西部劇と懐かしのカントリー&ウェスタン日記

現代とはかけ離れたOld Countryの世界ですがずっと続けていきます。興味のある方は時々のぞいてみて下さい。

フロイド・クレーマー ハンク・ウィリアムスを弾く

2009年01月01日 | ハンク・ウィリアムスを歌う
Floyd Cramer (1) 
日本盤 Victor RA-5175 I Remember Hank Williams (思い出のハンク・ウィリアムス)

(1)Lovesick Blues ー1949 (2)Cold Cold Heartー1951 (3)Jambalayaー1953 (4)Alone And Forsake(見捨てられて)ー1951 (5)Why Don't You Love Me (なぜ愛してくれないの)ー1950 (6)A House Of Gold(黄金の家)ー1950 (7)Kaw-Liga   (8)I Can't Help It(どうにも出来ない) (9)Hey, Good Lookin'ー1951 (10)I'm So Lonesome I Could Cry(泣きたいほどの淋しさだ)ー1949 (11)Your Cheatin' Heart(偽りの心)ー1952 (12)I Saw The Lightー1948


カントリー&ウェスタン音楽が好きな人にとって毎年1月1日はHank Williamsが亡くなった日としていつまでも記憶される日でしょう。
1953(昭和28)年元旦未明、公演先に向かう車の後部座席で誰に看取られることもなくひっそりと死んだハンク・ウィリアムス(1924~1953年アラバマ州出身)。わずか29才の人生・・・・・・でも、以前載せた「ハンク・ウィリアムス物語」(本)を読んでみると貧しい家庭の出であったがゆえに音楽的な活動は早くからしていて 亡くなった時点でのキャリアは相当なものだったと云うことが出来ると思います。  わずか2~3のコードを使って後世に残る名曲をたくさん作った才能は全く特筆に価するのは周知の通りですが、もし生きていたら音楽的にどのような経過をたどって行っただろうか・・・・・・と時には想像してみるのもいいですね。

さて、お正月にハンクにちなんだレコードを聴こうと思ってあれこれ考えてみたのですが お正月早々にハンクの曲を歌で聴くにはどうもふさわしい感じがしなくて(あまりハッピーな曲がないので)演奏だけのものにした次第です。カントリー・ピアノで有名なフロイド・クレーマー(1933年~1997年ルイジアナ州出身)がハンクに捧げるアルバムを出したことがあって[私は1985(昭和60)年に中古で買ったのですが]、それを聴いたのでした。
音的にはフロイド・クレーマーのピアノにコーラスとストリングスを加えた1960年代のナッシュヴィルサウンド仕立てで、フロイドのピアノも単音でのシンプルな演奏がほとんどで もうすこし音の手数があってもよいのに・・・・・というほどのシンプルさです。ですから構えて聴くには物足らなさがあって何か作業でもしながらバックにさりげなく流す聴きかたがよさそうです。
ハンクの歌には(1)(2)(5)(8)(11)等に見られる「不実の恋」とか「どうにもならない男女の愛情のすれ違い」とかの内容の歌が多いほか、信心深かった(というよりか自分の弱さを神に救いを求めた・・・・・といったような処があると考えた方が的確か?)ために(6)(12)のような優れた自作のSacred Songを沢山歌っています。 
ただ(3)ジャンバラヤとか(9)Hey, Good Lookin'のような明るく能天気な面も持っているので (多分にエンターテナーとしてお客さんを喜ばせる、楽しませるというプロ意識は十分に備えていたと思うのでハンクが生来持っている明るさではなかったかもしれないですが・・・・・・例えば、落語家は笑いのプロであるかも知れないけれど私生活では必ずしも陽気な人ではないかもしれない・・・・みたいなこと) バラエティには富んでいると思います。 ”Jambalaya”はカーペンターズがポップス仕立てで歌ってヒットしたので知っている人が格段に増えましたね(嬉)。
コード進行が簡単な曲ほど歌唱力、表現力がしっかりしていないと全く単調に終わってしまうのでピアノ演奏だけというのも結構難しいのでは・・・・ と思います。 このアルバムの中では(8)I Can't Help It が一番ピアノ演奏に向いているかなぁ・・・と思いました。このアルバムがCDになっているかは不明です。

尚、フロイド・クレーマーはルイジアナ州シュリーヴポート生まれなので当地で始まった有名なカントリー・ミュージックショウ”Louisiana Heyride”に十代の頃からピアニストとして出演していたそうで、その時代に出演したハンク・ウィリアムスのバックをつけたことがあるんだそうです。
フロイド・クレーマーは2003(平成15)年にCountry Music Hall Of Fameに選ばれています。

余談ですが僕自身はハンク・ウィリアムスが歌う曲では ”Beyond The Sunset(夕日の彼方に)” が一番好きです。
コメント
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