Mid Day Merry Go Round”という番組に”Smiling” Eddie Hill(1921~1994年テネシー出身 一時期兄弟とグループを組んでいたカントリー歌手。米国カントリー界ではそこそこ名前が通っていたようです) が契約をとりつけてくれて、弟のチャーリーが朝鮮戦争で兵役にとられるまで出演は続きました。
しかし、チャーリーが兵役を終えて帰ってきてからの事態は思わしいものでは有りませんでした。二人はメンフィスの郵便局に勤めながら合間にラジオショウに出演する・・・・・といった生活を続けます。 そんな中、1950年代中頃に Capitol レコードのプロデューサー Ken Nelson(1911~2008年ミネソタ州出身 Capitolレコードの名物プロデューサーで、同社所属の往年のカントリー歌手のほとんどのレコーディングに携わった人・・・・・2001年に Country Music Hall Of Fame に選ばれている) がたまたま兄弟が歌う sacred song を聴いて-誰が作ったのか・・・・・と尋ねたところ、それを作って歌っているのがまさに本人達であることを知って驚き、メンフィスまで出向いてキャピトルレコードと専属契約を結んでくれたのです。 以来、ルーヴィン ブラザーズはキャピトルから数多くの sacred 、Country & Western のLPレコードを出すようになったのでした。
ルーヴィン兄弟の成功は過去10年間に受けた数多の賞に表されています・・・・・
Billboard's "Favorite C & W Small Vocal Group (1958 and 1959)"
"Best Sacred Group" Trail Magazine (1958)
"Most Programmed Vocal Group" Cash Box Magazine (1957)
そして1956年にはその作曲能力の高さに対してBMIから2回表彰されてもいます。1955年にはGrand Ole Opry のレギュラーとして数多のスター達の仲間入りをし二人が解散するまで活動が続いています。 1966(昭和41)年 Ira Louvin はミズーリ州の郊外で自動車事故で亡くなりました。それは America's best loved country artists が受けた信じ難い悲劇の1ページともいえるものでした。」・・・・・・・とあります。
音的にはギター、マンドリンを演奏しながら兄弟の絶妙のデュエットソングのオンパレードなんですが、時にチェット・アトキンス風のエレキギター(チェット自身かも知れない)が入っています。有名曲は(1)Too Late、(3)Nobody's Darlin' But Mine、(5)Tennessee Waltzくらいですが十分にルーヴィンスタイルのカントリーを味わえるものになっています。バンジョーが入れば即ブルーグラスになりそうな曲や、語りを入れた曲などもあります、でもなんといっても「テネシー・ワルツ」が白眉です・・・・・数ある「テネシー・ワルツ」でも10指に入るほど特異的だと思います。 兄弟のレコードは個々にCD化されるとは考えにくく、20曲くらいのベスト集で十分に堪能出来ると思いますが「テネシー・ワルツ」は彼等のヒット曲ではないので入る機会がないかもしれません。あればぜひ一聴を・・・・・のお勧め曲です。
ルーヴィン ブラザーズは2001(平成13)年に Country Music Hall Of Fame に選ばれています。